10月23日(土)上海虹口サッカー場に「東亜飛揚」コンサートを観に行ってきました。
「東亜飛揚」コンサート特設サイト(百度娯楽):http://yule.baidu.com/zt/music/musicdongya/
「東亜娯楽」という芸能事務所の所属タレント、合計22名が出演したそうです。(申報服務 10月27日発売号より)
主な出演者:アンディ・ラウ(劉徳華)、レオン・ライ(黎明)、アンソニー・ウォン(黄秋生)、リッチー・レン(任賢斉)、サミー・チェン(鄭秀文)、ミリアム・ヤン(楊千嬅)、アンディ・ホイ(許志安)、エディソン・チャン(陳冠希)、ショーン・ユー(余文楽)、韓紅(ハン・ホン)、JYJなど。(当初、EXILEの名前も挙がっていましたが、途中で出演者リストから名前が消えました)
この公演自体がチャリティ目的でもあり、また、上海万博との関係もあったため、スタンド2階席は万博ボランティアの大学生にチケットが配られたようです。あるブロックはほとんど万博ボランティアで埋められていました。
当日はすごい雨でした。一般的に上海のコンサートは台風・雷雨以外はかなりの雨でも決行しますが、こんなにひどい雨でコンサートをやるのも珍しい、というくらい降ってました。ステージに水溜りができてしまい、踊るたびに足元で水しぶきが上がる状態です。舞台上のモニターが映す映像でも雨粒がざあざあと降り注ぎ歌っているスターの顔が見えないくらいでした。
会場には想像していたよりも遥かに多くのJYJファンが集まっていました。
いまのところ「東方神起」と「JYJ」をそれほど区別していないみたいで、ペンライトは赤で、「東方神起」の風船を持っていたり、ところどころから「東方神起(ドンファンシェンチー)」コールが聞こえてきます。
10月23日のイベントにJYJが出るということはかなり早くから告知されていました。しかし、その後「JYJショーケース(SC)」のスケジュールが発表になり、10月24日には香港SC、11月7日には上海SC公演もスケジュールされていたので、23日の上海はパスする人が多いのでは?と思ったのですが、東方神起のコンサートかと思うくらい赤いペンライトが客席に光り、しかもJYJのファンは一ヶ所に固まっているわけではなく会場中のいたるところにいて大変な存在感を発揮していました。
【JYJが出てきたときの客席】赤い蛍光棒が一斉に光りました。スタンドの前列はJYJファンが購入し、後ろの方の列は万博ボランティアの学生が配布されたチケットで見に来ていたようです。
オープニングで出演者が順番にモニターに映るときも、JYJが映ったときに他とは明らかに違う女の子の鋭い歓声が響きました。JYJの次に反響が大きかったのはエディソン・チャン(陳冠希)が映ったときです。2008年の初頭に「香港芸能界ポルノ写真流出事件」(中国語ではこの事件のことを「艶照門」といいます)以来、実質的に芸能活動を休止していたので久々の登場です。エディソンの名前と写真がモニターに映ったとき客席から「ワーッ!!」っと歓声が上がったのですが、歓声に続いて何故か「ハハハハ~」と爆笑が起きたのです。観客が申し合わせたように同じ反応したのが余計に可笑しかったです。
JYJはラスト2組目として登場しました。
トリは中華圏のスーパースター・アンディ・ラウ(劉徳華)に決まっているので、ラスト2組目というのは実質的にいうと一番いいポジションだと思います。
ジェジュン、ユチョン、ジュンス、3人の全体的なカラーは赤と黒で、スタイルとしてはアルバム「The Beginning」のジャケットイメージとほとんど同じです。その前に出てきた香港スターがベテランばかりなので、JYJが出てきたとき「若い!!」と思ってしまいました。
その前に出てきた大量の中華スターたちは、観客にとっては「憧れのスター」というより「古馴染み」みたいなかんじです。リッチー・レン(任賢斉)、サミー・チェン(鄭秀文)、ミリアム・ヤン(楊千嬅)、アンディ・ホイ(許志安)・・・彼らの歌はいやというほどカラオケで歌われ、スーパーマーケットで繰り返し流れ、生活の中で大量に消費され、なおかつ愛されてきた音楽です。第一線で華々しく活躍してきた彼らも35歳を過ぎています。
