たい‐ゆう【体▽用】
たい‐よう【体用】
体用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/18 16:24 UTC 版)
体用(たいよう[3]、たいゆう[注釈 1]、拼音: 、旧字体:體用[5]、躰用[2][6])すなわち「体と用」「体・用」は、中国哲学の対概念。中国仏教・儒教・玄学・文学理論など様々な分野で使われる。清末の「中体西用」や日本語文法の「体言・用言」でも知られる。体用思想[7]、体用論[1]ともいう。「相」(そう、拼音: )を加えて体相用(たいそうゆう)ともいう[8]。
注釈
- ^ 主に仏教学では呉音により「たいゆう」と読む[4]。
- ^ 英語では「本質・はたらき(essence and function)」などと翻訳される[10]。
- ^ 『大乗起信論』における「水波の喩え」[11][12]。
- ^ 『立神明成仏義記』は、神滅不滅論争や如来蔵思想を背景に書かれた[20][21]。
- ^ 「明体達用」は『宋元学案』所引の胡瑗の学説[11]、「体用一源」は程頤『程氏易伝』序[33]、「全体大用」は朱熹『大学章句』第五章の「格物致知」補伝[33]にある。
- ^ 晁説之『嵩山文集』および王応麟『困学紀聞』巻1[35]。
- ^ 厳復は『与外交報主人論教育書』で、裘可桴の「体用は一物についていう」という言葉を引いた上で、中学には中学の「体・用」があり、西学には西学の「体・用」があるとした[4]。
- ^ 空海『即身成仏義』は、『大乗起信論』の注釈書『釋摩訶衍論』の用法を踏まえているとされる[45]。
出典
- ^ a b c d e f g h 松村 1998, p. 1023f.
- ^ a b c 鈴木 2001, p. 427f.
- ^ a b c d 『体用』 - コトバンク
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- ^ 船山 2019.
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- ^ a b c d 志野 2020.
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- ^ 竹村牧男『大乗起信論読釈』山喜房仏書林、1985年。
- ^ 船山 2019, p. 45.
- ^ 中西久味「六朝斉梁の「神不滅論」覚え書――仏性説との交流より」『中国思想史研究』第4号、京都大学中国哲学史研究室、1981年。
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- ^ “大拙思想の構造はいかにして明らかになるのか/蓮沼直應『鈴木大拙――その思想構造』 | Close-up! この一冊 | web春秋 はるとあき”. haruaki.shunjusha.co.jp. 2023年11月2日閲覧。
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- ^ 中畑正志 著「移植、接ぎ木、異種交配――「実体」の迷路へ」、村上勝三・東洋大学国際哲学研究センター 編『越境する哲学:体系と方法を求めて』春風社、2015年。ISBN 9784861104787。228頁。
- ^ 土井忠生・森田武・長南実編訳『邦訳 日葡辞書』岩波書店、1980年。606頁。
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