おいみず亭 Family & Friends

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Highlights From The Plugged Nickel / Miles Davis

2006-04-11 01:53:46 | Miles Davis
うーん、このアルバムが発売されたときの評価はどうだったんでしょう・・・
黄金のカルテットがプラグドニッケルで繰り広げたライブのハイライト版。このCDにおさめられているのは
 Milestones
 Yesterdays
 So What
 Stella By Starlight
 Walkin'
 'Round Midnight
の6曲。どれも名曲ぞろい。しかし、どの曲もマイルス楽団特有の「ライブではテンポが速くなる」です。しかも、尋常じゃないでしょ、このテンポは。

Milestones。オリジナルはビッグバンド風(?)のカッコいいイントロなのに、なんだかヘロヘロと始まったかと思うとテーマが終わらないうちからもうアドリブ。マイルスが延々とソロをとり始める。やがてショーターがソロをとり、ハンコックがソロをとるのですが、これが凄い緊張感でリズムまで変幻自在。

So Whatにしても超高速リズムで最初のテーマが終わるとマイルス→ショーター→トニー→ハンコックの順にソロをとっていくのですが、これSo Whatだよね? と思ってしまうほど曲を解体しきっています。

この感覚、パンク・ニューウェーブですね。
ロック界では、パンク・ニューウェーブが出てきて、それまで感情移入して延々と続いたギターソロというのが、いさぎよいパンクサウンドに取って代わられたんですが、このアルバム、ジャズ界のパンク・ニューウェイブではないでしょうか。
ジャズというと、なんかもったいぶったような、大人の雰囲気がありますが、そんなものを打ち破るニューウェーブジャズ。既存のジャズを解体するパンクパワー。解体したその先に見据えていたものは、やはり電化なのでしょうか。。。



Miles Davis(tp)
Wayne Shorter(ts)
Herbie Hancock(p)
Ron Carter(b)
Tony Williams(ds)

In a Silent Way / Miles Davis

2006-03-24 03:55:06 | Miles Davis
これは気持ちよいです。リズムに身を任せて、漂っていたくなります。
何回も繰り返して聴いていても、気持ちよいです。
電化マイルスの締めは、このアルバムにしてみました。


「Bitches Brew」の半年前の録音。ジョー・ザビヌルはいるは、ウェイン・ショーターはいるはということで、一瞬初期のウェザーレポート? とも思えてしまいます。

「Shhh/Peaceful」「In A Silent Way」という曲目の示す通り、静かに反復するリズムが、なんだか悟りの境地に導いてれます。クラウス・シュルツの所でも書きましたが、こういう反復するのは好きです。

録音は1969年。1970には、ピンクフロイドが「原子心母」を発表、タンジェリン・ドリームが「エレクトリック・メディテーション」を発表。ソフトマシーンは「3rd」を発表。これらのアルバムが直接「In a Silent Way」の影響を受けたとはいえないかもしれませんが、傾向は似ていると思います。

「Bitchs~」以降、どんどん電化して、ロックやファンクに近づいていったマイルスですが、このアルバムはそのどのアルバムよりもジャズから遠く離れたところに居るのではないでしょうか。
ジャズから遠く離れていたがゆえに、ジャズとしての束縛も受けずに、ウエザー・リポートなどのフュージョン音楽を作り出す事ができたのだと思います。単に1枚のアルバムとして聴いても、また現代の音楽史としてみても、重要な1枚かなのもしれません。

電子化マイルス(その2)

2006-03-23 02:39:30 | Miles Davis
マイルスのワーナー移籍第一段が「Tutu」です。
Tutuというのは、南アフリカの人権運動家ツツ司教から命名されています。You're Under Arrestに続き、人権問題をテーマとして取り上げています。

ジャケットのモノクロ写真に、やられてしまいました。


内容は、プローデュースを買って出たマーカスミラーがベースを作り、マイルスがかぶせていくという作りだったそうです。マーカスミラーの「カラオケ」という印象もある事はあります。
最初に聴いたときには、アルバムジャケット同様モノクロームな印象を受けました。あらためて聴いてみると、どの曲もマイルスのトランペットがカッコいい。マイルスも、プロデスュース業から解放されたせいか、伸びやかに吹いています。曲としても、耳に残りやすい佳曲ぞろいだと思います。

