現在、ITエンジニアが開発するシステムは多種多様だ。基幹系システムだけでなく、Webサービスやスマホアプリ、AI(人工知能)などもある。こうしたシステムの開発を円滑に進めるには、実装する機能に合わせたプログラミング言語の選定が肝要である。プログラミング言語によって開発しやすいシステムが異なるからだ。
では、日経クロステックの読者はどんなプログラミング言語を使っているのか。またどのようなシステムを開発しているのか。これらを確かめるため、日経クロステックでは「プログラミング言語利用実態調査2022」をWebサイト上で実施した。調査期間は2022年10月11日~10月28日。457人から回答を得た。その結果を見ていこう。
アンケートでは、まず普段使っているプログラミング言語を3つまで挙げてもらった。その結果、利用言語の第1位は「Python」だった。回答者457人の4割弱に相当する169人が使っていた。
PythonはAIやデータ分析といった最近注目を集めているシステムの開発によく利用されている。これらを実現するためのライブラリーがPythonには数多く存在するからだ。AIシステムやデータ分析システムの開発に携わるITエンジニアは今後も増えるだろう。Pythonは、もはやITエンジニア必修の言語になったといえる。
利用言語の第2位は「JavaScript」(134人)だった。2021年の調査では第1位だったが、2022年は後退した。JavaScriptはWebシステムのクライアント(Webフロントエンド)の開発に多用されるプログラミング言語である。最近のシステム開発では何らかのWeb技術を利用することが多いため、上位に入ったと思われる。
僅差の第3位は「Java」(132人)である。Javaは大規模システムの開発では定番といえる言語だ。開発元である米Oracle(オラクル)は、2017年にリリースしたJava 10以降のリリースサイクルを変更し、Java 11からは6カ月ごとにメジャーバージョンアップを実施している。2022年9月には最新版の「Java 19」をリリースした。