平和堂 決算/3~11月増収増益、食品の戦略的価格設定で売上増
2024年12月26日 15:06 / 決算
平和堂が12月26日に発表した2025年2月期第3四半期決算によると、営業収益3259億8400万円(前年同期比4.3%増)、営業利益84億6000万円(2.2%増)、経常利益94億2500万円(3.3%増)、親会社に帰属する当期利益66億800万円(22.4%増)となった。
メイン事業のスーパーマーケット・平和堂は、食品の戦略的な価格設定により売上高が伸長し、増収だった。
値上げ金額が前期より落ち着いたことや価格訴求の強化により粗利益率は低下。販売費および一般管理費の増加分を粗利益高の増加で補えず、営業利益と経常利益は減少している。
新規出店は、4月に直営スーパーマーケットを中心として、テナントにドラッグストアや生鮮食品専門店などが入居するNSC(ネイバーフッドショッピングセンター)型店舗の平和堂日進香久山店(愛知県日進市売り場面積2972m2)、6月に敷地内にクリニック棟を併設したフレンドマート茨木平田店(大阪府茨木市 売り場面積928m2)をオープン。
7月に建て替えにより売り場面積を拡大したフレンドマート長浜祇園店(滋賀県長浜市 売り場面積1415m2)、10月に愛知県知多市に初出店となる平和堂知多店(愛知県知多市 売り場面積4190m2)、11月に重点出店エリアの空白地を埋める平和堂守山小幡店(愛知県名古屋市守山区 売り場面積1327m2)を開設した。
既存店の活性化として、4月にはアル・プラザ茨木(大阪府茨木市)とアル・プラザ鶴見(岐阜県大垣市)、9月に江南店(愛知県江南市)とアル・プラザ津幡(石川県河北郡)、10月にアル・プラザ小杉(富山県射水市)、11月にアル・プラザ水口(滋賀県甲賀市)とアル・プラザ守山(滋賀県守山市)において売り場の改装を実施した。
商圏の特性に合わせた品ぞろえや売り場展開の変更、大型テナントを導入する一方で、直営非食品売り場面積の適正化を図った。
京都府で総合小売業を展開するエールは、4月に峰山店、6月に東舞鶴店に大型テナント導入のための改装を実施し、計画通り売上高は好調に推移した。しかし、改装に伴う一時費用発生のため減益となっている。
書籍販売とフィットネス事業を展開するダイレクト・ショップは、不採算のレンタル事業縮小により減収・赤字幅は縮小したという。
中国湖南省で小売り事業を展開する「平和堂(中国)有限公司」は、中国の景況感悪化により五一広場店の売上高が低迷していることで減収減益を計上した。
総菜・米飯・生鮮品の製造加工を営むベストーネは、2023年5月31日に稼働した新デリカセンターが好調に稼働。平和堂の直営精肉・鮮魚売り場でのベストーネ商品の積極的な活用、また、各センターの生産性が高まったことで増収増益だった。
ビル管理事業のナショナルメンテナンスは、工事の受注増加により増収増益を計上している。
外食事業のファイブスターは、売上高は伸長したが、人件費・販売促進費の増加により増収減益となった。
外食事業のシー・オー・エムは、主力のフランチャイズ契約しているケンタッキーフライドチキンをはじめ堅調に推移したことで増収増益だった。
通期は、営業収益4440億円(4.4%増)、営業利益137億円(3.3%増)、経常利益147億円(1.5%増)、親会社に帰属する当期利益91億円(34.1%増)を見込んでいる。
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