東京地下鉄(東京メトロ)は南北線と有楽町線の延伸計画を、東京都の都市計画決定を経て正式に始動させる。都の都市計画審議会は2024年5月17日、延伸について都市計画を承認した。約1年以内の着工、30年代半ばの開業を目指す。南北線では大深度法の適用を視野に入れて計画を進める。
南北線では東京都港区内で白金高輪駅から分岐して品川駅に、有楽町線では江東区内で豊洲駅から分岐して住吉駅にそれぞれ到達する区間を新設する。都市計画変更を要する延伸区間は、南北線では延長約2.5km、有楽町線では延長約4.9kmだ。
南北線の事業費は約1310億円で国と都が、有楽町線の事業費は約2690億円で国、都、江東区が補助対象とする。
南北線の延伸区間は、平面図では途中で既設区間の白金台駅と都営浅草線の高輪台駅に接近するように見える。しかし、大半を占めるシールド区間は既設区間よりも深い位置を通り、高低差が大きいため実際には両駅を経由しない。都と東京メトロは23年6月、南北線延伸に関する都市計画案などの説明会で、最深部は地下約60mになると述べた。
東京メトロは日経クロステックの取材に対し、南北線の延伸について大深度法適用の可能性を検討する方針を明らかにした。実現すれば、鉄道ではリニア中央新幹線に次ぐ2つ目の適用事例となる。