2012-01-01から1年間の記事一覧

ダイエットについて――「形式的な」自己管理

(1)ストレスで体重が何十キロも増えた (2)身体医学的に必要なのに痩せられない (3)いつの間にかアルコール依存に移行 (4)体重コントロールが自殺念慮と直結 ――こういうことに思い当たるなら、 私が成功している 《形式的禁止》 という取り組み方を、…

人間という場所に何が生じているか、それをどうするか

古谷利裕氏 http://bit.ly/W7J6KI より 量子コンピュータ授業 #8 量子コンピュータの歴史古谷氏はこの動画を何度も観たそうだが(参照)、たしかに本当に面白い。 あらためて、 「この現象世界において、人間というのは何なんだろう」 「単なる物理現象と比…

「診断されたがり病」と、診断マニュアル依存症

マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷《自己愛性パーソナリティ障害》 人格障害という診断カテゴリは、すでに「でたらめ」と宣告されています。 以下、「DSM-5 ドラフトについて」より: 正常人格機能と人格障碍との間には質的な区別がありそうにみえない。…

被差別男性に、セクシュアリティを論じる権利はあるか

クリスマス・イヴにふさわしい話題を。 @ueyamakzk / 《被差別民の男に、セクシュアリティを論じる権利はない》とい... ここからの問題提起です。 現状では、 セクハラの訴えがあったら、男性側には反論の権限がない のが通例のようです。 被差別男性の与え…

和語では、動詞が名詞化されにくい

名詞で考えるのではなく、動詞中心の試行錯誤に変えてゆくべきだ ――という提案(参照)に関連して、あれこれ資料を探しています。*1 翻訳語成立事情 (岩波新書 黄版 189)作者: 柳父章出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1982/04/20メディア: 新書購入: 16人 …

カント「Realität」誤訳問題をめぐって

ハイデガー拾い読み (新潮文庫)作者: 木田元出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08/27メディア: 文庫 クリック: 25回この商品を含むブログ (8件) を見る 以下、鮮烈な印象を受けた Realität 誤訳問題と、 その周辺をめぐる木田元氏の説明(に対する私の理…

事案から透けて見える、制度の意思

行ってよかった。 佐藤秀明氏*1の講演: 「84人が犠牲になった大川小学校に学ぶ」(PDF直リンク注意) cf.大川小の事案について: http://bit.ly/SJuNPk 学校・行政の責任者と、子どもたちのご遺族が一堂に集まり、 学校側が平然と嘘をついている会議の映像…

動詞であることの生産様式

暇と退屈の倫理学作者: 國分功一郎出版社/メーカー: 朝日出版社発売日: 2011/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 13人 クリック: 146回この商品を含むブログ (128件) を見る 読んで良かったです。 自分も近いところで考えているけれど、照準の作り…

技法そのものを環境に実装できるか

問われているのは、私たちの 集団的な 《技法》 です。 そして、 主観性や関係でつまずく以上、「病人だけ考えればよい」というわけには、いきません。 たとえば「臨床」といっても、文字通り「床に臨む」ではなくて、職場や学校、家庭等の《日常》そのもの…

「やりかた」の試行錯誤と、分析のプログラム

あらためて、ツイッターでの議論をこちらに掲載します。 直前の大まかな流れは、 「上山・酒井問答3に対するつぶやき」(togetter) をご覧ください。 @ueyamakzk @ashibumi68 まとめ更新しました。URLこの「名詞的/動詞的」という分類は、名詞的なのでし…

自分のやっていることへの距離

「べてるの家」の向谷地生良(むかいやち・いくよし)氏の講演会に参加。 「当事者」という言葉のまわりを参与観察に行った形でもあります。複数の気づきがありました。 「自分自身で、ともに−当事者研究から見える“病むこと”の深層」(大阪大学、最先端とき…

軽率な診断発言について

ツイッター上での議論ですが、お返事があまりに長くなったことと、 広く知っていただきたい論点を含むことから、こちらに掲載します。 よろしくお願いします。 一部のフェミニズムがことさら男女の性差を無きものとしようとするのは、アスペルガーの症状であ…

分析的な 《つながり方》 を設計するために

以下の酒井泰斗氏のご指摘は、さまざまな関係者にも読んでいただきたく、まとめてみました。 直接には私へのレスポンスですが、「これにどうお答えするか」というのは、 技法のもんだいとして、時間をかけて議論したいです。 ●「分析にあたっては、継続的な…

「主体化できない」という、欲望臨床の問題

『アンチ・オイディプス(上)資本主義と分裂症 (河出文庫)』については、 「精神分析のブルジョア性を批判する」みたいな論評もあるけど、 むしろそういう趣旨も含めて、欲望臨床それ自体の提案であり、 タグを付けるなら 「やってみた」 だと思う。*1 つまり…

