斉藤孝  カメのブログ

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中国辺境山河を歩く(1)四川省のマッターホルン

中国辺境山河を歩く(1)      2024年9月20日

         四川省のマッターホルン

                                                      河瀬 斌

 中国辺境の山河はあまり知られておらず、現在は渡航制限で行くこともできません。幸い私は2004−2019の中国の国内旅行が自由だった時代に、医学講演依頼を受けたついでに自分で旅を企画しました。

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(地図説明) 成都から180キロ、入り口の巴郎山峠は4487mの峠で、下車すると高山症状になることもあります。中心のホテルは日隆鎮(標高3100m)で、そこを起点に3つの谷(双橋溝、長坪溝、海子溝)が伸びています。双橋溝は車が入れ、最もポピュラーで記念碑も沢山あります。湖に「枯木灘、盆景灘」という大正池のような枯れ木が林立しています。長坪溝は双橋溝と似ていますが、車が入れませんので行っていません。海子溝は入り口から四姑娘山の展望台(鍋庄坪3670m)までは車が入れますので晴れたらそこへ行くと良いでしょう。その奥の2つの湖(大海子、花海子)周辺の草地は初夏に花が咲き、写真家に有名ですが、遠く道も悪いので馬を借りないと行けません。歩道入り口に馬子付きの貸し馬がたくさんいます。

 時は20年前、2004年8月、成都の学会の後にツアーに参加し四川省のマッターホルンとされるスークーニャン(四姑娘山6250m)を見にゆきました。

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 成都から小型のバスで二時間乗っているうちに豪雨のため細い山道は土砂が流れ出し通行止めに。雨が止んだ後、道から転落した車を引き上げている現場を見ると、「ここは中国!」と背筋が寒くなりました。途中パンダの放し飼いの里がありました。

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 その後標高4000mを超える巴郎峠を越すと3400mの高原中心地の日隆鎮(賓客用ホテル)に着きました。ここはすでにチベットなので、夕食には真っ黒な「ヤクの肉」とバター茶が出ました。

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 最初の高原(双橋溝)は高山に囲まれた草原や、大正池のように枯れ木の林立した池のある、上高地に似た景色でしたが、チベットの入り口なので少数民族の子供たちがたくさんいました。

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 翌日は乗馬ができると聞いていたので、値段を聞くと1頭わずか1200円で1日乗れる(馬子付き)というので、2頭を借りて、18キロ先の花海子(湖)まで行くことにしました。馬子はドロドロの道を平気で馬を引いて歩いてゆきます。チベット族は小柄でとても足が強いのです。

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 18キロ先の湖(花海子)周囲の草原は、季節が遅いので花が咲いていませんでしたが、7月は綺麗だったでしょうね。しかし往復に10時間も馬に乗ったので、さすがにお尻が痛くなりました。
ぼーっとした天気でしたが、途中雪に覆われた6250mの四川のマッターホルン、スークーニャンの絶頂が見えたので満足でした。

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 帰りの巴郎峠では夏でも雪が降って道路は真っ白になりました。
20年前の中国はワンゲル的自由旅行が安くできたと同時に、少々危ない思いも体験したのです。  終わり