イオン 決算/3~11月最終赤字156億円、GMS事業の営業赤字192億円

2025年01月10日 17:44 / 決算

イオンが1月10日に発表した2025年2月期第3四半期決算によると、営業収益7兆4705億7500万円(前年同期比6.3%増)、営業利益1175億6900万円(17.7%減)、経常利益1020億6300万円(23.3%減)、親会社に帰属する当期損失156億6700万円(前期は183億5900万円の利益)となった。

イオン

営業収益はすべての報告セグメントが増収だった。

営業利益は、高利回りな営業債権残高の増加により、資本収益性が向上した総合金融事業、増床やリニューアル効果で、賃料収入が増加したディベロッパー事業、すべての上場子会社の損益が改善したサービス・専門店事業が増益。一方、小売事業を構成する総合スーパー(GMS)事業、スーパーマーケット(SM)事業、ディスカウントストア(DS)事業、ヘルス&ウエルネス事業、国際事業が減益となった。

人件費1兆1470億9200万円(7.8%増)、販売促進費2135億4000万円(9.8%増)と販管費増が響き、当期損失156億6700万円を計上している。

GMS事業は、営業収益2兆6161億200万円(2.6%増)、営業損失192億2500万円(前年同期より177億3800万円の減益)。

イオンリテールの営業収益は1兆3784億7300万円(2.3%増)、営業赤字162億7400万円(前年同期は109億円の営業赤字)だった。

「荒利益額の最大化」「ショッピングセンター収益改善」「デジタル売り上げ拡大」を推進。荒利益額の最大化は、第3四半期連結累計期間では、荒利益率が対前年同期比で低下したものの、商品・オペレーション面の改革により、特に11月に大きく改善したという。

ブラックフライデーでは、節約志向に応えた商品企画やメディア戦略の強化により、食品、衣料、住居余暇、ヘルス&ビューティケアのすべてのラインが好調に推移した。特に感謝デーが重なった11月30日は今年最大の売上高となり、利益の改善に大きく寄与した。

イオン九州の利益面は人件費の増加、イオンウエルシア九州への先行投資、電気代の高騰で苦戦。営業利益33億100万円(50.5%減)、経常利益34億9500万円(49.2%減)、親会社に帰属する当期利益22億8900万円(47.1%減)となった。

イオン北海道も、利益面は、営業利益37億300万円(33.1%減)、経常利益39億1000万円(29.7%減)、四半期純利益19億1000万円(39.6%減)と各段階で減益を計上している。

西友の北海道事業承継に伴う一時的費用の発生、積極的な投資や出店、各種コスト上昇で販管費が増加。売り上げ総利益高が想定を下回り、増加した販売費および一般管理費をカバーするに至らなかった。

SM事業は、営業収益2兆2443億800万円(10.8%増)、営業利益118億5800万円(前年同期より100億1200万円の減益)。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(U.S.M.H)、フジ、マックスバリュ東海では、価格や価値の訴求を強化し増収だったが、人件費・水道光熱費の高騰が響き、減益を計上している。

DS事業は、営業収益3050億5200万円(1.8%増)、営業利益47億3300万円(前年同期より13億6400万円の減益)。

ヘルス&ウエルネス事業は、営業収益9882億1300万円(8.0%増)、営業利益226億6000万円(前年同期より78億400万円の減益)。

たばこ取り扱い中止や人件費の高騰で、増収減益だった。

総合金融事業は、営業収益3868億4100万円(8.9%増)、営業利益383億7300万円(前年同期より111億2300万円の増益)。

イオンフィナンシャルサービスは、Webおよびスマートフォンアプリ「イオンウォレット」のUI・UX向上やAIを活用した個別アプローチの強化、リボ払いの利便性向上施策が功を奏し、ショッピングリボ債権残高とキャッシング債権残高が増加した。

イオン銀行は、定期預金の特別金利施策や投資信託、保険相談サービスを拡充。提携カードの推進や割引施策を展開した結果、カード有効会員数が増加し、カードショッピング取扱高も堅調に推移した。

イオン銀行の預金残高は4兆8922億5600万円(期首差3528億8400万円増)、住宅ローンの取扱高は4453億7800万円(前年同期比6.7%増)、国内カード有効会員数は3223万人(期首差74万人増)、カードショッピング取扱高は5兆5611億3900万円(前年同期比5.8%増)。

ディベロッパー事業は、営業収益3676億5000万円(5.9%増)、営業利益386億5700万円(前年同期より40億6700万円の増益)。

日本の11モールのリニューアルを実施。来店客数も好調に推移した結果、既存モール専門店売上高が前年同期比6.0%増(対象92モール)と大きく伸長し、歩合賃料収入が大きく増加した。

ベトナム、インドネシア事業も好調だった。

サービス・専門店事業は、営業収益5434億1400万円(1.7%増)、営業利益164億600万円(前年同期より41億3700万円の増益)。

イオンディライトは顧客内シェア拡大や新規受託物件の増加に加え、原価上昇に伴う単価見直しを推進したことにより増収増益。イオンファンタジーは国内、アセアン事業ともに好調で、売上高・営業利益は過去最高を更新した。

国際事業は、営業収益4093億8100万円(7.6%増)、営業利益58億100万円(前年同期より12億3700万円の減益)。

マレーシアでは、創業40周年キャンペーンを通じて、低価格の必需品を提供し集客を図った。ベトナムの売上高は16.9%増と大きく伸びている。

中国は個人消費が伸び悩んでいるが、9月にエンターテインメント機能を充実させて内陸部の湖南省に初出店した長沙星沙店(長沙市)の業況は好調で、深セン市が位置する華南も期待以上の利益水準だったという。

通期は、営業収益10兆円(4.7%増)、営業利益2700億円(7.6%増)、経常利益2600億円(9.5%増)、親会社に帰属する当期利益460億円(2.9%増)を見込んでいる。

イオンモール 決算/3~11月増収増益、国内は歩合賃料収入の増加で2桁増益に

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