[検証 辺野古軟弱地盤]連載第2部(3)
政府は辺野古新基地建設の総事業費を約9300億円と試算する。総面積は約205ヘクタールで、単純計算では1ヘクタール当たり45億4千万円の費用を要する。那覇空港第2滑走路と比較すると約3・5倍の単価だ。
仮に県が試算する総事業費2兆5500億円を基に1ヘクタール当たりの単価を割り出すと124億4千万円と大幅にアップし、那覇空港第2滑走路の単価の10倍近くにも達する。
防衛省が公表する辺野古新基地建設工事の内訳によると、総事業費9300億円のうち、地盤改良や護岸など埋め立て工事に要する費用は7225億円。総事業費の約8割を占める。
埋め立て工事費用を埋め立て面積(152ヘクタール)で割ると、1ヘクタール当たり47億5千万円とさらに単価は上がる。世界的にも前例のない深度で軟弱地盤を改良する工事が、全体の費用を押し上げていることが分かる。
沖縄タイムスは辺野古と同じように埋め立て工事を伴った県外空港の整備費用を国土交通省などに取材し、辺野古新基地建設と比較した。
国内初の埋め立て・桟橋ハイブリッド構造が採用された羽田D滑走路(約150ヘクタール)は総事業費約6700億円で、1ヘクタール当たりの単価は44億7千万円。そのほか、関西国際空港1期空港島(約510ヘクタール)の...