うちこのヨガ日記

ヨガの練習や読書、旅、生活、心のなかのこと。

フィフティ・ピープル[新版] チョン・セラン著/(訳)斎藤真理子

なぜいまこういう生活をしていて、こういう人間関係の中にいるのか。 個人の物語が重なって、読んでいるうちに韓国の社会が多角的に見えてくる本でした。 この本一冊を読み通すことが、新しい業界に転職をしてその商慣習に慣れていく時の感覚とそっくり。人…

鼻うがいのコツのコツ/本格ジャラネティ・マニュアル

うううう。ピークですね。花粉の季節です。 「鯖スティティヒ」と言ってしまいます。 Mの発音の瞬間に窒息しかけて「サマ」って言えない。 「お客鯖は何名鯖ですか?」 さて。今日は鼻の話です。 2月後半から毎年急に検索数が増える「鼻うがい(鼻洗浄)」…

松本民芸館 丸山太郎さんの収集品(長野県松本市)

松本駅からバスに乗って松本民芸館へ行ってきました。 駅前のロータリーではなく、高速バスが出る松本バスセンター(地下にスーパーが入っているビル)の1階から「美ヶ原温泉行バス」に乗っていきました。 乗車時間は15分か20分くらいじゃなかったかな。 市…

本物の「感じ」は捏造できて、さらに完結できてしまうから

先日、インドを旅している夢を見ました。 どこかのアシュラムで練習をしていました。知らない架空の場所です。 その日が満月の日であることを忘れて練習所へ行ったら「今日は満月なので通常のクラスはありません」という趣旨の録音音声が流れていて、流暢な…

恋の苦しみは、関係性の強化を企図するエネルギーの存在との闘い

もうすぐ春ぁーるですねぇ。恋をしてみませんか。 先日、27歳のお嬢さんの恋の悩みを耳にしました。 主体性のない男性に気持ちを振り回されることに苦しんでおられるようでした。 ああ、これはお姫様願望の問題だなと思いながら聞いていました。 男女が平等…

草間彌生のミクストメディア作品 魂のおきどころ(松本市美術館)

長野県の松本市美術館へロートレック展を観に行ったら、同時に松本出身の草間彌生さんの作品をゆっくりじっくり楽しむことができました。 昔はこういうのをインスタレーションと言ったと思うのだけど、物体自体を指して言うときはミクストメディア(mixed me…

エルゴノミクス枕を買いました。眠りの環境メンテナンス

2月に新しい枕を買いました。 1ヶ月くらい高さ・硬さ・形で迷っていて、最終的に新宿のイケアで「エルゴノミクス枕」というのを買いました。 KLUBBSPORRE クルッブスポッレ エルゴノミクス枕 その前に無印良品と家電量販店のいくつかのお店で見ていて、指…

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ/魚豊 著 全4巻

恋は共同幻想。陰謀論も共同幻想。 それを共同で作り上げて維持していく意思が両方になければ続かない。 共同幻想を維持する意思に善も悪もない。それを見事に漫画にするなんて。読んでびっくりでした。この漫画を読んだあとに、本を何冊もあっさり捨てる決…

ティファニーで朝食を/花盛りの家/ダイアモンドのギター/クリスマスの思い出 トルーマン・カポーティ著 村上春樹(翻訳)

『ティファニーで朝食を』と、ほかに3つの短編小説が収められた本を読みました。 印象に残る話ばかりで、登場人物たちの美学や優先順位のあり方に魅力を感じました。 『ティファニーで朝食を』は人間関係の距離について教えてくれる教科書のようだし、『ク…

ロートレック展 時をつかむ線(松本市美術館)

長野県松本市へ出かけてきました。 東京での美術展はどこも混んでいてゆっくり観られないので、近頃は台風の日に直前で休みが取れれば悪天候のなか出かけるなどして、工夫をしています。 そんなこんなで、松本へ出かけるのであれば、ぜひロートレック展の会…

自分がその景色にハマれる場所へ行く

先日のヨガクラスで、このブログで紹介した民芸旅館へのリアクションをいただきました。 ああいう旅っていいですねと言われたので、ここ数年で変わったわたしの感覚を少し話しました。自分がその景色に物質的にハマりやすい場所を選ぶようになっています、と…

金の紙のような福寿草と、神々しい場所(塩尻市・山ノ神自然園)

先日、新潟に住む人と待ち合わせて長野で過ごしてきました。 塩尻市にある山ノ神自然園へ行って帰ってくる長い長いウォーキングをしました。 行きはJRみどり湖駅で下りて、Googleマップを見ながら歩いて行きました。 まるで高峰秀子さんの映画『カルメン故郷…

念願の「民芸旅館まるも」に泊まってきました(長野県松本市)

長野県松本市へ出かけてきました。 新潟に住む家族と合流して「民芸旅館まるも」に泊まり、なつかし気分を楽しんできました。 民芸旅館まるもの外観 川沿いの一角裏手にある旅館です。手前は「珈琲まるも」で、その裏に「旅館まるも」があります。 旅館側の…

舟の沈みかたあれこれ(ナヴァ・アーサナ/舟のポーズのこと)

きょうはヨガを始めた頃に「これって腹筋のトレーニングと一緒じゃん」と思われるであろう、舟のポーズについて書きます。 英語だと boat pose 。大海を渡る船ではなく、ボートになって湖や川にプカプカ浮くイメージでやります。 今日の解説は「沈みかた」の…