思考が、身体的な動機づけをもつこと

本エントリは、twitter 上でのやり取りについて、あまりに長くなったお返事をまとめたものです。 直前の大まかな文脈についてはこちらを、さらに詳細なリンク先等はこちらを、ご覧ください。*1 《「理論」という言葉は、どういう意味で使われているか?》(t…

この本には、異常な地方が描かれているのではない。

むしろ、私たちの日常が曝露されている。あのとき、大川小学校で何が起きたのか作者: 池上正樹,加藤順子出版社/メーカー: 青志社発売日: 2012/10/24メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 18人 クリック: 2,098回この商品を含むブログ (8件) を見る 行きな…

批評機能の膠着物(Gallerte)としての《価値》

永瀬恭一氏 「30年前を素材にする・日本の70年代 展」 より: 埼玉県立近代美術館で「日本の70年代」展が行われている。〔・・・〕 80年代に繋がる非政治的なものも、むしろその非政治性にこそ「カウンター」の意識が込められている この展覧会が示そうとし…

(5) 【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化

連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化」(今回…

(4) 差別と批判の見分け方

連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」(今回) 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化…

(3) 生の様式そのものとしての不定詞 infinitif

連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」(今回) 第4回 「差別と批判の見分け方」 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化…

(2) 《不定詞の束としての人格》という考え方

連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」(今回) 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化…

(1) 《つながりの作法》 としての差別

連続エントリ: 第1回 「《つながりの作法》 としての差別」(今回) 第2回 「《不定詞の束としての人格》という考え方」 第3回 「生の様式そのものとしての不定詞 infinitif」 第4回 「差別と批判の見分け方」 第5回 「【追記】 民族浄化ならぬ、当事者浄化…

努力の媒体について (メモと簡単なご報告)

以前に 当ブログ や twitter でご紹介した(参照)、 山森裕毅氏の重要な論考 「フェリックス・ガタリにおける記号論の構築」 について、山森さんがコメントを下さっています。→ http://bit.ly/RQtom1 先日、熊谷晋一郎さんに呼びかけたことで、「つながりの…

精神障碍者家族会の全国大会で、「ひきこもり」分科会

公益社団法人「全国 精神保健福祉会 連合会」 の第5回大会 「みんなねっと茨城大会」(PDF直リンク注意) 私は関係者ではないので事情はよく存じませんが、第4分科会が「ひきこもり問題」に充てられています。 以下、そこから引用しておきます。 「ひきこも…

「最低限の、必要なこと」

INTERVIEW 《「正常」とは何ですか?:伝説の精神病院「ラ・ボルド」で写真家・田村尚子が写した問いかけ》(WIRED.jp) 何かの琴線にふれたみたいで、twitter でもたくさん言及されています。 田村氏が撮影したラボルドは、ニコラ・フィリベール監督の 『La…

物語 『La petite Borde』

エマニュエル・グァタリ氏*1が、ラボルドで過ごした子供時代を、ファンタジーっぽい体裁で出版されています。 Emmanuelle Guattari, 『La petite Borde』 【紹介1】 【紹介2】 【冒頭三話の原文】 著者: http://bit.ly/QimWnE 【朗読会のようす】 自著プレ…

「アナコーレーシス anakhôrêsis」=「ひきこもり」?

ミシェル・フーコー講義集成〈11〉主体の解釈学 (コレージュ・ド・フランス講義1981-82)作者: ミシェル・フーコー,廣瀬浩司,原和之,Michel Foucault出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2004/01/20メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ (17件)…

グァタリと鑑別診断

先日、独り言みたいにして、こんなことを幾つかつぶやいていました。 出来合いの解釈や診断を当てはめるだけの精神分析は、やはり「思考や状況の固着」に加担してしまう。▼固着した概念や作業にも意味があるとして、その位置づけそのものを考え直さなければ…

治療と現実

《「イタリアにおける精神病院廃絶の論理」 松嶋健、それから七夕交流会》(半睡半醒日誌) 「治療共同体」で治療すことは、それが成功するというよりも、これまでの治療は「所与」の現実ではなく、違う治療を試みることで、現実は変えられる、現実は変わっていく…

イベント:「自然学 〜来るべき美学のために」(成安造形大学&滋賀県立近代美術館 連携推進事業)

私は企画には関係ありません。ツイッターで拝見した情報です。*1 トーク 進行|岡田修二 日時|9月23日[日] 第1部|出品作家・ゲストによるギャラリーツアー|木藤純子、 Softpad、 馬場晋作、 真下武久 会場| 滋賀県立近代美術館内、企画展示室内(定員…