サントラ「シエスタ」を挟んでの「オリジナル」アルバムが「Amandla」

この次に、「ディンゴ」「Doo-Bop」と続きますが、なんとなくこのアルバムがラストアルバムのような気がしてなりません。多分、僕もマイルスが亡くなった後に、このアルバムを買っているような気がします。
マーカス・ミラーのプロデュースということで、「Tutu」同様のエレクトリックファンク。ただしこちらは「カラオケ」ではなくて、スタジオセッションのようで、そのせいか音が華やかな感じがします。生き生きとしているというか、カラフルというか。ちょうど「Tutu」のジャケットと「Amandla」のジャケットの違いのような印象を受けます。

Amandla。この美しい響きを持った単語は、Zulu語で「我らに力を」という意味だそうです。アルバムタイトル曲「Amandla」を聴いていると、心の底から力が解放されて、空に向かって希望が広がっていくように感じます。


一番最近購入したマイルスが「Live around the world」です。

「In a silent way」から始まるこのアルバム、88年から91年までの世界各地のライブをまとめたアルバムです。収録曲は有名どころで、お買い得。
1.In A Silent Way
2.Intruder
3.New Blues
4.Human Nature
5.Mr. Pastorius
6.Amandla
7.Wrinkle
8.Tutu
9.Full Nelson
10.Time After Time
11.Hannibal
ライブ音源の寄せ集めという感じではなく、オープニングのIn a silent wayからアンコールのHannibalまで一つのステージのような構成になっています。

Hannibalの録音が、91年8月25日。この約1ヶ月後にマイルスは他界します。
iPodでマイルスの曲をランダムに聴いていたときに、この曲に行き当たりました。その時に、この曲そのものが、まるで何かの事件かのように語りかけてきました。ジャズを作り上げ、破壊し、電化する事によって全く新しい音楽分野を作り出してしまったマイルス・デイビスの宇宙は、失われてしまいました。
でも、マイルスが残した沢山のアルバムから、その宇宙をかいま見る事ができます。巨大な宇宙なので、沢山の努力が必要だと思います。でも、ここ何ヶ月か電化マイルスを追ってみて、それが楽しい作業だと気付きました。
次は、ビッチェズ・ブリューへ至った道のりを探ってみようかなと思っています。

電子化マイルス

2006-03-23 01:00:41 | Miles Davis
どう書いていいものか、何回か下書きしたのですがなかなかうまく書けないので、少しばかりフリーにだらだらと書いてみます。

「The man With the Horn」「Star People」を聴いて「ウォームアップは終わったな」という感じがしました。そしてDecoyはあのジャケットにやられました。
セピアトーンのジャケットにマイルスのアップ。電化時代に眼光が鋭いがゆえにサングラスをかけていたあのマイルスが素顔でこちらを振り向いています。


長い間マイルスのプロデュースをしていたテオ・マセロを失って、自らプロデュースしたアルバム。コ・プロデューサにはシンセサイザーのロバート・アーヴィング3世。電化された上にシンセサイザー満載の「電子化」マイルスのスタートです。

1曲目、アルバムタイトル曲「Decoy」ここからやられてしまいました。
電子化されたファンクリズムに乗せて、マイルスのトランペットがメロディーを奏でます。この後マーカスミラーがプロデュースしたTutuやAmandraと似たところもアルのですが、それよりずっとクール。マイルスが目指していたファンクとジャズの融合の原点がこのアルバムにあるような気がします。

それにしてもこのアルバムは何回聴いた事でしょう。こんなにも繰り返して聴いたマイルスは無かったかもも知れません。


You're Under Arrest。公民権運動の激しい頃を思い出しての命名でしょうか。もちろん、マイルスの音楽に捕まってしまうという意味もかけているのかもしれませんが・・・

電子化時期のマイルスでもっもメロディアスな1枚ではないでしょうか。
特筆すべきはシンデー・ローパのTime After Time。見事に美しいバラードになっています。(オリジナルも美しいけど、それ以上に)
ただ、このアルバム個人的には「ジャケ買い」ならぬ「ジャケ買わず」アルバムなんです。なんでマシンガン持ってるんですか。(いや、わかるきはするのですが・・・)

