2021
05/20
木
浜名惣社神明宮に続いては、浜名惣社の入口鳥居から北へ300mの所にあります
『初生衣神社』(うぶぎぬじんじゃ)です。
近いので浜名惣社に
車を置いたまま歩いて向かいました(^^)/

入口は道路際からちょっと中にあり、木製の玉垣に囲われ道路際は高木に覆われています。
入口の右側に由緒が書かれていました。
「当社は往古より浜名神戸の地に鎮座、伊勢神明初生衣社または浜名斉宮とも称され、機織の祖神天棚機姫命を祭る。神服部家の旧記によれば久寿二年(1155)以来、境内の「織殿」において三河の赤引の糸をもって御衣を織り、八百年の長い間毎年皇大神宮に奉献した古例を有する他社に比類の無い古社であって、当社が遠州織物の発祥の地として遠近の崇敬を集めているのも偶然ではない。先年奉献の古例が復興された。
国学の泰斗本居宣長の「玉勝間」平田篤胤の「古史伝」等にも当社の由緒が記されている。昭和二年静岡県は「織殿」を史跡として顕彰した。同四十四年三ヶ日町指定史跡となる。」
由緒板の裏側にありました「手水舎」です。水の出どころが蛇口なのは残念ですが、水盤に「トルコキキョウ」を敷き詰め「花手水」として優美な姿を醸し出していました。
入口から若干中にありました一の鳥居は木製の伊勢鳥居です。鳥居をくぐったすぐの所に、椿の花でハート型の模様を作ってありました。実はこれは「猪目」(いのめ)と言って、イノシシの目をかたどっており、古来より魔除けのために使われています。
鳥居の正面にありましたのは「拝殿」です。拝殿の中に置かれているのは織物でしょうか?
拝殿の前に小さい絵馬掛けがありました。
拝殿裏に廻りレッドロビンの垣根に沿って奥に進みます。両脇に立てられたノボリに「おんぞ奉献」と書かれていますが、「おんぞ」とは「伊勢の神宮に神御衣を収める」という初生衣神社で行われる例祭を「おんぞ祭り」と言い、御衣(おんぞ)は天皇や身分の高い人の着衣を敬っていう言葉だそうです。
垣根を過ぎた右手に「織姫の館」と書かれた札のある建物がありました。絵馬やお守りを授与しており、復元された織機も見る事ができます。
織姫の館を過ぎると境内の広い場所に出ます。正面にある茅葺きの建物が「織殿」(おりどの)になります。江戸末期の織機が納められており、平成19年に浜松市指定有形民俗文化財に指定されました。
「史跡 織殿」と書かれた看板には、
「往古「加止利」ト称スル文帛(シドリ)ヲ織リテ伊勢神宮ニ納メタコトガアッタガ後年ハ生糸ヲ三河国大野ニ取リ神衣料荒妙(絹)ヲ織リテ之ヲ献ズル例トナッタ又後ニハ其ノ制廃シテ現在ノモノハ享和元年紀元二四六年ノ建設デアル」
ちょっと何言ってるかわかんない…(T_T)
右が織殿、左の鳥居がある方が本殿になります。本殿前には入口にもあった猪目が落ち葉で作られていました。
木製の伊勢鳥居があって後ろに本殿です。御祭神は「機織りの神様」である天棚機媛命(アメノタナバタヒメノミコト)となります。
ご本殿は伊勢神宮遷宮時に出る撤去古材にて造営されているそうです。
本殿前にてお詣りをさせていただきました<(_ _)>
本殿右横、織殿の後ろにありましたのは、「旧本殿」です。
伊勢神宮と同じで遷宮があるのでしょうか?
本殿の左横にありましたのは末社です。屋根付きの建物に二社、斎宮(いつきのみや)と大己貴少彦名神社(おおなむちすくなひこなじんじゃ)が祀られています。
本殿前からの境内は高木の陰の隙間から差す明るい日差しが爽やかでした(^^)/
御朱印は書き置きです。
場所:初生衣神社





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