小さな声の向こうに 塩谷舞 著

こういう指摘を待っていました。すばらしい視点。 谷崎潤一郎へのツッコミも柳宗悦へのツッコミもまさにそれ!!! と、おもしろく読みました。 文豪だろうが権威だろうがツッコミどころはツッコミどころだよというポイントをスルーせず、礼賛するところはしっ…

東京でよく行く本屋・おすすめの店、旅先の思い出の本屋

今週のお題「本屋さん」 はてなでブログを書いていると、たまに「お題」が日常にマッチすることがあります。今週のお題「本屋さん」は、まさにドンピシャ。 いろんな駅でブックオフへ行く、ベスト3 仕事帰りに寄る日本橋丸善とコレド室町タロー書店 休日に…

セルフィの死 本谷有希子 著

先日、昔の映画をたくさん観ている友人と話しながら「三船敏郎の “無骨さ” が、(高倉)健さんに “不器用” という形で引き継がれていったあとって、そのポジションの人いなくない? 誰か思いつく?」と訊かれて、しばらく考えたけど思いつきませんでした。 …

大学教授こそこそ日記 多井学 著

最近、年配の人の語り口に興味があります。 若い頃の話をするのではなく、若くなくなる過程と葛藤を話してくれる年長者は本当にありがたい存在。 年配になった時にこうなれるのかという一般人の実例として「派遣添乗員ヘトヘト日記」に感動しました。苦労を…

martyr complex(殉教者コンプレックス)と忍耐

先日、はじめて知った言葉を調べていたら意外な発見がありました。 「献身」について、新たな角度から光をあてることができました。 「martyr complex」という言葉を知っていますか? 日本語で「殉教者コンプレックス」と訳されます。 こういうときにこそ便…

派遣添乗員ヘトヘト日記 梅村達 著

少し前に昔からの友人が50代からキャリアチェンジをし、その話がとてもためになっています。制作の仕事から接客業への転身で、不特定多数の人を偶発的に知っていく経験とそこで起こる話が、本人から直接聞くと沁みることばかりで。 この本はその友人と一緒に…

朝の前屈、昼の前屈、夜の前屈

前屈の話です。 サンスクリットでは、パスチモッターナアーサナ*1と言います。 座って足を伸ばした前屈です。 ヨガの場合はストレッチよりも神経に働きかけるので、脳と生活に根付いたものとしてやります。 朝、昼、夜。それぞれのモード 上から朝、昼、夜で…

サンキャッチャーで光を楽しむ

サンキャッチャーを買いました。 窓辺にぶら下げています。 日が当たる時間になると部屋の中に虹の玉が広がります。 ピークの時間帯に手で回すと、ジュリアナ東京のようになります。 ジュリアナ東京へは行ったことがありません。 左下のは、襖の取っ手です。…

ここから世界が始まる トルーマン・カポーティ初期短篇集/小川高義 (翻訳)

先日、本をたくさん読んできた友人に「カポーティって読んだことある?」と訊いたら、「あの感じにハマって10代の終わり頃に夢中で読んだ。『夜の樹』というのがよかったのを覚えてる」と、元文学少女の返答がスラスラ返ってきて驚きました。 人の縁とは不思…

愛と忘却の日々 燃え殻 著

そーーーなのーーー。 打ち合わせがうまくいかなかった時って、なんともいえぬ疲れがあるのよね。 この感じについて「社会人として自信をなくす」とさらっと書かれている文章がありました。 一般的な仕事でもこういうことが週に2回か3回はあるのだから、ノ…

はじめての胃もたれ 食とココロの更新記 白央篤司 著

家庭でも仕事でも食事や料理について日々あれこれ思い・実践するフードライターさんによる本。ヨガの練習でお会いする方が「気楽に読めていいですよ~」と貸してくれました。 年齢とともに迎える食後の感覚について、それ! と思うことが書かれていておもし…

むかし自分で決めてきたこと

先日、友人と食事をした際にこんな話をしました。 学校やバイトで知り合った人たちとの集いで、「むかーし、こういうことってなかった?」と。 異性の友だちに流れで誘われた場に同行して、「これはちょっと立ち回りがむずかしい感じだな」と思ったときにど…

長いお別れ 中島京子 著

少し前に『恍惚の人』を読んだのをきっかけに、この本を読みました。 同じテーマの現代版で、認知症の夫・親の介護の話です。 GPSのある時代になって医療もケア体制も進化して、『恍惚の人』が発表された昭和の時代に比べたら解決されていることがたくさんあ…

がっせきのポーズで、合わせた足の裏をもう一度開く

先月、足の裏を合わせる「がっせきのポーズ(バッタ・コナ・アーサナ)」について書きました。 今日は、わたしがこのポーズのガイドで好きなフレーズと、「こんなやり方もあるの?」というパターンの紹介です。 ヨガにもいろんなスタイルがあって、同じポー…

空気感の不思議

言語も違うし年代も違う。 なのに似ていると感じる。 ここ数日間、この不思議な体験を味わっていました。 カポーティの初期短篇集を読んでいました。 先日映画を観た『ティファニーで朝食を』の原作者が若い頃に書いた作品を集めたものです。 読んでいると頭…

アンビカショップでリピート買いするものと、瀬戸口しおりさんのレシピ

ここ半年くらいで、1ヶ月に一回くらいの頻度で蔵前駅周辺へ出かけています。 そして2ヶ月に一回くらいの頻度でアンビカショップに入ります。 そこではいつも「チャンダンのお香」と「レトルトのダル」を買います。 チャンダンのお香(スティック)は、たぶ…