上海阿姐のgooブログ

FC2ブログ「全民娯楽時代の到来~上海からアジア娯楽日記」の続きのブログです。

2017年10月新番アニメ「宝石の国」bilibili動画で中国配信好調

2017年11月25日 | エンタメの日記
2017年秋クール・10月新番アニメも中盤を迎えています。
中国ではbilibili動画、Youku、IQIYIなどの大手動画サイトで、多くの日本新番アニメがサイマル配信されています。
TVシリーズの新番の場合、日本でのテレビ放送が終了してから1~2時間後に中国動画サイトでの配信が始まるのが一般的です。

毎年、秋クールの新番は質・量ともに充実しており、今年もたくさんの話題作が生まれています。
その中でも、bilibili動画で独占配信中の「宝石の国」は10月新番のダークホースと言われ、人気を集めています。

「宝石の国」 アニメ2017年10月スタート
原作:市川春子(月間アフタヌーン連載)
アニメ制作:オレンジ
公式サイト:http://land-of-the-lustrous.com/


公式サイトのストーリー紹介:
「今から遠い未来、かつて存在した生物が、不死の身体をもつ「宝石」になった世界で、月から飛来する謎の敵“月人”と宝石たちとの激しい戦いを描く、強くてもろくて美しいアクションファンタジーコミック。」

公式サイトでPVが公開されていますが、PVより本編の方が絵も音楽も動きも遥かにきれいで、尚且つ面白いです。
独特の世界観を持つ原作ストーリーと、アニメーションの圧倒的な表現力が見事に結合した素晴らしい作品です。

中国bilibili動画での配信時間は毎週土曜日22:00からです(中国時間)。
東京MXの放送が毎週土曜日22:00~(日本時間)なので、日本放送終了から1時間後となっており、MBSの放送よりも中国動画配信の方が時間的に早いことになります。

11月18日(土)に配信された第7話は、同時視聴者数が4万を超えました。
土曜日の夜10時という時間帯がネット視聴に適しているとはいえ、すごい数字です。

「宝石の国」第7話 「冬眠」 同時視聴者数 41228人 bilibili動画



22:00に更新されると同時に、視聴数があっという間に1万を超え、どんどん増えます。
視聴者は更新されるタイミングを待っています。
22:20頃に同時視聴者数のピークを迎え、第7話は同時視聴者数4万を超えました。

7話まで配信された11月24日の時点で「宝石の国」1~7話の合計再生回数は877.1万回です。
1話あたり平均100万を超えており、秋のヒット作のひとつです。

中国で配信される日本アニメの場合、1話あたりの再生回数が1000万回を超えるとメガヒット(ワンピース、ナルト、コナンなど)、100万回を超えるとヒットに入ります。

bilibili動画 2017年11月24日現在の新番上位作品。

Fate/Apocrypha     5905.6万回(~19.5話)
干物妹!うまるちゃんR 2343.7万回(~7話)
十二大戦        1259.9万回(~8話)
妹さえいればいい。   1247.5万回(~7話)
僕の彼女がマジメ過ぎる処女ビッチな件 1078.6万回(~7話)
宝石の国        877.1万回(~7話)
鬼灯の冷徹 第二期    720.3万回(~7話)
血界戦線 & BEYOND(第2期)820.2万回(~7話)

※血界戦線のみ非独占配信。その他はすべてbilibili独占配信。

Fate、うまるちゃん、十二大戦が強いですが、この3作が強いのは想定内です。
こうやってランキング化してみると、「宝石の国」はダークホースであると同時に、中国アニメファンの志向性に合致した作品だと感じます。
中国視聴者の求めるものと「宝石の国」が表現するものが共鳴したのだと思います。

中国のアニメファンは年齢層が若く13歳から24歳の学生層が大半を占めます。
また、女子より男子視聴者の方が多いのではと思います。

3DCGの表現が斬新な「宝石の国」がbilibiliユーザーに受け入れられることがすごく嬉しいです。

中国の視聴者は年齢的に若いこともあり、新技術に対して柔軟です。
日本で3Dを使うと「なぜ3Dにする必要があるんだ」という議論が起きやすいですが、中国ではそういう発想がありません。
3DCGを使うことに、もともと何の違和感も持っていません。3Dの中でのクオリティを追求しています。
また、基本的にアニメを動画配信で見ているので、イヤホンの使用率が高く、音のクオリティにも敏感に反応します。
「宝石の国」は物質の砕ける音や、衝突する音、音楽の美しさも話題になっています。