JYJが出てきたとき「芸能人が出てきた」という感じがしました。華があります。
「EMPTY」「be the one」「見つけ出した」(←英語・韓国語タイトルが分かりません)の3曲を歌いました。3曲目が可愛い曲でこれが一番良かったです。
ただ、ユチョンはとても疲れているかんじで、2階スタンドから見ても顔色が悪く見えました。メークのせいかもしれませんがやや蒼白で表情に乏しかったです。ジェジュンが一番元気でファンサービスも良かったです。ジュンスの歌は一番安定してました。24日の香港ShowCaseに行った友達も、ジェジュンはずっと笑顔を絶やさなかったと言ってました。
3曲分しかステージを見ていない上での印象ですが、3人のステージを見て思ったのは、
「3人は“SMエンターテイメントのタレント”ではなくなったんだな。」
ということです。
振り付け、楽曲、ファッションから「SMカラー」がなくなって、なんというか、暗さがなくなりました。
別に東方神起が暗いグループだったというわけでは決してないのですが、音楽だけでなく映画やドラマでも、韓国芸能のテイスト自体「悲劇的な美」を追求する面があるし、全体的に過剰にドラマチックなものを求める傾向があると思います。
ですが、10月23日の上海のステージのJYJを見ると、極端なところがなくなって自然体になった。と思いました。彼ら本人がもともと持っている個人としての気質が前よりもよく表れているような気がします。特にジェジュンは大人なイメージになりました。
中国ではジェジュンの人気が圧倒的でジェジュンが前に出たりスクリーンに映るたびに大歓声です。観客の影響もあって、JYJのステージ自体、ジェジュンが引っ張ってるようなかんじでした。
最近のK-POPグループは、振り付け・ファッションなどの面で極端に劇的な効果を目指していて、そういう姿はストイックにも見えるんだけど、やってる内容はきわどいSEXYなものだったり・・・といった二面性が特徴で、魅力でもあります。そういう意味でいうと、JYJは韓国っぽくなくて、英語圏市場を意識しているのかな・・・?と思いました。
11月7日(日)には上海大舞台で「JYJ歌友会」(←ShowCaseのこと)が予定されていましたが、10月28日現在チケットは発券されていません。
10月23日の「東亜飛揚」コンサートではアリーナに花道がありました。
中国の主要都市には、だいたいどこでも3~5万人規模の屋外スポーツスタジアム・サッカー場があります。(北京:工人体育場、上海:上海8万人体育場、虹口サッカー場、杭州:黄龍体育場、南京:南京奥体中心体育場など)
コンサートにもこういったスタジアムがよく使われますが、大陸の場合、アリーナに花道を作るという習慣はありませんでした。中華圏の歌手はグループが少なく基本的にソロなので、花道を作る必要性があまりないです。また、アリーナのチケットは高額に設定されるので、花道を作って好スペースを潰してしまうより、客席にしてチケットを売った方がいいというのが商業的な判断なのではと思います。
花道はなくて当たり前でした。
アリーナに花道を設置するというステージ設計にトライしたのは東方神起です。
東方神起の中国初コンサート、2008年5月の2ndアジアツアー(-O-)上海公演では、予定通りの花道が作れず当日フタを開けてみたらレイアウトが違うという結果になりました。この失敗はファンの間ではものすごく不評を買い非難の嵐でした。ですが、上海の会場では花道を作るという施工経験がなかったのだから、上手くいかなくても無理もないです。
翌年2009年10月の3rdアジアツアー(MIROTIC)上海公演では、十字型の花道を作ることに成功し、オープニングのワイヤー吊りも再現しました。
「東亜飛揚」では全体を通じて花道が効果的に使われていました。これからは上海でもいろいろなアーティストのコンサートで花道を使ったステージが見られるかもしれません。
東方神起とSMエンターテイメントが、中国のコンサート文化を進歩させた。そう言っても間違いではないと思います。
