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 サブネット・マスクの値から,ネットワーク数とホスト数の最大値を求める問題である。CCNAやCCENTの試験では,IPアドレス計算にかかる時間が合否の鍵となる。そのため,サブネット・マスクに関する計算は素早くこなせるようになっておくとよい。

 特にこの問題のように,サブネット・マスクが255.255.255.0(/24)より大きいネットワークは出題頻度が高い。できれば/24以上のサブネット・マスクについて,サブネットの最大数,1サブネットあたりのホストの最大数などを合わせて暗記しておくのが理想的だ

ゼロサブネットの扱いに注意

 では実際に問題を見ていこう。この問題を解くためのポイントは二つある。一つめは「ゼロサブネットを許可するかどうか」だ。ゼロサブネットとは,IPアドレスのサブネット部のビットがすべて「0」になっているサブネットのことである。古いルーターではゼロサブネットを使えないこともあるが,今では使えるケースが多い。シスコ・ルーターでは「ip subnet-zero」コマンドを設定すればゼロサブネットを使える。最近のルーターでは,このコマンドがデフォルトで有効になっている。

 二つめのポイントはホスト部がすべて「0」のネットワーク・アドレスと,ホスト部がすべて「1」のブロードキャスト・アドレスの存在だ。この二つのアドレスはホストに割り当てられないので,除外して考える。ホスト部のビット数がnビットの場合,ホストの最大数は2n~2と覚えておくとよいだろう。

 図1に/24以上のサブネット・マスクで,ゼロサブネットを利用する場合のネットワーク数とホスト数の最大値をまとめた。この表に当てはまる選択肢aと選択肢cが正解となる。

図1●クラスCのIPアドレスを分割する際のサブネットとホストの最大数(問題の解答)<br>サブネット・マスク長はIP アドレスに占めるネットワーク部(ネットワーク全体に割り当てるアドレス)とサブネット部(各サブネットに割り当てるアドレス)の長さを示す。残りの部分がホスト部(ホストに割り当てるアドレス)となる。サブネット・マスク長が大きくなると,サブネットの最大数が増える一方で,1サブネットに接続できる最大ホスト数は減る。
図1●クラスCのIPアドレスを分割する際のサブネットとホストの最大数(問題の解答)
サブネット・マスク長はIP アドレスに占めるネットワーク部(ネットワーク全体に割り当てるアドレス)とサブネット部(各サブネットに割り当てるアドレス)の長さを示す。残りの部分がホスト部(ホストに割り当てるアドレス)となる。サブネット・マスク長が大きくなると,サブネットの最大数が増える一方で,1サブネットに接続できる最大ホスト数は減る。
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IPアドレス編 第1回 クラスフルアドレッシングとは