瞬間風速では「Fate/Apocrypha」に続いて2位に。2017年11月17日~20日のランキング。



「宝石の国」が中国アニメファンの興味を引き付けた原因のひとつ?宝石たちに攻撃してくる「月人」は、中国視聴者から「敦煌楽隊」と呼ばれています・・・。


「宝石の国」第8話も楽しみにしています!!
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フェス化する中国最大のゲームショウ~2017 ChinaJoy~ 鴻海傘下の“液晶の父” SHARPも登場

2017年11月19日 | エンタメの日記
毎年7月末に上海で開催される中国最大のゲームショウ「ChinaJoy 2017」(チャイナジョイ)に行ってきました。場所は例年と同じく上海新国際展覧中心です。
Chinajoy 2017 場所:上海新国際展覧中心
開催期間:2017年7月27日~30日 一般入場チケット 平日:100元 週末:150元
公式サイト http://2017.chinajoy.net/


開催期間4日のうちビジネス向けが7月27日~29日、一般向けが7月27日~30日です。
ビジネス向けはW館(西館)を専門に使用し一般向けエリアと分かれていますが、日程がかぶっているのでビジネス参加者は一般ブースも参観できます。

Chinajoyは2003年から始まり、今年で第15回目を迎えました。
公式データによると、ChinaJoy2017は、
参加者:のべ32.5万人
展示面積:14万㎡以上
出展作品数:4000以上
となっています。

近年の東京ゲームショウの来場者数が25万人~27万人で推移しているので、規模からいうとChinaJoyが上回ります。

一般公開向けの週末チケットは1枚150元、日本円に換算すると約2400円です。安くはありませんが、上海の商業イベントの入場料の相場から考えると許容範囲内です。
むしろ、150元(2400円)を払う価値のあるおトクなイベントかもと思いました。同じくらいの値段をとっても、もっとしょぼいイベントはたくさんあるからです。

ChinaJoyは毎年7月に上海で開催されます。私は過去3回行ったことがあり、今年を含めて4回行きました。
この15年間、毎年上海で開催しているのに過去3回しか行ったことがないということは、ChinaJoyは「毎年行きたいとは思わない」イベントだったのです。

特に2015年のChinaJoyはあまりにも殺伐としていて、もう二度と行きたくないとすら思いました。
2015年は当時ヒットしていたオンラインゲーム、LOL(League of Legend/中国名:英雄聨盟)の亜流(パクリ)ゲームばかりが出展されていました。
中国のオンラインゲームは、ひとつヒット作が出ると、キャラのビジュアルと名前を変えただけだけの類似ゲームが大量に発行されるという悪習慣があります。
2015年前後は中国ゲーム業界がPCオンラインゲームからスマホゲームへの転換期であり、行き詰まっていた時期です。
過激なコスチュームのコンパニオンも規制され、カメラ小僧の出入りも下火になってきた頃でした。
もうこのまま突破口が見つからずに、ChinaJoyもダメになっていくのかな・・・と2015年に行ったときは思いました。
翌年の2016年はChinaJoyに行きませんでした。
2017年、2年ぶりに行ってみたのですが、これが予想外に面白かったのです。

2017年中国はスマホゲーム業界が絶好調でした。業界自体に勢いがあるのが大きな原因ですが、ひとつのイベントとしてすごく面白かったです。
ChinaJoy 2017は上海新国際展覧中心の全館を使用して行われました。
【会場見取り図】


一般客はE1から入場し、E2、E3、E4と進みます。館を進むごとに、だんだん1ブースあたりのスペースが大きくなっていきます。
展示館をひとつずつ移動していくのですが、実質上、後戻りはできません。
移動方向が制限されているわけではないのですが、会場が広いので体力的に後戻りすることがほぼ不可能です。入口がE1館にあり、出口がN1館を出たところにしかないので、N館のエリアまで行ってしまったら、もうE館エリアに戻る気にはなれません。
そして、E1からE7まで進み、N5からN1まで一方方向に進むに従い、だんだんブース面積が大きくなり、強豪ゲーム会社のブースが登場します。
これはフェスの楽しみ方に似ています。
今年のトリはテンセントかNetEASEか、それとも・・・といったワクワク感があります。

入場すると最初に入る館がE2「CAWAE」テーマ館です。
「中国国際アニメゲーム・派生製品授権展覧会」として、ゲーム会社以外の、アニメ・漫画・周辺グッズ企業が出展するエリアです。
動画サイト、漫画アプリ、フィギュア、ネットライブ配信、雑多な企業が出展しており、カオスでした。