【百度 JYJ吧の横断幕】
「東亜飛揚」コンサート特設サイト(百度娯楽):http://yule.baidu.com/zt/music/musicdongya/
「東亜娯楽」という芸能事務所の所属タレント、合計22名が出演したそうです。(申報服務 10月27日発売号より)
主な出演者:アンディ・ラウ(劉徳華)、レオン・ライ(黎明)、アンソニー・ウォン(黄秋生)、リッチー・レン(任賢斉)、サミー・チェン(鄭秀文)、ミリアム・ヤン(楊千嬅)、アンディ・ホイ(許志安)、エディソン・チャン(陳冠希)、ショーン・ユー(余文楽)、韓紅(ハン・ホン)、JYJなど。(当初、EXILEの名前も挙がっていましたが、途中で出演者リストから名前が消えました)
この公演自体がチャリティ目的でもあり、また、上海万博との関係もあったため、スタンド2階席は万博ボランティアの大学生にチケットが配られたようです。あるブロックはほとんど万博ボランティアで埋められていました。
当日はすごい雨でした。一般的に上海のコンサートは台風・雷雨以外はかなりの雨でも決行しますが、こんなにひどい雨でコンサートをやるのも珍しい、というくらい降ってました。ステージに水溜りができてしまい、踊るたびに足元で水しぶきが上がる状態です。舞台上のモニターが映す映像でも雨粒がざあざあと降り注ぎ歌っているスターの顔が見えないくらいでした。
会場には想像していたよりも遥かに多くのJYJファンが集まっていました。
いまのところ「東方神起」と「JYJ」をそれほど区別していないみたいで、ペンライトは赤で、「東方神起」の風船を持っていたり、ところどころから「東方神起(ドンファンシェンチー)」コールが聞こえてきます。
10月23日のイベントにJYJが出るということはかなり早くから告知されていました。しかし、その後「JYJショーケース(SC)」のスケジュールが発表になり、10月24日には香港SC、11月7日には上海SC公演もスケジュールされていたので、23日の上海はパスする人が多いのでは?と思ったのですが、東方神起のコンサートかと思うくらい赤いペンライトが客席に光り、しかもJYJのファンは一ヶ所に固まっているわけではなく会場中のいたるところにいて大変な存在感を発揮していました。
【JYJが出てきたときの客席】赤い蛍光棒が一斉に光りました。スタンドの前列はJYJファンが購入し、後ろの方の列は万博ボランティアの学生が配布されたチケットで見に来ていたようです。
オープニングで出演者が順番にモニターに映るときも、JYJが映ったときに他とは明らかに違う女の子の鋭い歓声が響きました。JYJの次に反響が大きかったのはエディソン・チャン(陳冠希)が映ったときです。2008年の初頭に「香港芸能界ポルノ写真流出事件」(中国語ではこの事件のことを「艶照門」といいます)以来、実質的に芸能活動を休止していたので久々の登場です。エディソンの名前と写真がモニターに映ったとき客席から「ワーッ!!」っと歓声が上がったのですが、歓声に続いて何故か「ハハハハ~」と爆笑が起きたのです。観客が申し合わせたように同じ反応したのが余計に可笑しかったです。
JYJはラスト2組目として登場しました。
トリは中華圏のスーパースター・アンディ・ラウ(劉徳華)に決まっているので、ラスト2組目というのは実質的にいうと一番いいポジションだと思います。
ジェジュン、ユチョン、ジュンス、3人の全体的なカラーは赤と黒で、スタイルとしてはアルバム「The Beginning」のジャケットイメージとほとんど同じです。その前に出てきた香港スターがベテランばかりなので、JYJが出てきたとき「若い!!」と思ってしまいました。
その前に出てきた大量の中華スターたちは、観客にとっては「憧れのスター」というより「古馴染み」みたいなかんじです。リッチー・レン(任賢斉)、サミー・チェン(鄭秀文)、ミリアム・ヤン(楊千嬅)、アンディ・ホイ(許志安)・・・彼らの歌はいやというほどカラオケで歌われ、スーパーマーケットで繰り返し流れ、生活の中で大量に消費され、なおかつ愛されてきた音楽です。第一線で華々しく活躍してきた彼らも35歳を過ぎています。
