GDPは何の指標か?
経済活動の総量をお金で計った量ですが、その経済活動の大きさが、人間の生活、社会の何の目安になるか?と言うことです。つまり、このGDPが何と最も相関関係が強いか、GDPの数値が表すものは、何の指標と考えるのが最適かを考えてみます。
一般に、言われることは、「景気の良さ」でしょうか。しかしこの言葉自体、
”景気がいい=経済活動が盛ん” と言うことが『良い、好ましい』というGDPが高い事が好ましいと言うを肯定する表現です。「好景気」なんて言葉も同様です。まあ、かなりの昔であれば、経済活動が盛んでも、生産物も廃棄物もほとんど自然を循環するものでしたから、経済活動が環境破壊には現在ほど深刻に結びつかなかったかも知れません。・・・乱獲、乱伐採くらいでしょうか?・・・でも現在は、経済活動に伴って、大きな環境破壊が行われています。
だから、経済活動の大きさを示す言葉に、好ましく肯定的な『良、好』などの表現を使うのはそろそろ改めるべきでしょう。こう言うところにも経済成長至上主義の洗脳があるのです。
『国民の豊かさの指標』と言うにはあまりに杜撰でお粗末なこの概念は、その本質に反して、今でも国民の豊かさの指標として、ほとんどの国の政府がこのGDPの伸び、すなわち経済成長を目標にします。
そんな成長至上主義者達の経済ファシズムの洗脳に頭を占領された愚かな経済学者や財界人や政治家達の示すところの「豊かさの指標」に関してはいくらでもそのへんに転がっているでしょうが、そんな陳腐な議論は致しません。
GDPが本質的に示すことは、「物やエネルギーの浪費レベル」でしょう。
同じ事をするのに、エネルギーや物的資源を沢山使った方がGDPが増えます。資源的効率で言えば、「効率の悪さ」と言うことになります。つまり「浪費レベル」です。
同じ一人の人間が生きていくのに、一人当たりのGDPが大きいと言うことは、効率が悪いと言うことになります。つまり、「浪費レベル」です。
そこから帰着するGDPのもう一つの指標は、「環境破壊レベル」でしょう。物やエネルギーの浪費が環境を破壊します。・・・「環境破壊レベルとGDP」では相関関係がピッタリ一致しないと言う反論はあるでしょうが、少なくとも「豊かさとGDP」の相関関係よりは、ずっと相関関係がいいでしょう。勿論ここで言う「豊かさ」とは、物質的な豊かさの事ではありません。・・・・物質的な事を除いた「真の豊かさとGDP」は、”負の相関関係”があるかも知れません(笑)
兎も角、GDPは、豊かさの指標というには程遠い代物ですが
GDPは浪費レベルの指標として大変優れた指標
と言えるでしょう。
※以前書いた関連記事 【GNPに代わり得る指標】
- 関連記事
-
- 世界同時株安に思う事 2008/01/25
- 登って来た梯子を蹴落として来たから・・ 2007/12/17
- 新たな環境技術は必要か? 2007/12/09
- トリクルダウン 2007/11/23
- 経済成長の末期症状 2007/11/21
- お好み焼きを鉄板の上でどんどん大きくする 2007/11/19
- 成長神話 2007/11/17
- GDPは何の指標か? 2007/11/11
- 「途上国」を開発する事の意味 2007/11/09
- 環境危機はあおってはいけないって? 2007/11/03
- 身近な環境は破壊されていないって?? 2007/10/31
- 最も大きな『問題の先送り』 2007/10/27
- 経済成長スパイラル 2007/10/23