展示ブース同士の間隔が狭すぎたり、通路スペースが僅かしかないのに、その真正面でステージパフォーマンスを始めて渋滞を引き起こしたりと、レイアウトがぐちゃぐちゃでした。この混沌とした雰囲気はどこかで見たことがある・・・・
それは・・・安さの殿堂・ドンキホーテーーー
ドンキホーテみたいな雰囲気の中で、そのジャンルではかなりの知名度のある企業がわらわらとブースを出しているのです。
開催15年にもなる成熟した展示会で、こんな雑然とした賑わいを作り出せるのは、ある意味すごいと思いました。

大手動画サイトYouku


暴走漫画/閲文集団


米漫伝媒/ANIPLEX


コスプレなどのイベントステージスペース。準備時間中。こちらは整然と整備されておりノウハウの蓄積を感じます。


台湾の鴻海グループに買収されたシャープがChinaJoyに登場したことも話題になりました。
シャープはE3館 esmart館に出展。


ロゴ表記は「SHARP POWERED BY FOXCONN」となっています。
「FOXCONN」(富士康)というのは半導体部品のOEMで拡大してきた台湾企業で、シャープを買収した鴻海グループの本体ともいえる会社です。
シャープは鴻海傘下に入ってから3年ぶりに黒字に転じ、中国向けの販売が好調です。最近シャープ製品の宣伝もよく見かけます。
ChinaJoyでも8kディスプレイ製品を中心に大々的に宣伝していました。「液晶の父」としてシャープAQUOSは中国で強いブランド力を持っています。



インテル専門館。インテルはE4館を丸ごと使用。


インテルは競技としてのゲーム、いわゆる「eスポーツ」を全面に打ち出したプロモーションをしています。
eスポーツの国際大会は、パソコンゲームの世界におけるF1のようなもので、CPUの技術革新がより高度なプレイを可能にします。
ゲーミングPC、ゲーミングキーボード、マウスなど、ゲーム向けに設計された商品がPC及び周辺機器の販売を支えており、各社ゲームユーザー向けのプロモーションに力を入れていますが、ChinaJoyでのインテルの戦略はその最たるものとえいます。
eスポーツは日本ではまったく流行っていませんが、中国では非常に流行っていて、世界的にみてもかなり流行っているものです。
インテルの広告イメージキャラクターになっているのは、プロリーグに所属し国際大会でも活躍する中国人プロゲーマーです。

eスポーツは1チーム5人編成で二つのチームが対戦するのが基本。


バンダイナムコ上海。2017年ChinaJoyは大手の集うN3館に見事進出
バンナムカラーのスタッフコスチュームがかっこいいです。バンナム上海のキャラをイメージさせる女の子たちがショーをやっていました。
「ワンピース」スマホゲームの制作陣の登場するイベントを行っていましたが、周囲の中国企業のブースの音響が大きすぎるので、トークショーなどは通常の音量でやっていると声が聞こえないです。特に真向かいのブースが爆音だったので・・・。


中国で根強い人気を誇る「剣網三」(『剣侠情縁』オンライン版Ⅲ)。N3館 西山居。
2009年8月のベータ版リリースから8周年を迎えた「剣網三」、2017年はリマスター版をリリース。
移り変わりの速い中国オンラインゲームの中では粘着度の高いファンを持つタイトル。





スマホゲーム「王者栄耀」(King of honor)が絶好調のテンセント。N2はテンセント館。プロゲーマーのチーム対戦イベント。


N1館を使って今年ChinaJoyのトリを務めたのはNetEASE。
NetEASE(網易/ネットイーズ)ゲームの20年史を紹介するきちんとした展示をしていました。入場制限するほどの人気。


和風スマホRPG「陰陽師」の宣伝は一切行わず、新作ゲーム「荊棘王座」に注力していました。


中国のゲーム業界はテンセントとNetEASE(網易)の二強のシェアが大きすぎて、中小・新規のゲーム開発会社の参入が年々難しくなっていると言われています。

ChinaJoy2017では最新ゲームのほか、VRシステム、先端ディスプレイ機器、ゲーミングPC、動画サイト、フィギュア、周辺グッズなど幅広いジャンルの商品やサービスを知ることができました。体力さえ持てば丸1日いても十分楽しめます。
なぜか入力システム(百度入力法)のブースまでもが自然に出展されている、この器の大きさがChinaJoy2017の魅力です。
コメント (8)
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