米Microsoft(マイクロソフト)は米国時間2024年10月30日、2024年7~9月期の決算を発表した。売上高は前年同期比16%増の655億8500万ドル(約10兆600億円)、純利益は同11%増の246億6700万ドルとなった。増収増益は7四半期連続となる。1株当たり利益は3.30ドル(前年同期は2.99ドル)で市場予想を上回った。
中核事業であるクラウドサービス「Azure」などの売上高は前年同期比33%増。この1年のAzureなどの増収率(前年同期比)は2023年10~12月期が30%、2024年1~3月期が31%、2024年4~6月期が29%だった。ただしマイクロソフトは2024年8月に事業区分を見直しており、Azureなどの増収率の前の期との単純比較はできない。
AI(人工知能)のニーズが後押しし、Azureの成長が続いている。為替変動の影響を除いた増収率は34%で、マイクロソフトはこのうち12ポイントがAIによる貢献だと説明した。
オンライン説明会でマイクロソフトのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)は、AIに関連する年間経常収益(ARR)が次の四半期には100億ドルを超えるとし、「当社の事業として史上最速でマイルストーンに到達する」と強調。AIの強い需要が続いていることを示した。
- AI事業が次の四半期には年間経常収益(ARR)100億ドルを突破する。マイクロソフトとして史上最速でマイルストーンに到達することになる
- データ分析ツールMicrosoft Fabricの有料顧客が世界で1万6000社を超えた
- 生成AIツールMicrosoft Copilotのエンタープライズ顧客は前四半期比で55%増加した
- 10万社以上がCopilot Studioを利用しており、前四半期比で2倍以上になった
- Azure OpenAI Serviceの利用(Usage)は過去半年で2倍以上に増えた
AI需要によるクラウド事業の伸びは、前日に決算を発表した米Alphabet(アルファベット)にも当てはまる。Google Cloudの前年同期比の増収率は35%。Google Cloudの増収率が30%を超えるのは、生成AIブームが始まった2023年以降で初となる。大手クラウドベンダーに需要が集中する構造が鮮明になってきた。
Azureの成長は2024年10~12月期も続く見込み。エイミー・フッドCFO(最高財務責任者)は「旺盛な需要にけん引され、(為替変動の影響を除いて)31~32%の増収を見込んでいる」と見通した。