うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則 谷本理恵子 著


わたしはいまはセールス・ライティングはしないのですが、20年前くらいはそういうことをしていて、いまはSEOライティング(検索エンジンに見つけてもらいやすく文章を構成する)をたまにするけれど、そのSEOライティングはいまエモーショナル・ライティングへ向かう傾向になっていて、そんなこんなで読みました。
人の意識というのは必要に応じてかなり変わるようで、わたしは20年前にはこの本に書いてあるようなことを自然にやっていた気がします。読みながら、少しなつかしい気持ちになりました。


女性はすごく現実主義だからこそ、幸福感に満たされた「感情のピーク」だけを見せてイッキにに連れて行って欲しい! というの、すごくよくわかる。はっきり書いてあって、おもしろい!
いっぽうで、いまは女性的な感覚の男性、男性的な感覚の女性も増えているかも…、なんてことも思いながら読みました。

男性たちが知る「この世界のリアルな姿」を、女性たちは同じようには見ていません。本当は美しいドレスを着て、みんなにチヤホヤされているはずなのに、「今の自分はどこかおかしい、何かが間違っている」という違和感を、漠然と持ち続けているのが女性なのです。
 もしシンデレラが男性なら、現実を冷静に分析し、自分の力で這い上がる方法を考えたことでしょう。
(24ページ 男性と女性では「現実」の認識が異なる より)

福山雅治さんという俳優さんが結婚したときに、知人が「勝手に失恋した気分だ」と言っているのを聞いてたいそう頭が混乱したのだけど、なんかそういうのはおもしろいですね。堀北真希さんという女優さんが結婚したときも、世間の反応がおもしろいと思いました。いつかあんなかわいい、従順そうな女性が自分にも…と思っていた男性が多かったというのが、福山さんと対になる現象に見えました。


そんな流れもありつつ、以下は、たしかになるほど! となります。

 子どもの世話に追われつつ、国務に忙殺され、嫁姑問題に悩むシンデレラなんて、誰も見たくないのです。想像力のたくましい女性たちは、「子どもに囲まれた幸せな家族の写真」を目にするだけでも、現実世界の大変さに気づいてしまいます。
 だからこそ、住宅展示場のモデルルームには生活感がありませんし、食器用洗剤の広告ではリアルな台所風景ではないイメージ写真が使われているのです。
(141ページ シンデレラの後日談は見たくない より)

ここは、なんかうなずいたなー。なんだろうねぇ。この感じ。洗剤は、めっちゃ落ちる瞬間だけを化学っぽく見たい。洗うものの量がイメージできるものを見たくない。


以下は、「へ〜」と同時に「なるほど」とも思いました。

 女性たちがついついほかの人にしゃべってしまう動機は、いたってシンプル。「自分にとって、すごく良かった」という感動の経験を、「ぜひ、ほかの人とシェアしたい!」という純粋な目的が主。「ほかの人の役に立とう」という気持ちは希薄な場合がほとんどです。
(81ページ 感動した女性は「ついつい」紹介してしまう より)

わたしはヨガクラスに口コミで人が来てくれると「そこそこ筋肉痛にもなっただろうに、口コミ、してくれたんだ…」などと思っていたのですが、あまり気にしなくてよかったみたい。よく考えたら、そうだよなぁ。なんで来る人の運動不足までわたしが気を回さねばならんのだ! という話であった。


この本は「数字を上げる」という目的でいうと、かなり明確によく書かれていると思います。
とにかくCTRをあげたいとかCVRをあげたいとかいうような、そういうときに効くでしょう。効くよこれ。
「ブランディング」という視点では別の深みが必要になると思うのですが、ウェブの仕事はそれはさておきCTR! CVR! というパチンコ産業的な側面もあるので、まずは数字で結果を。という場面におすすめです。


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