「80年代のビッチズブリュー」とかいううたい文句だったのが「Aura」
Decoy風のジャケットに惹かれて、ジャケ買いしました。
色をテーマにした小品集。1曲目「Intro」のカッコいいことったらありません。
個人的には、一曲毎にイメージが違い、ちょっと散漫な感じがします。ジャズというより現代音楽風だったりするものもあります。
個々の曲のイメージについては、樹里の森のplum.apricotさんがうまくまとめていますので、そちらに譲ります。



古いほうのマイルスも少しだけ・・・

2006-03-21 03:39:09 | Miles Davis
相変わらず、電化マイルスばかり聴いている毎日です。
もともと、ジャズロックが好きなんですが、ここが本家本元なので、嫌いなわけがないです。

とは言え、マイルスのことばかり書いているわけにも行かないので、そろそろ最終コーナーを回って終わろうかと思います。で、今回は、家にある古いほうのマイルス。とはいっても、オーディオがLP時代にはマイルスのアルバム買っていません。CD化されてから、追体験しています。

最初に気になったマイルスは「Kind of Blue」でした。マイルスもエヴァンスも知らなかった頃、会社の仲間と海に行った時に、その中の一人がCDを聴いていました。直感的に(聴いた事なかったんですが)ビル・エヴァンスのピアノだと思い、持ち主に訪ねると、その通りだとの答え。アルバムは、マイルスの「Kind of Blue」。これは、即買いでした。(もっとも後から聴いたら、その曲はFreddie Freeloader。ウィントン・ケリーのピアノでした。)
とにかく、モードだのなんだのというのは後から知りました。美しいピアノとクールな管楽器。ジャズといえばもっと暑いものと思っていましたが、こんなにも静かに淡々としたジャズもあるものなんだと感心していました。



「Milestones」は友人から借りて聴いた事があったのですが、後にどうにもまた聴きたくなって購入したアルバムです。Miletonesのあの「パッパッパラァー」というイントロが印象的です。Straighte No Chasermもカッコいいですね。
解説によると、マイルストーンではモード奏法の実験を行っているようで、ピアノのレッド・ガーランドがなかなか理解できなくてクビになった(?)様ですが、あにはからんやそのレッド・ガーランドのピアノが良いです。なんだかコードはこうやって弾くんだよ、といっているような音の重ねかた。このアルバムを聴きたいと思ったのは、ハードバップなマイルスを聴きたかったのかもしれません。



ハービーハンコックがヒップホップしていたころ、ハンコックの初期の作品をいくつか聴いていました。ロンカーター+ハンコックという組み合わせにちょっと興味があって、マイルスのバンドにいたときのも聴いてみようか、ということで選んだのが「My Funny Valentine」。プログレばかりじゃなくて、ちょっとはお洒落な音楽も聴かなくちゃ、という危機感も働いて、バラードを集めたこのアルバムに白羽の矢を立てたわけです。(どういうわけかウェイン・ショーターとは相性が悪いので、消去法的に選んだということもあります)

ところがこのアルバムがすごい。柔なバラードのスタンダード集かとおもえばさにあらず。ジャズってこんなに自由なの? と思うほどスリリングな展開。常に主役が入れ替わるというのか、誰かが引いたら、すかさず誰かが入ってくる。それがすごく自然な展開で「あれ、これはハンコックのトリオ?」と思うと次の瞬間ちゃんとマイルスグループに戻っている。それでいて全体は、すごく美しいバラード(これはプロデュースの勝利か)

久しぶりに聞き返しましたが、未だに新鮮。というか、一連の電化マイルスのプレイリストに入れても違和感がないように思えます。もちろん、アコースティックで4ビートなので、全然「電化」していないわけですが、マイルスの「電化」のアイデアの根本がこの時期にあったのかもしれません。
食わず嫌いのショーターのいたクインテットの4部作でマイルスが、ジャズをどうやって「電化」に導いていったのか、聴いてみたいような気がしてきました。


bitches brew/Miles Davis

2006-03-07 10:44:26 | Miles Davis
電化マイルス最後の2枚に「アガルタ」と「パンゲア」というライブ盤があります。
「パンゲア」というのは、大陸移動説を唱えた、アルフレート・ヴェーゲナーが仮定した、古代の超大陸です。
Wikipediaより

