昨日の限りなくダークな議事堂事件によって、トランプが動画を配信し、敗戦を認めたと言われている。
これ。
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) January 8, 2021
そもそも大統領の動画がtwitterで配信され、twitterがアカウントを停止すると大統領は人々に大規模に訴えられないという、物凄い状況なのが現在のアメリカ。
大統領選挙の直後には、大統領が話してる途中で主流メディアがトランプのスピーチを中断するという一幕もあった。
そんなBig Techの方が大統領よりエライ体制が素晴らしいと思ってる人たちが少なくとも半分はいるのがアメリカ。スゴイ倒錯だと思うよ、私は。
ということで、主流メディアが統治する世界ではそれで一件落着になっているようなことになっているが、少なからぬアメリカ人たちは、不正選挙への怒りから、「暴徒」ショーの騒ぎを通して、現在のアメリカに非常に失望しているようにみえる。
Capitol riots: A visual guide to the storming of Congress
そりゃそうですよ。
昨日貼った動画を見ても、何かおかしな「暴徒」ショーであることは明白だし、その後も動画の検証で、どうしてトランプ支持者からなる暴徒と呼ばれる一群に、BLMグループの創設者の1人が映ってるんだ、などというのも話題になってる。
Why Was Founder Of Far-Left BLM Group Filming Inside Capitol As Police Shot Protester?
さらには、一般人の群衆が、ガラスを割ったりしてる人たちに止めろとブーイングをしている動画も見た。
そして、今度は、USA Todayという部数の多い大衆紙が、抗議の群衆の身元を探してくれ、と読者に訴えていたりする。何なの、あんた???
USA TODAY needs your help identifying the people who broke into the U.S. Capitol on Wednesday. View the photos and fill out our form. https://t.co/gIOXuaSi5l
— USA TODAY (@USATODAY) January 7, 2021
これに対して、ジャーナリストは伝えるのが仕事、なんで警察になってんだと腹を立てる人もいれば、そもそも、じゃあ、ここまでの半年ぐらいにあちこちで暴徒がいたわけだけど、それはどうなんだ、と。
6月にはワシントンDCでは火が付けられたりして、かなり危険な状態だったが、その人たちを主流メディアは許していたわけだ。
This was the streets of Washington DC in June, where was @Liz_Cheney then... talking about a violent mob? There was 1M peaceful protesters today in DC, with a small group breached the Capitol and they should be held accountable. pic.twitter.com/sFzmo2skL3
— Bernard B. Kerik (@BernardKerik) January 6, 2021
ということで、主流メディアが何と言おうと、バイデンが出てきてニコニコしようが、がくがくしようが、おろおろしようが、そんな問題を超えて、アメリカの中のかなり多くの人のこの体制への不信感は日増しに強まり、ついに昨日で閾値を超えた、みたいな気がする。
■ フリーダムファイターが好きなんでしょ?
しかも、どれだけきれいごとを言ったところで、オバマ&バイデンは、しょせんはこういうクーデターを他国でかました人。ロシア圏の人は言うに及ばず、世界中でうんざりするほど多数の人がこれを知ってる。
ちなみに、この騒乱時のスナイパーはグルジア人だったことが、本人たちの供述込みで判明してる。
というわけで、今回のアメリカにこの手の人たちが入ってこなかっただけありがたいと思えって感じですね。ウクライナ当局は、この手の人たちをアメリカに送ればいいんじゃないのか。民主主義のために戦う「フリーダムファイター」なんでしょ?
■ 勝ったところで・・・
前にも書いたけど、トランプ側は、もしウクライナでもリビアでも、どっちかをぶちまけたら、バイデン&オバマ&ヒラリーの狂人グループを叩き落とすことができたわけですよ。
しかし、できないのね。なぜならそれはアメリカ全体の犯罪だから。それはそうだろう、とまぁ一応理解するけど、だけど、結局はそのことが、この、様々な既得権益者を巻き込んだ狂人グループを生かし続ける道を用意することになってる。
ソ連崩壊後の30年分の糞な時代を知らん顔して、まともな政権を作ることは果たして可能なのだろうか、と考えてもいい。この中には、飛行機2機で高層ビル3棟を倒す、力学の奇跡みたいな事件も含まれる。
徐々に変えていくことによって可能だ、ともいえるかもしれないけど、どうなんですかね。できないとすれば、狂人集団にず~っと意味不明なおとぎ話を語られ続けなければならない。体制を維持するためだけのために。
というわけで、ここで勝ったところで、得るものよりも損害の多い、いわゆるPyrrhic victory(ピュロスの勝利)にすぎないのではないのか、と思うなぁ。そして、この手の勝利を続けて行くことは、それはすなわち、ずっと自己崩壊するということにしかならない。
不信感というのは、多くの人が考えるよりもずっと大きなダメージをもたらすもの。支えるべき時に支えられなくなる。
■ オマケ
ロシア外務省の炎のザハロワ報道官が、アメリカの様子に対して何か、ある種エールのようなものを送っていて興味深い。
外務省の立場だから、基本的にアメリカの内政なので干渉しませんと言い、しかし、同時に、
米国の選挙システムは古くて、現代の民主的な標準にあっておらず、これが、無数の違反を生み出す機会になっていているという点に着目してる、とも言ってる。
"At the same time, we draw attention to the fact that the electoral system in the United States is archaic, it does not meet modern democratic standards, creating opportunities for numerous violations, and the American media have become an instrument of political struggle. was the reason for the split in society that is now observed in the United States.
そして、
私たちはアメリカの人々が彼らの歴史の中のこのドラマチックな瞬間を尊厳を持って切り抜けることを願ってます
とも付け加えたそうだ。
Russia wishes the US to live through dramatic historic period with dignity, Zakharova said
いろんな意味で大きい国だなとしみじみ思う。そしてザハロワは美人なだけでも炎のアタッカーだけでもない。