上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

2019年~変化を続ける中国芸能

2019年12月30日 | エンタメの日記
2019年も残すところあと数日です。今年もめまぐるしい一年で、世の中が日々変化していることを痛感します。
ことに中国は変化が早く、ブログに書いたことも書いた先から変化しており、それに対して情報を更新するでもなく時間が過ぎていっております。
そこで、いくつか過去ログを振り返り、アップデートしたいと思います。

ドラマ「鎮魂」の配信停止と朱一龍の人気(2018年9月24日投稿)

朱一龍と白宇の共演で、2018年夏に大ヒットしたネットドラマ「鎮魂」。動画サイトYoukuで独占配信されていましたが、最終話第40話が配信されてから約1週間後の2018年8月2日頃に全話配信停止となりました。そのときに書いたのが上記の記事です。

ところが、配信停止から2か月ほど経った2018年11月10日頃に、「鎮魂」はYoukuで配信再開されました。
再配信版は、1話あたりの尺が数分短くなっており、いくつかのシーンがカットされました。ファンが削除シーンを検証してみたのですが、どういう基準でカットされたのかいまいち分かりませんでした。敢えていえば、暴力流血シーンがカットされたようですが、もともとそれほど暴力的ともいえません。

朱一龍と白宇は「鎮魂」出演をきっかけに人気が急激に上昇し、特に朱一龍は、KFCなどメジャー企業の広告が全国大量に流れていました。
ドラマが停止処分を受けながら、再配信できたのは、制作・配信プラットフォーム(Youku)、2人を広告に起用した企業、ファンの声など、様々な方面から相当の力が働いたのではと思います。
朱一龍と白宇は「鎮魂」で大ブレイクし、色々な商品広告に出ています。しかし、本職の俳優としては、「鎮魂」以降、印象に残る作品は僅かしかありません。
この数年は、中国当局によるドラマ・映画制作に対する審査規制が厳しくなっているため、露出のチャンスを逃している有名俳優がたくさんいます。
また、中国の俳優はヒット作に恵まれるとギャラが一気に上昇し、かえってキャスティングされにくくなってしまう傾向があります。
その一方で、新しい俳優が次々と現れます。

2019年に最も人気が出た俳優の一人が肖戦(シャオジャン)です。肖戦は1991年生まで今年28歳、どちらかというと遅咲きといえます。
俳優向きの恵まれたルックスを持ち、出演ドラマ「陳情令」が大ヒットしたという運にも恵まれましたが、そもそもキャスティングされたのは、ギャラがそれほど高くなかったからという説があります。
中国では、「ポテンシャルが高く、それほどギャラが高くない新人、またはあまり売れていない30歳前後の俳優」の中から、次の人気スターが生まれるサイクルになっています。
2019年は、王一博と肖戦のCP「博君一肖」が、朱一龍と白宇のポジションに取り替わったような形になりました。
ただし、2020年はまた別の新しい俳優がメディアを席捲するのではと思います。

2019年大ヒットドラマ「陳情令」。原作は耽美小説で、漫画・アニメ化もされている「魔道祖師」。実写ドラマではBL描写を外しています。


白宇が広告キャラクターを務める中国カジュアル服ブランド「SEMIR」。


中国芸能ベンチャー 坤音娯楽(QIN'S ENTERTAINMENT)×BC221 ONERデビュー (2018年5月13日投稿)

2018年の「偶像練習生」(「PRODUCE 101」形式の番組)に出場して人気が出たボーイズグループ「ONER」。
2001 年生まれの最年少メンバー、霊超(リンチャオ)は、2019年に大学受験を終えて、国立の名門演劇大学「上海戯劇学院」の演劇学科に合格しました。
ところが、ONERの4人のメンバーの一人、最も背が高く身長192㎝の卜凡は、2019年7月に所属事務所に解約を要求し、事実上グループを脱退しています。
ONERは現在メンバー3人で活動しています。

ONER公式Weiboにアップされた写真(2019年11月28日投稿)。


中国女子アイドルグループSNH48の現在~上海版AKBからの“自立” (2017年4月28日投稿)
2017年、SNH48がAKBグループから離脱し、中国で独自に活動していくこととなりました。上記の記事を投稿した時点では、まだ沈陽(SHY48)と重慶(CKG48)にでも展開していましたが、2019年1月に沈陽と重慶のチームは解散となり、メンバーは上海、北京、広州の三拠点に分散しました。
中国のアイドル産業を取り巻く環境が大きく変わる中、SNH48も厳しい状況に直面しています。

一方、AKB48グループは改めて中国に進出し、SNH48とは関係なく、「AKB48 Team-SH」(チーム上海)を結成しました。来年2月頃には、上海で劇場演を開始するそうです。
AKBグループは現在、バンコク、ジャカルタ、台北、マニラ、ホーチミン、上海で海外グループ展開しています。
2019年8月24日、上海にて、日本と海外のAKBメンバーが集合する「AKB48Groupアジアフェスティバル」が開催されました。