いくつかある地球空洞説の一つに「アガルタ伝説」というのがあります。アガルタは、地球内部の空洞に人工の太陽を浮かべた古代の超科学国家です。アガルタ人は遠距離の移動のために、円盤を用いるそうです。地球内部のアガルタと地表はいくつかの穴で繋がれていて、時々その穴からアガルタ人の乗った円盤が、地表の世界にやって来るそうです。横尾忠則氏による「アガルタ」のジャケットに円盤が絵が描けているのはそのためでしょうか。
 ちなみに、アガルタの首都はシャンバラというそうです。

つまり、地表を覆う「パンゲア」と地底に繰り広げられる「アガルタ」。電化マイルスグループの行き着いた先が、太古の地球を作っていた二つの世界というわけです。

さて、ビッチズブリューですが、このアルバムを象徴するのはやはり1曲目「Pharaoh's Dance」ではないでしょうか。ロック化されたリズムも話題になりますが、過剰とも言えるリズム隊の織りなすポリリズム。その中でコンガでしょうか「ンストトトトトト」と繰り返されるリズムがあります。そこにバスクラリネットの音が、密林のジャングルを這う大蛇のようにまとわりついてきます。アルバムジャケットのアートワークと合わせて、どこか時代から隔絶されて、太古の生活様式を守り続ける部族的なイメージが湧き上がります。曲の前半は、このようなどこともしれない密林の中、禁忌の地に迷い込んでしまったような感じがあります。

それが中盤でのマイルスのソロとともにイメージが一変して、オープンな感じになります。今まで謎めいて聞こえていたリズムが、地底から湧き上がる喜びの力のように感じられます。ロックビートを取り入れたのは結果であって、実はいままでのジャズをリズムの面から解放するのが目的だったのではないかと感じられます。

電化マイルスの1作目は、このような土着的な音で始まります。そして行き着いた先が、地球全体を表す「アガルタ」と「パンゲア」。まさか、いくらマイルスとは言え最初からこのストーリーを考えていたとは思えませんが、見事に円環ができ上がっていると思います。




[Bitches Brew]
Miles Davis(tp), Wayne Shorter(ss), Bennie Maupin(bcl), Joe Zawinul(elp), Larry Young(elp), Chick Corea(elp), John McLaughlin(g), Dave Holland(b), Harvey Brooks(elb), Lenny White(ds), Jack DeJohnette(ds), Don Alias(ds,congas), Jumma Santos(Jim Riley)(shaker,congas)
1970

Star People / Miles Davis

2006-02-18 14:43:34 | Miles Davis
1981年にThe man with the hornで復活してからの、スタジオ盤2作目。
マイルスをリアルタイムで聞いていたのは、このあたりの時代です。

当時The man with the hornを聞いた時は、なんだかまだ完全復活していないで手探り状態のような気がして、個人的にはこのStar Peopleの方が好きでした。電化マイルスを聞いた後に、再びStar Peopleを聞くと、1曲が短いのがとても残念でなりません。70年代ならば、ライブの勢いとテオ・マセロのテープ編集で、LP片面20分ぐらいたっぷり聞けそうな曲が、10分ぐらいでフェードアウトしてしまうのはとても残念です。アルバムの最後までフェードアウトして終わってしまうというのは、ちょっといただけません。フェードされたスターズ・オン・シシリーはどこで輝いているのでしょうか・・・

本作では、ギターがマイク・スターンとジョン・スコフィールドの二人となり、ドラムがアル・フォスターとバンド編成も音楽的にも、復帰後のマイルスの作品の中では、最も70年代に近いものになっていると思います。ベースは、このあとのマイルス・デイビス・グループで大きな役割をしめていくマーカス・ミラーというのも見逃せません。70年代までの音を脱ぎ捨て、80年代の"電子化"マイルスへのターニングポイントとなった作品という事もできると思います。



[Star People]
Miles Davis(tp,key)
Bill Evans(ss,ts)
Mike Stern(g)
John Scofield(g)
Marcus Miller(e-b)
Tom Barney(e-b)
Al Foster(ds)
Mino Cinelu(perc)
1982~83


「アガルタ」「パンゲア」

2006-02-09 06:16:44 | Miles Davis
マイルスデイビス1975年の来日公演のライブ。2月1日の昼の部が「アガルタ」夜の部が「パンゲア」。
CDになったおかげで、40分とか1時間という演奏を続けて聞く事ができます。

