「電子マネーの発行主になる意味シリーズ」
今回が第3回目です。
前回からすっかり間が空いてしまって済みません。。。
◆前回までのおさらい
まずは前回までと同じ質問から。
なぜ、IYグループとイオングループは自社電子マネー(nanaco、WAON)発行にこだわったのか?
別の言い方をすると、なぜ単純にEdyやSUICAを自店舗に導入するだけではダメだったのか?
そして、これもおさらいですが、答えは電子マネーの発行主になることによって、以下の3つのメリットが得られるからである、と書きました。
1.退蔵益の発生(第1回目)
2.前受金による資金繰り改善と運用益発生(第2回目)
3.新規客、客単価、再来店率アップ(=売上アップ)
そして今日は、3つ目のうち再来店率アップについて説明します。
(つまり3部構成の予定が4話目に続きます。。。)
まず、店舗の売上を分解すると、
店舗売上 = 客単価 × (新規客数 + 再来店客数 × 再来店回数)
となります。
つまり、店舗売上を上げるためには、客単価を上げるか、新規客を増やすか、再来店の客数、回数を増やしていく他ありません。
◆なぜ再来店率が上がるのか
上記算式のうち、客単価と新規客は次回説明にまわすとして、ここでは再来店率の説明からいきます。
再来店率、またはリピート率には色んな定義がありますが、ここでは月の新規客のうち何割が一定期間内に再来店するかと定義します。
そうすると、この数字がアップすると上記算式の再来店客数の増加につながります。
それがひいては、再来店回数の増加にもつながるでしょう。
さて、それではなぜ電子マネーの発行主となることで、この再来店率を上げられるのか。
物凄い単純な言い方をすると、そのお店(ブランド)でしか使えないお金が電子マネーにチャージされてるからなんです。
つまり、EdyやSuicaはどこでも使える電子マネー。
一方、nanacoやWAONは自社の電子マネーですから、使うにはセブンイレブンかイオンのお店に足を運ばないといけない訳です。
そう言われると、ユーザーにとってはEdyやSuicaの方がどこでも使えて便利じゃんと思います。
実際EdyやSuicaの方が利用可能な店舗数も多く便利です。
では、世の中でのそれぞれの電子マネーの利用のされ方はとうか。
便利だからEdyやSuicaが一番使われているのか。
下表を見てください。
月間の総利用件数こそSuicaにトップを譲るも、ほぼ同数でnanacoが2位、WAONが3位、またカード1枚当たりの平均利用回数ではnanaco、WAONが他を圧倒しています。
つまり、カード保有者が何度もお店に再来店して使っているのはnanaco、WAONだということです。
2011年11月利用状況
これ理由は物凄いシンプルです。
nanaco、WAONの方がお得だからです。
例えば、nanaco、WAONでは利用ごとにポイントが溜まったり、特定の商品を何%が割引で買えたり、店舗で受けられるメリットが豊富にあります。
一方、EdyやSuicaにもポイントはありますが、5%も10%もお得になることはめったにありません。
せいぜい1%とか2%とかです。
何故そうなるかと言うと、nanaco、WAONで溜まったポイントは将来セブンイレブンかイオンで使うからです。
つまり、ユーザーが自社の店舗に再来店してくれるから色んな特典をユーザーにつけても元が取れると判断しているんですね。
店舗でせっせとnanacoやWAONの販促をするのも、再来店してくれるからです。
一方、EdyやSuicaの販促物が店舗に貼られていることはめったにありません。
何故なら、EdyやSuicaをいくら店舗でお勧めして、使ってもらっても、そのユーザーが次回同じ店舗に戻ってくるとは限らないからです。
極端な話、ファミリーマートでチャージして、隣のローソンで使うなんてことも大いにあり得ます。
実際に日常的に起きていることでしょう。
◆レピカの事例を紹介
さて、ここまでで、EdyやSuicaに比べて自社発行型の電子マネーであるnanacoやWAONの方がユーザーをリピートさせ易いという理由は分かってもらえたと思います。
では、実際どの位リピートするんでしょうか。
レピカの事例を2つ紹介します。
レピカはnanacoやWAONのような自社発行電子マネーのミニ版なので、上記ロジックがそのまま適用できます。
さて、最も端的な例から。
1つ目は、レピカのシステムを導入頂いているある美容室さんです。
ここの美容室は、なんと、なんと、なんと驚異の95%の再来店率を実現しています。
新規で来店したお客のうちの95%が再来店しているということです。
詳しくは、以前の僕のエントリー(下記)を読んでもらえればと思いますが、秘密は新規客に次回来店時に使える3000円が入ったカードをプレゼントしていることなんです。
つまり、この店舗でしか使えない電子マネーをプレゼントすることで再来店につなげています。
リピート来店率 驚異の【95%】の秘密とは ある美容室にて
そして、2つ目は、最近レピカを導入頂いたサブウェイさん。
以下のキャンペーンをやった結果、本日までのチャージがそれまでと比べとてつもなくアップしてます。
済みません。数字は言えません。。。(汗)
このキャンペーンで特典を得るためには、最低3000円のチャージが必要となります。
ユーザーには500円プレゼントされるので、結果3500円分チャージされます。
そうすると、客単価が仮に500円だとしたら、将来7回の再来店がこのチャージの時点で約束されたことになります。
別な言い方をすると、将来7回の再来店を約束してくれるサブウェイのファンの方限定でお得な特典を付けているという風にも言えるでしょう。
(このお得なキャンペーンは1/31までやってます)
さて、つらつら書きましたが、電子マネーの発行主になるメリットが少しは伝わりましたでしょうか。
次回は、客単価と新規客アップについて書く予定です。
最後に、全然関係ない話しですが、1/29は僕の誕生日でして、昨日で39歳になりました。
30代最後の年であり、今年はレピカ、アララにとっても飛躍の年、後悔しないようにガムシャラに突き進んでいきますので応援いただけたら嬉しいです。
昨日は、僕のフェイスブック、ツイッターで、沢山の友人からメッセージをいただき、本当に感謝感激です。
この場を借りてお礼申し上げます。
それでは、今日はこの辺で。
最後までご覧頂きありがとうございます! 本ブログ上部の「いいね!」や「ツイートする」を押してご友人に広めて頂けると嬉しいです。 また、以下コメント欄にご意見、ご感想など頂けると今後の励みになります。 |