成長のパラドックス
「今世界は行き詰まっている」という人は沢山いますが、その後に続く決まり文句にいつも疑問を感じます。
「現状を打開して、新しい未来を切り開く」
「限界を突破する」
「新たな科学技術で解決する」
・・・・・・・・・・・・
素敵な香ばしい言葉です。 未来に希望を持つことは大切です。
しかしそうやって問題を先送り、肥大化して破局に突き進んでいるのが現代社会でしょう。
その根本原因は「経済成長」を最優先していることです。
今必要なことは立ち止まって、経済規模を持続可能な限界までダウンサイジングすることでしょう。しかし、国や企業がそんなことをすれば、「経済競争」に敗れてしまいます。そう、ダウンサイジングして持続可能な社会を目指そうとすれば、経済成長して拡大再生産している連中に潰されてしまうのです。
社会全体で持続可能な限界の下までダウンサイジングして「経済成長」のカルトから降りるしか無いのですが、はじめに降りる国、企業、人々が滅ぼされて馬鹿を見るのです。最後まで経済成長にしがみ付いている連中が生き延びるのです。・・生き延びた連中もその後「脱成長」しなければ滅びるでしょう・・つまり彼らは「最後に滅びる権利」を得るだけなのですが・・
これを私は「持続可能な社会への移行のパラドックス」若しくは単に「成長のパラドックス」と呼んでいます。
そして、今のところ「理想論」、「机上の空論」に近い解決方法しか見出せません。それは
「せーの」
で一斉に経済成長の階段から降りることです。その為には「正当な恐怖心」の共通認識が必要です。そんなことに合意できる可能性は現在はほとんどゼロに等しいでしょう。しかし、今のところそんな方法しか思いつきません。
経済成長から降りてダウンサイジングすればするほど有利になるようなシステムが作れればいいのですが・・・。
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