今まで聞いたマイルスのライブアルバムの印象をまとめてみます。

「アット・フィルモア」
エレピのチック・コリアとオルガンのキース・ジャレット。両雄の覇権争いによってフィルモア・イーストの4日間は大混乱に陥ります。
この渾沌としたバンドを乗りこなしていたマイルスというのは、偉大なリーダー蛇ッ多に違いありません。

「セラードアセッション」
6枚組CDのうちディスク1、3、4の3枚はドラム、ベース、キーボード、サックス、トランペットというマイルスお得意の五重奏団の形になっています。リズムと楽器が電化されているとはいえ、50年代60年代のクインテットの展開形と採れない事もありません。
このときのライブは、すっきりとしていて、非常に分かりやすいものと言えると思います。

「ダークメイガス」
リズム隊の作り出す、熱狂的な「場」の上に、メロディー楽器が次々と登場して呪文を唱えては去っていく。原初的な力強さは感じられますが、バンドとしてのまとまりという点では少し弱いところがあったのかもしれません。ライブ当日にメンバーを二人も追加しているのだから仕方のかない事だと思います。マイルスは、既存のメンバーだけではつくれない何かを期待して、新メンバーを迎えたのかもしれません。

「アガルタ」「パンゲア」
バンドサウンドとして、とても良くまとまっていると思います。個々のメンバーが、没個性に陥らず、お互い会話を楽しんでいるような演奏を繰り広げています。先にも書いたように40分、1時間という長い演奏にも関わらず、繰り返し聞いています。それだけ完成度が高いのだと思います。
このライブのあと、マイルスは療養生活に入り、81年の「マン・ウィズ・ザ・ホーン」まで新作を出しませんでした。これだけ完成度の高いものを、ライブで作り上げてしまえば、次の作品までの間、長い充電が必要だったのかもしれません。



アット・フィルモア


アガルタ


パンゲア

マイルス 聞き終わりました

2006-02-03 05:59:02 | Miles Davis
怒濤のマイルスデイビス、アルバム7枚CD18枚76曲聞き終わりました。
電車の中で眠りながら聞いたのもあるので、「全部」「ちゃんと」聞いたかと言われると疑問ですが・・・
通しで聞いて感じた事。
・エレクトリックになっても、マイルスのメロディーは変わりませんね。
・思ったほど難解じゃないです。
・エレクトリックピアノを弾いているキースジャレットは、これまたすごい。
・プロデューサのテオ・マセロはすごい。ライブを音源にして、これだけ自然に編集してしまうなんて!!
この企画を思いついてから発見した「セラードア・セッション」これのできが良いですね。嬉しい発見でした。「セラードア・セッション」が「生のライブ」に対して、「ライヴ・イブヴ」はテオによる編集版。それぞれの味があっていいですね。
「ジャック・ジョンソン」なんてロックですよ。nakaPさんおすすめですよ。

さて、これでマイルスからも解放!! と、思いきや、ツタヤで「アガルタ」と「パンゲア」を借りてきました。家にある「ビッチズ・ブリュー」といった超有名どころを、取り込んでます。
まだまだ、苦行は続きます。

今日もマイルス

2006-01-28 06:21:57 | Miles Davis
On The Corner これも凄いです。
エレクトリック・マイルス時代のアルバムは、とにかくメンバーが沢山居て、複雑なリズムの上に分厚い音がかぶさっり、聞き手にグイグイと迫ってくる、というイメージがあります。このアルバムは、音を聴くとスカスカです。スカスカというと、手抜きみたいに聞こえますが、そうではなくて意図的にスカスカな音作りをしています。余分なものを濾しとって、やりたかった事だけを抽出したようなアルバムです。



