リニア中央新幹線の大深度地下トンネル工事の現場付近にある東京都町田市の民家の庭から水と気泡が噴出していたことが分かった。シールド掘進時に使用した気泡材が原因となった可能性があるため、工事を中断した。JR東海が2024年11月7日に明らかにした。
水と気泡が地表に湧き出たのは24年10月22日。同日午後、トンネル工事の施工者から連絡を受けたJR東海の社員が現地で確認した。工事との関連を調べるため、その日のうちにシールド機を停止した。水と気泡の噴出は24日まで続いたが、現在は止まっている。
現場付近では、リニアの第一首都圏トンネル(小野路工区)の工事を進めている。施工者は安藤ハザマと岩田地崎建設、りんかい日産建設で構成する共同企業体(JV)。町田市にある小野路非常口を発進たて坑として、相模原市方面と川崎市方面にそれぞれ掘削する。工区延長は約12km。
同工区では現在、工事が地上に及ぼす影響や作業手順などを検証する「調査掘進」を、相模原市方面に向かって進めている。延長約350mの調査掘進範囲のうち、約247m進んだ地点で中断した。この付近の土かぶりは約45mだ。