2025-11-21

抽象数学とか超弦理論かについて

超弦理論物理的な実体(ひもや粒子)から引き剥がし抽象数学言葉抽象化すると、圏論無限次元幾何学が融合した世界が現れる。

物理学者がひもの振動と呼ぶものは、数学者にとっては代数構造表現空間トポロジー位相)に置き換わる。

物理的なイメージである時空を動くひもを捨てると、最初に現れるのは複素幾何学

ひもが動いた軌跡(世界面)は、数学的にはリーマン面という複素1次元多様体として扱われる。

もの散乱振幅(相互作用確率)を計算することは、異なる穴の数を持つすべてのリーマン面の集合、すなわちモジュライ空間上での積分を行うことに帰着

ひもがどう振動するかという物理ダイナミクス幾何学的な形すら消え、代数的な対称性けが残る。

共形場理論CFT)。頂点作用素代数。ひもはヴィラソロ代数と呼ばれる無限次元リー環表現論として記述される。粒子とは、この代数作用を受けるベクトル空間の元に過ぎない。

1990年代以降、超弦理論はDブレーンの発見により抽象化された。

ミラー対称性。全く異なる形状の空間(AとB)が、物理的には等価になる現象ホモロジカルミラー対称性

Maxim Kontsevichによって提唱された定式化では、物理的背景は完全に消え去り、2つの異なる圏の等価性として記述される。

もはや空間存在する必要はなく、その空間上の層の間の関係性さえあれば、物理法則は成立するという抽象化。

ポロジカルな性質のみを抽出すると、超弦理論コボルディズムとベクトル空間の間の関手になる。

このレベルでは、物質も力も時間存在せず、あるのはトポロジー的な変化が情報の変換を引き起こすという構造のみ。

超弦理論を究極まで数学的に抽象化すると、それは物質理論ではなく、無限次元対称性を持つ、圏と圏の間の双対性になる。

より専門的に言えば、非可換幾何学上の層の圏や高次圏といった構造が、我々が宇宙と呼んでいるものの正体である可能性が高い。

そこでは点 という概念消滅し、非可換な代数場所の代わりになる。

存在オブジェクトではなく、オブジェクト間の射によって定義される。

物理的なひもは、究極的には代数構造関係性)の束へと蒸発し、宇宙は巨大な計算システム(または数学構造のもの)として記述される。

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