クリスマス
2019年12月07日
ふらっと本屋の絵本コーナーに立ち寄ったら、幼い頃に好きだった絵本が特設コーナーに並べられているのを発見し、そのロングセラーぶりに思わず感動してしまいました。
この本、絵本のコーナーに売られていますし、見た目もパッと見“絵本”なのですが(分類的にも絵本や児童書の部類に入ると思われますが)、中身は「外国のフルカラーのマンガ」といった感じで、コマ割りや吹き出しでストーリーが表現されています。
(なので、通常の絵本よりも情報量が多い気がします。)
内容はクリスマスのサンタの一日(起床から就寝まで)を追ったドキュメンタリー調の(でも主人公がサンタクロースなので内容は“ほのぼの”です。)ストーリーです。
サンタと言えば、俗世間とは離れたファンタジーな存在というイメージを持っている方が多いと思いますが…
ここに描かれているサンタは、かなり人間くさいです。
…と言うより「おっさんくさい」です。
タイトルの通り「寒がりや」で、「寒さが身にこたえるわい」みたいなことをブツクサ言いながら仕事(=プレゼント配り)をしています。
その仕事ぶりも、ファンタジーや魔法の世界と言うよりも「現実世界のおじさんが頑張って仕事をしてます」というような妙なリアリティーがあって、そこがイイ味を出しています。
サンタの仕事は基本ひとり(そりを引くトナカイはいますが)なので、台詞は基本的に「ひとりごと」なのですが、そこがまた「こんなおじさん現実にいそう」という感じで親近感を与えてくれます。
とは言え仕事内容は“サンタのお仕事”ですので、空飛ぶそりで世界中を駆け回り、そんな世界各地の様々な風景も描かれています。
この本を一番熱心に読んでいたのが小学校に上がる前でしたので、当時はその風景の場所も意味もさっぱり分かっていませんでしたが、それでも日本とは全く違う外国の景色が次々出て来ることにワクワクしたのを覚えています。
画面構成が細かく、子どもにとって難しい言葉もあるので、当時自分がこの絵本の内容を完全に理解できていたかと問われれば、完全に「NO」です。
しかし、それにも関わらず妙に心に残っている不思議な絵本です。
ちなみに絵本の中でサンタが鼻歌で賛美歌を歌っているシーンがあるのですが、当時はその歌詞の意味がさっぱり分かりませんでした…
(ひらがなで書かれているので余計に何のことなのか分かりづらかったのです。)
が、後に学校のクリスマス・ツリーの点灯式で皆で賛美歌を歌う機会があり、歌詞カードを配られて「これ『さむがりやのサンタ』が歌ってたやつだ!」と妙な感動を味わうことになりました。
mtsugomori at 12:30
2017年12月10日
12月、ということで、今月はこの絵本を……
内容は、ある猫の眼を通して描かれるクリスマスの風景です。
内容は、ある猫の眼を通して描かれるクリスマスの風景です。
山あり谷ありのストーリーというわけではなく、詩のように、あるいは日記のように、あるクリスマスの情景が猫の視点で描かれています。
しかも、外国の作家さんの書かれた絵本ですので、外国の、本格的でアットホームで何だかオシャレな(←個人的感想ですが。)クリスマスの様子なのです。
読んでいると「外国のご家庭では、こんな風にクリスマスが行われてるのかなぁ」と想像できて面白いです。
そして表紙をご覧になっていただいても分かる通り、最大の特徴は何と言っても猫の絵が上手いことです!
挿絵を描いたアン・モーティマーさんはイギリスの王立細密画家協会会員なのだそうですが、“細密画”の画家さんだけあって、とにかく絵が細かく緻密で綺麗です。
長毛種の猫の毛の1本1本までが丁寧に繊細に描かれた絵は、写真と見紛うようなリアルさです。
そんなフワッフワな猫が、雪の中を転げ回ってみたり、クリスマスに訪れる人々の足下に寝そべっていたり、空やツリーを見上げていたりする様子が、そして家の中に入れてもらおうと窓に手をかけるそのピンク色の肉球の柔らかそうな様子が、本当に可愛らしく、絵を眺めるだけで癒やされ、ほっこりしてしまいます。
また、猫の絵だけでなく、クリスマスツリーのオーナメントのキラキラした丸いボールや、雪の積もった枯れ木の枝、テーブルの上に積まれたフルーツ、クリスマスプレゼントの包み紙やリボンなども非常に細やかに美しく描かれています。
読んでいると、まるで主人公の猫と一緒に外国のクリスマスの一日を過ごしているような気分になって、クリスマスのムードが盛り上がります。
猫好き、クリスマス好き、海外のオシャレな生活に憧れる方にはオススメな、クリスマス絵本です。
mtsugomori at 19:26