この年末年始のトップニュースと言えば、元SMAP中居正広(52)とフジテレビ幹部の性加害疑惑をおいて他にない。週刊誌やネットメディアは「中居・フジ」一色となり、読者の関心を大いに集めた。にもかかわらず、テレビや新聞がこの事件に触れようとしないのはなぜか?元国税調査官で作家の大村大次郎氏は、ジャニーズ問題の過ちが再び繰り返されていると指摘。まったく反省がない“オールドメディア”の利権構造を指摘したうえで、「国会で迅速にこの不祥事を取り上げ、フジテレビは早急に取りつぶすべきだ」と提言している。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:なぜ中居氏の性加害問題はテレビで報じられないのか?
中居正広とフジテレビの“女子アナ上納”疑惑めぐる報道の不自然
2024年の年末に芸能界を揺るがすニュースが駆け巡りましたね。元スマップの中居正広氏が、ある女性と“トラブル”になり、9000万円もの示談金を支払ったということです。
週刊文春の報道によると、この女性はテレビ局の社員であり、“トラブル”というのは性加害だったようです。この女性社員はアナウンサーでしたが、事件の影響ですでに退社してしまったというのです。
しかも、文春などによると、この事件は、テレビ局の社員が企画した宴席で起きたもので、当初は複数の社員が参加することになっていたのですが、当日になって突然、ドタキャンとなり、中居氏と被害女性の2人きりでの会合となってしまったということです。
そのため、この宴席を企画した社員が、女性アナウンサーを中居氏に“上納”したのではないか、という疑惑もささやかれているのです。
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ところが、週刊誌やスポーツ紙、ネットでは現在、この話題で持ち切りなのに、不思議なことにテレビや新聞(スポーツ紙以外)では一切報じられていません。新聞・テレビでは、まるでそんな事件はなかったかのような世界線になっているのです。
なぜこのような状況になっているのでしょうか?今回はこの問題を掘り下げたいと思います。
中居のスキャンダルでも箝口令。テレビ・新聞の異常な利権構造
まず、日本のテレビと新聞は、世界から見れば実はかなり遅れており、常識はずれの状態になっています。というのも日本では、大新聞社はいずれもテレビ局との結びつきがありますが、実はこれは世界では珍しいことだからです。
新聞社がテレビ局を保有してしまうと、あまりにメディアが持つ影響力が強くなってしまうので、新聞社がテレビ局を持つのを禁止している国もあるほどです。
しかし、日本にはそういう規制はなく、まるで当たり前のように大手新聞社は全国に系列のテレビ局網を敷いています。
メディアというのは世論を操作することさえできる、国家権力に匹敵するほどの巨大な権力ですが、この巨大な権力が、巨大な利権によって守られているのです。
現在、地上波のテレビ局には、事実上、新規参入ができません。テレビ放送を行うには、総務省の免許が必要ですが、日本で地上波のキー局にこれ以上免許を出すことはほぼありません。つまり、テレビ業界は完全な既得権業界なのです。
日本で大手新聞社がテレビ局を保有しているのは、テレビ草創期に大手新聞社がこぞってテレビ局をつくったからです。まず読売新聞が日本で最初の民放の設立を行い、朝日、日経、毎日などがそれを見て相次いでテレビ事業に参入してきました。
また新聞業界には、「記者クラブ」というものがあります。これは官庁などに、報道機関専用室のようなものが設けられ、メンバーだけが独占的に取材を行えるというものです。この記者クラブは、各官庁、都道府県など800カ所に及びます。記者クラブ入れるのは、既存の新聞社等に限られます。だから、新聞業界には新規参入がなかなかできないのです。
先進国で、メディアにこのような閉鎖的な団体があるのは日本だけです。つまり、日本の大手新聞社やテレビ局は、政府の規制に守られた巨大な利権集団なのです。
そして日本の大手メディアたちは、この利権があるために、なかなか自由な報道ができなくなっているのです。新聞社の子会社であるテレビ局は、当然のようにそれに追随しています。
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