まずジャケットがファンキーですね。
パーソネルは
 マイルス・デイヴィス(tp)
 カルロス・ガーネット(ts,ss)
 テオ・マセロ(sax)
 デヴィッド・クリーマー(g)
 ハロルド・ヘンダーソン(b)
 ビリー・ハート(ds)
 ドン・アライアス(ds)
 アイアート・モレイラ(perc)
 ハービー・ハンコック(key)
 チック・コリア(key)
 ジョン・マクラフリン(g)
 デイヴ・リーブマン(ts.ss)
 マイケル・ヘンダーソン(b)
 ジャック・ディジョネット(ds)
 ムトゥーメ(perc)
 バダル・ロイ(tabla)
(タワーレコードより)
とても沢山居ます。そして、とても沢山のリズムがあります。
マイルスが濾し出したのは、リズムとグルーブ感だったようです。
でもそれは圧倒されるようなものではなくて、緩やかな緊張感というか・・・。
アルバム全体を通して、複雑なリズムが緩やかに流れていて、その流れを楽しむように時々メロディー楽器が顔を出すような、聞いてて楽しいアルバムです。
実際に、iPodで聞きながら、微笑んでしまいました。マイルスのアルバムで、おもわず微笑んでしまうなんて、このアルバムぐらいかもしれないです。

今日のマイルス

2006-01-24 05:38:44 | Miles Davis
iPodのプレイリストに「Milese Davis」というのを作りました。
「フィルモアライブ」「ライブイヴル」「ジャックジョンソン」「オンザコーナー」「ダークメイガス」「ゲットアップウィズイット」「セーラドアセッション」が入っています。エレクトリックマイルスを一気に聞くという苦行にも近いことに喜びを感じています。今日聞いたのは「ダークメイガス」と「ゲットアップウィズイット」。

「ダークメイガス」ライブ当日にギターとサックスをメンバーに追加したという、離れ業セッション。しかもギターは3本も入っているそうで、大所帯。リズム楽器はもとより、ギターやましてやマイルスのワウワウ・トランペットまでがリズムを刻む大ファンク大会。今でも通じるグランビート。リズムの渦渦渦渦・・・
このアルバム「禍々しい」とか「重たい」とか言われますが、もともとおもっ苦しいプログレ聞いていたせいか、確かに、マイルスのアルバムの中では重量級ですがそんなに重たくは感じませんでした。かなりヘビーメタルな感じではあります。変なたとえですが、キングクリムゾンの「アースバウンド」でメンバーがジャズロックしているのですが、それに似てなくも無いです。もちろん、マイルスの方がオリジナルなのでしょうが、当時のジャズロックバンドってエレクトリック・マイルスに影響されていたのかな、って思いました。



「ゲットアップウィズイット」ディスク1の1曲目「He Loved Him Madly」。デューク・エリントンを追悼して作曲されたこの曲は、とても美しいバラードに仕上がっています。さすがに30分を超える大作なので、そうそう繰り返し聞いてもいられないのですが、じっくりと聞き入る事のできる曲です。
2枚目の小品「Red China Bluse」では、いきなりブルースハーモニカからはじまるブルース。この時期の大作主義の中の、隠れた名作だと思います。
このアルバムでは、ジャズあり、ブルースあり、ロックあり。バラエティーに富む一方、様々な時期に録音された音源を集めているせいか、アルバム全体の印象が薄い。圧倒的なライブの音源を使った他のアルバムと、スタジオ録音の熱の違いかもしれない。

セーラードアセッション/マイルス・デイビス

2006-01-18 05:53:05 | Miles Davis
マイルスのセーラドアセッション。
昨日渋谷のHMVで試聴しました。
そもそも試聴した時点で、気持ちの上ではもう購入決定でした。
でもさすがに1.5万円は高いので、買わずに帰ってきました。

今日、新宿のディスクユニオンに行ったら、輸入盤の中古品が1万円で置いてありました。
これは即決で買ってしまいました。
輸入盤なので、ライナーノウツは英語を読まないと行けないのですが、
6枚組CDとあわせてゆっくり楽しみます。

普段では聞けないエレクトリックピアノ弾くキースジャケットも素敵です。

Miles Davis/Someday My Prince Will Come

2005-12-02 03:10:49 | Miles Davis
AEOCのLive in JapanのCDを探していたら、マイルスの「Someday My Prince Will Come」を発見。いくら考えても、このCDを買った記憶は無いのだが・・・
どうやら、ヴァージンメガストアで1900円で購入したようである。シールが張ってある。ということは、ビニールかかっていなかったの?
しかも、ジャケットが有名な
ではなくて、こんなの。
それにしても、いつ買ったのか。思い出せない。