宝くじファンにとって今年最後の楽しみとなる「年末ジャンボ」「年末ジャンボミニ」。販売最終日が12月21日に迫り、売り場は盛況だ。今年は2月に沖縄県中城村の中城モールチャンスセンターでロト6の1等5億円が出たのをはじめ、県内で億単位の当せんが複数あった。実は、沖縄は47都道府県で最も宝くじの人気が高い県。その理由とは? 高額当せん者の反応は? どう縁起を担いでいるのか? 「夢」を追う人たちの姿を、販売所などに聞いてみた。(デジタル編集部・新里健)
「ダブル開運日」の2024年12月19日夕方、那覇市おもろまちの那覇メインプレイスチャンスセンター。大安に加え、干支(えと)暦の中で財運が上がるとされる「巳の日」が重なり、年末ジャンボとミニを買い求める人々で最大1時間半待ちの行列ができた。今年のサマージャンボ発売期間中の7月29日には、前年に1等と前後賞の計7億円が出た金運にあやかろうと、3時間半待ちの大行列になった。運営するビーエヌシー那覇支店の鈴木昭彦支店長は「沖縄県民は行列に並びたがらないとよく言われますが、そのイメージを覆す光景でした」と振り返る。メインプレイスチャンスセンターの人出は、東京都の西銀座、名古屋市の名駅前、札幌市の大通地下などと並んで、全国トップ5に入るという。
同社が管轄する沖縄県内45カ所の販売所のうち、今年は那覇市の小禄イオンで11月にロト6の1等3億7千万円が出たほか、10月にも北谷町の美浜メイクマンでロト6の1等1億円が出た。鈴木支店長は「年末ジャンボでも良い流れが続いてほしい」と期待を寄せる。
中城モールチャンスセンターでも、2月に「609万6454分の1」の確率でロト6の1等5億円が出て以降、毎週月・木曜の抽選日にはしばしば行列ができ、従業員は大忙しだ。運営会社デュオの山城千恵子社長によると、億単位の当せんは2019年にロト6の1等4億円が出て以来。当時は週刊誌に2度取り上げられ、話題になったという。
沖縄県民の宝くじ人気は、データに表れている。47都道府県と20政令指定都市から宝くじ業務を受託するみずほ銀行がまとめた、都道府県別の1人当たり年間購入額を見てみよう。バレンタイン、ドリーム、サマー、ハロウィン、年末の年5回販売するジャンボのほか、毎日買えるロトやスクラッチなどを含めると、沖縄は9千円台で推移し、2019~22年度は4年連続で全国トップだった。2022年度は9990円で、1万円に迫る。
今年3月までビーエヌシー那覇支店長を務めた今村隆志さんによると、沖縄県民の購入額はもっと多い印象という。「肌感覚では...