41位 『Kool As Hail EP』 All Cows Eat Grass 紹介エントリー
アトランタのネオ・ジャズ・バンド、Jaspectsの中心人物にして、ジャネル・モネイの鍵盤も担当するテレンス・ブラウンのソロ・ユニット。ジャズの未来形を追い求めて中田ヤスタカみたいになってしまったジャスペクツの音楽性を引き継いだユニットで、オートチューンとキラキラとしたシンセ・ワークを中心にした、グルーヴィで未来的なポップ・チューンを聞かせてくれる。ジャネル・ファンは必聴。EPは本作入れて3枚。
ボストン出身、Anna WiseとDane Orrのデュオによる初フル・アルバム。ドレイク~トリップ・ホップの影響濃いダウンテンポな歌モノが魅力の人たちだったが、契約したプラグ・リサーチのレーベル・カラーに合わせるように、西海岸風なコズミックなビート・ミュージックを大きく取り入れた。初期の儚さが薄れたのは寂しいが、カラフルに渦巻くグルーヴはまた違った美しさがある。シンガーのAnnaはケンドリック・ラマーの新作にも大々的にフィーチャーされ大活躍。
43位 『Shock el hal』 Gnawa Diffusion
アマジーグ・カテブを中心とした、アルジェリアのグナワ・バンドの活動開始第一弾。政治的な歌詞や、グナワにレゲエやロック、ラガやヒップホップなどのハイブリッドな音楽性、勢い十分な疾走感が魅力だが、本作では以前と比べると若干渋めというかすっきりと大人っぽい音に。初めに聞くなら『スーク・システム』を推すが、ファンキーだったり、ジャジーだったりしながら、トラディショナルなグナワの良さも伝えようという姿勢が見えて、これはこれで痺れる。
43位 『Shock el hal』 Gnawa Diffusion
アマジーグ・カテブを中心とした、アルジェリアのグナワ・バンドの活動開始第一弾。政治的な歌詞や、グナワにレゲエやロック、ラガやヒップホップなどのハイブリッドな音楽性、勢い十分な疾走感が魅力だが、本作では以前と比べると若干渋めというかすっきりと大人っぽい音に。初めに聞くなら『スーク・システム』を推すが、ファンキーだったり、ジャジーだったりしながら、トラディショナルなグナワの良さも伝えようという姿勢が見えて、これはこれで痺れる。
44位 『フローラルの専門店』 Macintosh Plus 紹介エントリー
情報デスクVIRTUAL、Vektroid、Esc 不在など、多数の名義を使い分ける西海岸の女性(ネカマかも)。奇妙な日本語を使った曲名や怪しいジャケットで飾り立てた、Vaporwaveという人を小馬鹿にしたようなメタ音楽ジャンルの中心人物で、音楽的にはダイアナ・ロスやザップなどのスクリュー・ミックス+α なのだが、聞いているとかなりハマる。まぁ、Vaporwaveにはずいぶん楽しませてもらった。フリーDL。
45位 『OPM』 TheClvsh 紹介エントリー
Spaceghostpurrp率いる、Rvidxr Klvn周りとして現れたカリフォルニアのラッパーのデビュー作(クランから抜けて名前もSupremeFilthに変わった?)。レイダー・クランらしいおどろおどろしさはなく、終始クールで洒脱。女声やエレピなどの甘いサンプルと浮遊感のあるシンセのスモーキーな響きの絶妙なブレンドが、実にスタイリッシュで、淡々としたラップと併せ、いつまでも聞いていられる心地好さがある。トリルウェイヴ名盤。フリーDLだったが、リンク見つからず。
46位 『Will Happiness Find Me?』 Maria Minerva
エストニア出身、インディ・ダンス・シーンの女王の2枚目となるフル・アルバム。ひとつ前のEP『Sacred & Profane Love』でブギー感を増した彼女だが、本作ではその線を踏襲しながら、エキゾチックだったり、50年代の音源をサンプリングしたり、Vaporwaveと共振するニューエイジ的な要素も含んだりと、聞き手を幻惑、翻弄。底の知れない感じになってきた。所属レーベルの主宰者、LA Vampiresとの共同名義作も◎。
47位 『XXYYXX EP』 XXYYXX
まだ16歳(さすがにそろそろ17歳?)という、アフリカ系ビートメイカー、Marcel Everettのソロ・ユニット。ポスト・ダブステップ、チルウェイブ、ウィッチハウス、スクリューなどなど、さまざまな流行りのエッセンスを掬いあげるセンスはもちろん、「声」の扱いが非常にうまく、どの曲にも歌心がたっぷり。Tinashe始め、リミックス仕事も素晴らしかったし、末恐ろしい。このほかにYOUNG CULTなど、別名義も多数。
48位 『yudamen EP』 satanicpornocultshop
大阪の覆面ジューク/フットワーク・ユニット。160前後のBPMが最大の特徴で、かつそれに当てはまればいいという定義の緩い同シーンの性格を完全に利用し、雑食にさまざまな音楽を飲み込んでいるのが魅力の人たちで、本作でもクラウト・ロック~エレクトロあたりをごくり。ジュークのビートにロボットが痙攣しているかのよう。E,W&Fの「セプテンバー」のカヴァーも、はっぴいえんどなジャケも最高。個人的にはトラックスマンより楽しく聞いた。
49位 『Don't Be S.A.F.E.』 Trinidad James
Def Jamと契約、日本でも「鳥J」の愛称で渡辺志保さん発信で盛り上がっている、トリニダード・トバゴ生まれ、アトランタで活動するラッパーのデビュー・ミックステープ。ラップもトラックも、スモーキーでぐらぐらした酩酊感が魅力で、ルーズでダーティでありながらもすっきりとした音作りは、ポケモン・カードつながりで交流があるという、A$AP Rockyに通じるところも。詳しくはComplexの記事を。フリーDL。
50位(リイシュー枠) 『フィーリンの真実』ホセー・アントニオ・メンデス
50位はリイシュー枠。1950年代にキューバで流行した、北米ジャズの影響色濃い歌謡音楽“フィーリン”の代表的な歌手の再発第二弾。2007年に出た『フィーリンの誕生』の、異様に密室感のあるムードこそないが、端正かつ情感たっぷりの歌い口で歌われるシックなキューバのジャズ歌謡は、やはりロマンティックで洒落ている。以前書いたように、現在のブルー・アイド・ソウルな人たちとも重なるところもあったりして、改めて新鮮に、うっとりと聞き惚れた。聞いたことがない方はすぐにでも07年作と2枚買いを。再発ものでは、カンの3枚組や『Trouble Man』の拡大版、ジョージ・ジャクソン集の第二弾やスタックスのHot Sauceなど。ナット・キング・コールなども収録し、フィーリンの全体像に迫ったコンピレーション『フィーリンを感じて』も良かった。
これは2007年のリイシュー盤収録。
松井、ありがとう!
年間ベスト・アルバムに野球選手を入れていいのなら、
1位はあなただ!
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