JYJが出てきたとき「芸能人が出てきた」という感じがしました。華があります。
「EMPTY」「be the one」「見つけ出した」(←英語・韓国語タイトルが分かりません)の3曲を歌いました。3曲目が可愛い曲でこれが一番良かったです。
ただ、ユチョンはとても疲れているかんじで、2階スタンドから見ても顔色が悪く見えました。メークのせいかもしれませんがやや蒼白で表情に乏しかったです。ジェジュンが一番元気でファンサービスも良かったです。ジュンスの歌は一番安定してました。24日の香港ShowCaseに行った友達も、ジェジュンはずっと笑顔を絶やさなかったと言ってました。
3曲分しかステージを見ていない上での印象ですが、3人のステージを見て思ったのは、
「3人は“SMエンターテイメントのタレント”ではなくなったんだな。」
ということです。
振り付け、楽曲、ファッションから「SMカラー」がなくなって、なんというか、暗さがなくなりました。
別に東方神起が暗いグループだったというわけでは決してないのですが、音楽だけでなく映画やドラマでも、韓国芸能のテイスト自体「悲劇的な美」を追求する面があるし、全体的に過剰にドラマチックなものを求める傾向があると思います。
ですが、10月23日の上海のステージのJYJを見ると、極端なところがなくなって自然体になった。と思いました。彼ら本人がもともと持っている個人としての気質が前よりもよく表れているような気がします。特にジェジュンは大人なイメージになりました。
中国ではジェジュンの人気が圧倒的でジェジュンが前に出たりスクリーンに映るたびに大歓声です。観客の影響もあって、JYJのステージ自体、ジェジュンが引っ張ってるようなかんじでした。
最近のK-POPグループは、振り付け・ファッションなどの面で極端に劇的な効果を目指していて、そういう姿はストイックにも見えるんだけど、やってる内容はきわどいSEXYなものだったり・・・といった二面性が特徴で、魅力でもあります。そういう意味でいうと、JYJは韓国っぽくなくて、英語圏市場を意識しているのかな・・・?と思いました。
11月7日(日)には上海大舞台で「JYJ歌友会」(←ShowCaseのこと)が予定されていましたが、10月28日現在チケットは発券されていません。
10月23日の「東亜飛揚」コンサートではアリーナに花道がありました。
中国の主要都市には、だいたいどこでも3~5万人規模の屋外スポーツスタジアム・サッカー場があります。(北京:工人体育場、上海:上海8万人体育場、虹口サッカー場、杭州:黄龍体育場、南京:南京奥体中心体育場など)
コンサートにもこういったスタジアムがよく使われますが、大陸の場合、アリーナに花道を作るという習慣はありませんでした。中華圏の歌手はグループが少なく基本的にソロなので、花道を作る必要性があまりないです。また、アリーナのチケットは高額に設定されるので、花道を作って好スペースを潰してしまうより、客席にしてチケットを売った方がいいというのが商業的な判断なのではと思います。
花道はなくて当たり前でした。
アリーナに花道を設置するというステージ設計にトライしたのは東方神起です。
東方神起の中国初コンサート、2008年5月の2ndアジアツアー(-O-)上海公演では、予定通りの花道が作れず当日フタを開けてみたらレイアウトが違うという結果になりました。この失敗はファンの間ではものすごく不評を買い非難の嵐でした。ですが、上海の会場では花道を作るという施工経験がなかったのだから、上手くいかなくても無理もないです。
翌年2009年10月の3rdアジアツアー(MIROTIC)上海公演では、十字型の花道を作ることに成功し、オープニングのワイヤー吊りも再現しました。
「東亜飛揚」では全体を通じて花道が効果的に使われていました。これからは上海でもいろいろなアーティストのコンサートで花道を使ったステージが見られるかもしれません。
東方神起とSMエンターテイメントが、中国のコンサート文化を進歩させた。そう言っても間違いではないと思います。
【百度 JYJ吧の横断幕】