2026-04-01

映画】8番出口 を見た

特に意味のない大人ゲーム原作にうまく意味づけされた一本で67点。

 

日雇い派遣で働くニノ地下鉄での通勤中に元カノから電話がかかってくる。とってみると妊娠したと言われ、えぇーと思いながら電車を降りて駅を出ようとするニノ通路でチョンマゲおじさんとすれ違う。通路を進んでいくと再び同じおじさんとすれ違うニノ地下鉄駅の通路ループしていることに気づいたニノルールを把握し脱出を図る。

みたいな話。

 

なにをおいてもOPボレロダンダダダダンっていう打楽器の音にあわせて8番出口 Exit 8 ってタイトル文字バラバラと出てくる演出がダサくてねぇ……いや今日日音ハメ演出て、MADじゃないんだからさぁと思ってしまいました。ちょいちょいクラシック流れるんだけど、なんかダサい。つーか、日雇い派遣スマホSNS(陰謀論系)を眺めてる奴が通勤中に聴く音楽ボレロか?ホンマにそうか?という偏見

まぁ、それ以外は概ねよくできていて。

うだつのあがらない病気持ちの日雇い派遣日和見主義中年が、降ってわいた妊娠という異変に迫られ懊悩する様子を大人ゲームである8番出口の「ループする通路の中で異変を探して進むか戻るか決断する」というゲーム性とうまく対応させているなと思った。

で、原作では特に意味のないループする通路だったのを今回はニノ精神世界と綿密に結び付けており、ロッカーの中から赤ん坊の声が聞こえる演出や、天井から血がふってくる演出ポスターに描かれる人物や目がニノを追いかけてくるといった(赤ん坊はなかったけど)、原作でも人気のギミックが「元カレ妊娠」を突き付けられたニノ精神状態をうまく表しているなと思ったし、第三幕で出会うガキが生まれてくる予定のニノの子供であり、ニノの子時代でもあるというように受け止められるように撮られていてなかなかよかった。

一方で原作でも人気のおじさんがまさか主人公に昇格する第二幕は「ルール説明」としての意味合いが非常に強く、ニノ精神世界である地下通路との接続が弱くここももっと工夫のしどころだったんじゃないかな。決して悪い人ではないのだけれど共感力が低く自分でなんでも決めてしまうおじさんで尚且つおそらく離婚していて息子にはあんまり会えない、という子供を産んだけど失敗した世界線ニノというポジションであろうことはわかるんだけどさ。

どうしても原作で人気のおじさんを使ったファンサ感がぬぐえなかったのがちょっと残念。

そうしてニノは途中で合流したガキに寄り添いながらギミッククリアし続け、最終的にニノの根源的恐怖であるTSUNAMI(cv:桑田佳祐)に見舞われその中で元カノとガキと幸せになっている自分幻想を見、この未来を守りたいと決断し恐怖を乗り越えガキを守ることで、ガキも自分もそれぞれ8番出口にたどり着くことになる。

ちなみにこのTSUNAMI原作では引き返すのに間に合わなければ一発アウトのギミックだが、映画では乗り越えることができるものとして表現されているのは、解釈として悪くなかった。

しかニノがたどり着いたのは8番出口、ではなく地下鉄への道で、そこでニノはまず彼女電話をかけ「すぐに行く」と告げる。失敗してNPCになってしまったおじさんのように相手意見を聞かずに腕を強引に引くわけでもなく、目を見て会話することで未来を切り拓こうとするという着地はこの作品の回答としておそらく正しい。

そして電車に乗り冒頭と同じようにイヤホンを付けると、冒頭で発生したトラブル――リーマンが赤子連れ母親に怒鳴り散らすところに遭遇。8番"出口"から脱出していない自分、全く同じ展開の"ループ"をおそらく自覚したニノは冒頭では見逃した"異変"を今度は見逃さない、というところで作品は終わる。これはもしかしたら8番出口の続編の8番乗り場(今度は通路ではなく電車の中が舞台)を表しているのかもしれないし、もしくは特に関係なく単なるループを経て成長したニノを表しただけの俺の考えすぎかもしれない。

 

あとはアレだなー。ニノの演技はめっちゃよかったんだけどニノってニノじゃん?実年齢40過ぎとかだと思うけどぶっちゃけ20代前半とかにも見えるし、まぁ40歳くらいにも見えるじゃん。でさ、今回持ってる設定の元カノはらませた日雇い派遣っていうのが年齢によって重みが変わりすぎるじゃん。ニノ年齢不詳すぎるせいでこれどういう気持ちで受け止めるべきなんやろか?ってちょっと悩んじゃった。

 

ま、そんな感じかな。

8番出口ってゲームを知ってる人だったらなるほどそういう感じになるんだ~って思えると思うし、知らない人にもまぁ男が人生未来を見つめ直す話という普通の話をうまくSF設定に絡めたなぁって思えるようにはできてると思うのでまぁそこそこオススメ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん