著名なセキュリティーリサーチャーのpiyokango氏が注目のシステムトラブルをピックアップ。今週の注目ネタは…。
2019年5月第4週の注目ニュースは3件。最初は、ランサムウエア被害を受けた米ボルティモア市のトラブルを取り上げる。
米ボルティモア市、グーグルにアカウントを凍結される(5月24日)
米グーグル(Google)が、米メリーランド州の最大都市であるボルティモア市のアカウントを復旧したと発表した。市のネットワークからメールサービスGmailのアカウントが大量に作成されたため、グーグルのセキュリティー機能がボルティモア市をスパム業者(迷惑メール配信事業者)と判定し、アカウントを凍結していたという。ボルティモア市は、どうしてアカウントを大量に作成したのか。

ボルティモア市は2019年5月7日、市のシステムがランサムウエアに感染したために、行政サービスの大半を提供できなくなった。約3週間が経過した5月28日現在でも、復旧に至っていない。
被害の原因とされるランサムウエアは「RobinHood(ロビンフッド)」。身代金として約840万円相当の仮想通貨(当時)を要求されたが拒否したとされる。2018年にも米アトランタ市がランサムウエアに感染して身代金の支払いを拒否した結果、行政サービスを提供できない期間が長く続いていた。
ボルティモア市は、提供できなくなった各行政サービスの問い合わせ窓口として、Gmailのアカウントを大量に作成した。ランサムウエア感染にアカウントの凍結と、ボルティモア市には不運が重なった。
https://twitter.com/Google_Comms/status/1131676897061023747