NTTドコモとKDDI、ソフトバンクの3キャリアによる格安のオンライン専用プラン(以下、新プラン)の概要が明らかになった。ドコモが「ahamo」で2020年12月3日に口火を切り、ソフトバンクは「SoftBank on LINE」、KDDIは「povo(ポヴォ)」を発表した。いずれも月当たり20ギガバイトの通信が可能で、2021年3月にサービスを開始する。
新プランの価格はpovoが月額2480円(税別、以下同)と最も安いが、国内通話の1回5分以内のかけ放題を含めると3キャリアとも月額2980円となる。ソフトバンクとKDDIについてはサブブランドを維持しての新プラン投入となるが、MVNO(仮想移動体通信事業者)により近い領域に進出すると見ることもできる。キャリアの通信品質で、安価なプランが登場するので市場に与える影響は大きい。
新プランは携帯電話の料金水準を引き下げたい政府の意向を受けたものだが、条件設定によっては月額料金が3キャリアとも同額になるため、「協調的寡占」「横並び」と評する報道が見られた。
しかし、筆者が利用者の立場で3キャリアの新プランを眺めると同じとは思えなかった。また、未公表のサービス仕様に違いがあるかも気になった。そこで、3キャリアに質問状を送り、2021年1月26日時点の回答を得た。
ahamo(NTTドコモ) | povo(KDDI) | SoftBank on LINE (ソフトバンク) | |
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ターゲット層 | 20代前半のデジタルネーティブ | 年代を問わず、利用スタイルに応じてオンラインで自由なプラン設計や手続きを志向するユーザー | LINEをはじめとする各種サービスを日常的に利用するユーザー |
月額料金 | 2980円 | 2480円 | 2980円 |
国内通話かけ放題(1回5分以内、月額) | 無料 | 500円 | 無料 |
国内通話かけ放題(月額) | 1000円 | 1500円 | 1000円 |
ネットワーク | 4G、5G | 4G、5G(5Gは2021年夏から) | 3G、4G、5G |
海外データローミング | 海外82カ国・地域(国内消費分と合わせて計20ギガバイト) | 未定 | 未定 |
データカウントフリー | なし | なし | LINE(トークや通話) |
SMS | 可(1通当たり3円) | 可(料金は未定) | 可(料金は未定) |
留守番電話 | 不可 | 未定 | 未定 |
転送電話 | 不可 | 未定 | 未定 |