新たな環境技術は必要か?
環境破壊、環境汚染で地球が住めなくなる前に、その環境破壊、環境汚染を解決する新たな環境技術を開発しなければならないと言う論理は一見当然の事のようですが、それは必要条件ではありません。逆に科学技術に対する妄信は危険です。かつて、その妄信によって、様々な環境問題が引き起こされ、放置されてきたのです。
確かに新たな技術の開発も有効な場合もあります。しかし、そこから予期出来ない(本当は予期出来たが、気付かぬ振りをしているものも多い・・)問題が起こる場合もあります。
そして、実際にさらなる環境汚染や社会問題を引き起こしている技術も沢山あります。最悪とも言える原子力は言うまでもありません。原子力については、プルサーマルのように新たな技術が最悪の記録を塗り替えています。
現在の環境問題の全ては人類が生み出したものです。だったらその解決方法の最も簡単で最も確実な方法は何でしょう?・・・私はこれ以外に考えつきません・・・それは、発生源を絶つことではないでしょうか?これは、対症療法的な科学技術より遥かに優れた確実な方法です。
新たな科学技術で解決出来る可能性もゼロではないでしょうが、新たな科学技術だけでは限りなくゼロに近いのではないでしょうか?何故なら、エントロピーの法則を主とした、物理の根本法則は超えられないからです。
百歩譲って、新たな技術で解決可能だとしても、その技術が開発されて、さらにその環境問題の解決を確実に保証出来るまで、その発生源を絶つ事が本来の予防原則でしょう。
人類の存亡が掛かっているのに、当てにならない環境技術の開発に人類の未来を託すほど、人間は愚かなギャンブラーなのでしょうか?確実な方法で崩壊を回避しておいて、その後いくらでも別な方法を探ればいいでしょう。・・・そう簡単に別の方法が見つかるとは考えられませんが・・・だからこそ現在考えられる唯一の確実な方法を実行すべきです。そこに新たな技術の導入は必要ありません。
実際に個別の事では色々な汚染物質の排出規制は確実に効を奏しています・・・。それをもっと広く大きく実行するのです。・・・社会が持続可能なレベルまで・・・
つまり、この現在の深刻な環境問題を解決するのに必要なのは、
新たな科学技術ではなく、人々の意志・・政治的な決断なのです。・・・・じゃあ何故それが出来ないか・・・経済成長の強迫概念がそれを邪魔するのです。私はそれをエコファシズムと呼びます。
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