ファイナンスに関するネタです。
こちらの写真は本題とは何の関係もありません。
ただのシンガポール出張の記念写真でございます。あしからず。
前置き
さて、僕がいつも楽しく読ませてもらっているthe startupのumeki氏のブログにこんなことが書いてありました。
これは、日本のスタートアップ企業のステージ毎のファイナンス額のイメージです。
1stラウンド:1回目の増資(300-500万程度)=いわゆるシードステージ
2ndラウンド:2回目の増資(1,000-3,000万程度)=いわゆるシリーズAレベル
3rdラウンド:3回目の増資(5,000万以上程度)=いわゆるシリーズBレベル
*また、最初から億単位、3,000万単位などもあるため
あくまで各ラウンドでの調達額は目安に過ぎず、例外も多分にあります。
日本だと、確かにこんなもんかなと、僕にとってもかなり納得感のある数字です。
一方米国はどうでしょう。
これは、TechCrunchの過去のファイナンスに関するDBで、非常に有用なデータです。
さて、これを見てみると、シードステージから、300万ドル(約2.4億円)、190万ドル(約1.5億円)と軒並み1億円超えの数字が並んでいます。
なんで、こんなに日本と規模が違うんですかね??
10倍は差がありますよ。
さて、ここまでが前置きです。
シンガポール出張
11/1(火)〜4(金)でシンガポールに行ってきました。
5月に行って以来、今年2度目のシンガポール出張です。
レピカ、アララの海外展開の足場固めをすることが目的です。
ちなみに今回どんな行程だったかと言うと、まず10/31(月)に仕事が終わってから、そのまま深夜の飛行機に乗り翌早朝シンガポール着。
で、ホテルに荷物だけ置いて、一発目のミーティングに参加、そのまま4日間で会食含め実に18アポ、21社(or個人)の方とミーティングをし、帰りも10/4(金)の深夜便。
と、まあ極めて生産性が高い(というか怒涛の)出張を満喫してきました♪
ただ、その甲斐あって、今回確実に成果につなげられる出張だったと思います。
今日は、その際にお会いした何人かの起業家の方、投資家の方との話しが非常に刺激になったのでシェアします。
シンガポールの起業家、投資家の常識とは
さて、前置きに何で米国の例を書いたかのネタばらしをしますと、シンガポールでのファイナンスに関する考え方が米国と極めて近いと感じたからです。(中国もかなり近しいです)
冒頭にファイナンスの規模感が10倍違うと書きましたが、その理由は一言で言うと成長性に対する認識が10倍違うからです。
成長性10倍というのは、同じ期間で10倍の数字を目標としているという意味です。
日本人の起業家はまず何を考えるか。
大半の人はまずは人口1億2千万人の日本市場での事業拡大を考えます。
日本人なのですから当然と言えば当然です。
(勿論、全員ではありません。)
一方、シンガポールはどうか。
人口500万人、国内市場は正直非常に小さいです。
そのため、国内市場だけで成り立つような事業をそもそも念頭に置いていません。
というか、そういう発想がありません。
常にアジア、特に中国、そして世界を見てビジネスを考えるということが彼らの常識です。
例えば、とある飲食チェーンの社長はアジアのマクドナルドになると明言していました。
つまり世界に1万店規模のチェーンを作るということです。
日本人で1万店規模の飲食チェーンを作ると豪語する起業家はあまり多くはいません。
目標1000店舗でも、周りからは壮大だ、眉唾な目標だと言われると思います。
ですが、シンガポールでは全く違います。
中国だけでも人口10億人、インドネシアが2億人、フィリピンが1億人、その他のアジア諸国を加えれば、アジアだけでも16億人のマーケットが目の前にあります。
そのマーケットに対して、1万店舗の目標はむしろ常識的な範囲というのが彼らの認識です。
勿論、1万店舗を目標とすれば、必要な資金の量は1000店舗の場合とは全く違います。
それが、結果として冒頭のファイナンス額の10倍の差に表れてきている訳です。
仮に、シードで入る投資家のシェアが日本とそれ程差がないとしたら、バリュエーションも当初から日本の10倍になるということですね。
ただ、幾ら彼らの常識だからと言って、10倍の数字を目指して、果たして達成するかどうかはまた全く別の話です。
当然、確率論的に、ほとんどの会社はそんな数字には到達しないでしょう。
ただ、中には稀に、そこに到達もしくはそれを凌駕する勢いで成長する会社があります。
そういう会社が世界で活躍するIT企業になっていきます。
異論反論覚悟であえて大きな話をすると、僕は日本から世界に通じるIT企業がなかなか出ない理由の1つはこの「常識」のせいではないかと思っています。
日本の常識は世界の非常識!
世界で活躍するITベンチャーを目指すためには「世界の常識」を持って戦わないといけないかと。
さて、今回はファイナンスの話しを中心に書きましたが、ファイナンスに限らず、我らがレピカ、アララチームは世界の常識を持ってビジネスを進めていきたいと思う今日この頃です。
それでは、今日はこの辺で。
5月出張時のエントリーもよかったらあわせて読んでみてください。
「今世界で断トツで成功している国『シンガポール』が凄いことになってる」
http://blog.livedoor.jp/mktgcfo/archives/2670590.html
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