金石学とは? わかりやすく解説

きんせき‐がく【金石学】

読み方:きんせきがく

金石文文字文章などを研究する学問考古学文献史学境界分野にあたる。

鉱物学旧称


金石学

読み方:キンセキガク(kinsekigaku)

金属石など硬質素材刻まれた文、すなわち金石文考察対象とする学問


金石学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/27 04:25 UTC 版)

高句麗好太王碑の銘文

金石学(きんせきがく)は、碑文研究の一種で、中国古代青銅器石碑などに刻まれた銘文金石文金文・石刻文)や画像を研究する学問のことをいう。

その研究対象は、先秦・彝器、始皇帝が中国各地に建てた石刻(始皇七刻石)、代の画像石、以降の時代の墓碑墓誌銘、神道碑・記事碑、石経銅鏡古銭などである。

歴史

宋代

隅田八幡宮人物画像鏡

中国における金石学の創始者は、北宋欧陽脩である、といわれる[注釈 1]。欧陽脩は、金石や石刻の拓本を蒐集して研究し、『集古録跋尾』10巻を撰した。その後、代の劉敞が、古銅器の研究に、器形・文字・歴史の三学があることを提唱した。また、徽宗皇帝は王黼らに『宣和博古図中国語版』を作らせ、「器形」の研究に資した。現在使用される古銅器の名称の多くは、この書に由来する。さらに、南宋の薛尚功が『歴代鐘鼎彝器款識法帖』20巻を著し、「文字」の解読を推し進めた。しかし、宋代の後の代には、盛んではなかった。

清代

代に考証学が発達すると、金石学も再び盛んになった。考証学者の祖である顧炎武に『金石文字記』6巻、朱彝尊に『金石文字跋尾』6巻がある。

清代の金文研究としては、銭坫に『十六長楽堂古器款識考』4巻がある。本書は「文字」に優れ、金文解読において新境地を開いた。また、程瑶田は、『周礼』を中心とした古典中の器物の比定(名物学)に優れていた。乾隆帝梁詩正中国語版らに『西清古鑑英語版』を作らせた。清末に出た呉大澂は、『字説』1巻、『説文古籀補』14巻ほかを著した、金文の天才的な解読者であり、旧来の誤謬を多く訂正している。

清代の石刻研究としては、銭大昕の『潜研堂金石跋尾』20巻、武億の『授堂金石文字跋』があり、畢沅の『関中金石記』『中州金石記』や、阮元の『両浙金石志』が著され、地方別の石刻の集録が盛行した。その一方で、時代別に収集する傾向も現れ、王昶の『金石萃編』160巻が、集大成した。その補編としての『金石続編』21巻、陸増祥の『八瓊室金石補正』がある。

近代

清末から中華民国初期には、新たに甲骨文字の研究も始まった。また、王国維が師である羅振玉の収集景印した資料を利用して、器形学・金文学(書体論)に新知見を加え、金文解釈一辺倒の清朝の金石学から脱却し、上古史研究を進展させた。そのほか、芸術家として著名な趙之謙呉昌碩も金石学に携わった。

中華人民共和国期には、郭沫若容庚、徐仲舒、呉其昌、陳夢家といった人々が、王国維の学を継承発展させた。

中国以外では、カールグレン西川寧浜田耕作梅原末治白川静東野治之らに、金石学に関する業績が見られる。

脚注

注釈

  1. ^ 宋代以前も、金石文を参照すること自体は行われていたが、それを一個の学問、すなわち歴史の補助学の地位にまで高めたのは欧陽脩からである[1]

出典

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