2018年09月19日
毛の一本一本まで丁寧に描かれた動物達がとにかく可愛い!癒し絵本
今回紹介するのはこの絵本です。
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この絵本の特徴は、何と言っても、毛の一本一本に至るまで丁寧に描き込まれた緻密な動物の絵の可愛さです。
動物細密画の絵本と言えば、このブログでも以前、イギリスのアン・モーティマーさんによって描かれた「こねこのみつけたクリスマス」を紹介していますが、同じ動物の細密画であっても海外の画家さんの描かれるものと日本の画家さんの描かれるものとでは、やはり雰囲気が違うなぁと感じます。
「こねこがみつけたクリスマス」の挿絵の猫は「とにかく細かくて綺麗で可愛い」という感じでしたが、この絵本を描かれた「しもかわらゆみ」さんの挿絵は、その「細かくて綺麗で可愛い」にさらに「優しさ」や「やわらかさ」や「ほっこりした癒し感」が加わっています。
そして、とにかく絵本の中の動物たちがズルいくらいに可愛過ぎます。
表紙を見ていただくだけでも、こちらを見つめる動物たちのキラキラしたつぶらな瞳の可愛らしさが伝わるかと思いますが、中表紙のチョコンと座って上目遣いになったネズミくんの可愛らしさだとか、木の幹を伝って下りてくる途中のリスさんの愛らしいポーズだとか、体の大きい順に並んだ森の動物たちが皆そろって小首をかしげている所だとかが、とにかく可愛過ぎて動物好きにはたまりません。
雪の森の色数の少なめな風景や、細かいところは細かいのに余白を多くとってある構図も、とても日本的で、海外の細密画の絵本とは違った“味”があります。
雪の中の“あしあと”を追っていくうちに、どんどんついてくる動物たちが増えていくところも、いかにも絵本らしく「子どもの頃、こういう感じ、好きだったなぁ」と懐かしくなります。
物語の内容もほんわかハート・ウォーミングですし、ほっこり癒されたい時にオススメの絵本です。
ちなみに、作者の「しもかわら ゆみ」さんは、講談社フェーマススクールズの通信講座でイラストを学んでいたそうです。
(その後、同じ系列の直営教室で動物細密画(ワイルドライフアート)を学び、さらに同スクールの主催するKFS絵本グランプリでグランプリを受賞して絵本作家デビューとなったそうです。)
そういうイラスト通信講座の広告は、自分も雑誌の裏表紙などで見た覚えがありますが、実際にそこから絵本作家にまでなる人がいるとは思ってもみなかったので、驚きでした。
しかも略歴を見るに、通信講座でイラストを学び始めたのが2001年、絵本作家デビューが決まった(絵本グランプリを受賞した)のが2013年ですから、単純計算して13年の努力の果ての成功です。
その長い研鑽の日々に頭が下がりますし、何だか「自分も頑張ろう」という気持ちになります。
<刊行情報>
Kindle版(Amazon電子書籍)もあります。
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<しもかわら ゆみ さん の その他の作品>
以下は絵本ではなく、塗り絵ノートです。
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(黒い線だけで描かれた猫たちが可愛らしく素敵です。見開きで片面が塗り絵、もう片面がノートになっています。ノート下部には1行猫雑学(?)も…。)