各チームのパフォーマンスを見たのですが、「AKB Team-SH」(AKB上海)メンバーのルックスとパフォーマンスのレベルは突出していました。
上海はそれだけ人材が集まりやすく、ダンスや歌など芸能トレーニングの環境もかなり整っているのだと思います。
海外チームの中では一番古くからあるジャカルタ(JKT48)は、最も安定感があり、メンバーの層の厚さを感じさせました。バンコク(BNK48)は勢いがあります。マニラ(MNL48)は歌の上手さが突出していました。彼女たちの歌を聴きにマニラに行きたいと思ったほどです。台北(Team-TP)は、今後より高いポテンシャルを発揮できることを期待しています。

アジアの様々な国の女の子たちが一つのステージに立って、観客と一緒に同じ歌で盛り上がれるその空間に、深く感動しました。
特に、ベトナムや東南アジアからの労働力が注目されるいま、AKBの海外展開はより特別な意義があるように感じました。

AKB48 Groupアジアフェスティバル in 上海 (AKB48 GROUP 亞洲盛典)
会場: 国家会展中心(上海)虹館EH  開催日:2019年8月24日
「虹館」(ホングアン)というのは通称です。地下鉄二号線「徐涇東」駅にある「国家会展中心」という大型エキジビジョン施設の中の一つのホールです。座席は稼働式の椅子を並べる形ですが、1万人以上収容できるかと思います。日本のアーティストのライブがよく行われる会場です。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モデルKoki,(コウキ)2019年中国での活躍~クリス・ウー、ジャクソン・イーと共演

2019年12月06日 | エンタメの日記
木村拓哉と工藤静香の次女「Kōki,」は2018年にモデルとしてデビューして以来、中国芸能界でコンスタントに露出しています。
「Kōki,」を芸名としていますが、中国では人名は当て字でも漢字で表すのが基本なので「光希」と表記されることも多いです。また、オフィシャル以外では「木村光希」と記されていることも少なくありません。
kokiは、世界を視野に入れてモデルとして活動すると言われていますが、その言葉どおり中国でモデルとしてファッション誌や大手企業の広告に出ています。
現在、メンソレータムの中国地区のイメージキャラクターとして、巨大な商品ポスターが上海市内の地下鉄駅などに張り出されています。
メンソレータム社130周年 リップクリームの宣伝。




なお、一番左は能年玲奈(のん)ですが、一人だけ名前が表記されていません。


2019年5月には、TFBOYSの易烊千玺(ジャクソン・イー)とともにファッション雑誌「Harper's Bazaar」の中国版「時尚芭莎」2019年6月号の表紙を飾って話題になりました。


この広告は、BMVとのコラボ広告でもあり、動画広告も多くの媒体で流れました。
特に、中国版のTwitterといわれる「Weibo」(ウェイボー)のアプリ起動時のスプラッシュ広告になっていたので、相当多くの人が目にしたはずです。

易烊千玺(イーヤンチェンシー、英語名:ジャクソン・イー)はいま中国で非常に売れているタレントです。2000年生まれで先日19歳になったばかりです。易烊千玺がものすごくかっこよく映っている広告です。


俳優兼歌手のクリス・ウーの新曲「弐参」(ETERNAL LOVE)のMVに出演し、クリスの29歳の誕生日である11月6日に公開されました。MVの長さは約16分で、ストーリーのあるショートフィルム形式になっています。最後に「To be continued」とあるので、続編もあるようです。

  

クリス・ウー(呉亦凡)は、元EXOの中国人メンバーの一人で、2014年にEXOを脱退し、活動の場を韓国から中国に移しています。現在中国芸能界で非常に成功しているタレントの一人です。

易烊千玺(ジャクソン・イー)も呉亦凡(クリス・ウー)も、中国芸能界の第一線のイケメン若手タレントで、kokiはデビューからいきなり中国の大物と共演し、大手企業の広告モデルを務めているというイメージです。

なお、呉亦凡(クリス・ウー)と共演した「弐参」(ETERNAL LOVE)のMVは、なかなかの珍作です。
出演者は主役カップルのクリス・ウーとkokiのほか、悪役が一人出てくるだけなのですが、悲恋とタイムスリップ設定を表現しています。
中華古代ファンタジー世界の貴公子と姫である二人が、戦いの中で相手を庇って命を落とし、現代世界に転生して再び出会う・・・というストーリーなのですが、伝統楽器を使った曲調から急にRAP調になったりします。



kokiは、12月にも大手動画サイトのIQIYI(愛奇芸)のイベントにゲスト出演するなど、中国のメジャーメディアに着々と進出しています。

MVのメイキングやインタビューなどでは、kokiは流暢な英語を話しています。まだ16歳ながら堂々と受け答えをし、フランス語の響きが混じったような英語を話しています。インタビューに答える姿は、育ちの良い芸能一家出身のお嬢さまというかんじです。身長が高く大人っぽい顔立ちですが、表情にはあどけなさがあります。
なお、特技とされるフルートを公の場で披露したことはまだないのではと思います。

こうやって見ていると、kokiの活躍の場としては、中国は適しているかもしれません。
木村拓哉という中華圏で絶大な知名度を持つスターの親を持ち、英語と音楽の専門教育を受けて育った彼女は、中国では「セレブキッズ」として好意的に認められるかもしれません。「セレブキッズ」などというと、日本では場違いで嫌味な印象しか持たれないかもしれませんが、日本よりもドライな中国では、裕福で人より恵まれていることに対して遠慮する必要はなく、高級ブランドのティーンモデルとしてもプラス効果を上げられるのではと思います。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする