Aquila X2の組み立て方(2)
- 2022/12/11
- 22:15
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3Dプリンター “Voxelab Aquila V2” を組み立てたお話の後編です。今回は、電源を入れたあとの調整をやっていきます。
裏面にあるツマミが “115V側” であることを確認したら、いよいよ電源オンです。
ただし、3Dプリンターのプラグはアース付きの3極プラグのため、日本の一般的なコンセントには差さりません。
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ちなみに、私はこのような技を使っています。(あまり良くないのですが)
電源を入れると、いくつかのファンが回りだしてうるさくなります。基本的には、作業中はずっとこの音が鳴り続けます。
ここからは、液晶ディスプレイの操作に入ります。(画像では横向きですが、実際は縦向きです)
Aquila V2は、中国語と英語しかサポートされていません。とりあえず、英語で進めます。(切り替えは “Setting”(設定) からできます)
ディスプレイの下にあるノブを回すと、カーソルが移動します。これ、タッチパネルではありません。
いちど、ホットエンド (材料を出力する部分) を原点 (Home) に移動させます。
“Control”(コントロール) ページの “Auto home”(原点復帰) にカーソルを合わせて、ノブをクリックすると、ホットエンドが左下に移動してくるはずです。
次に、“レベリング” という面倒だけど重要な調整をします。
レベリングは、ノズルとヒートベッド (下の台) の間隔を一定にするための調整です。ここの間隔が狭すぎると材料の供給が悪くなり、逆に広すぎると材料がヒートベッドや下の層に密着しなくなります。
先ほど、原点に移動した際、ホットエンドとヒートベッドの位置は固定されていますので、自由に動かせるようにします。
“Control” から、“Disable stepper”(ステッピングの解除) を選ぶと、ホットエンドとヒートベッドの固定が解かれて動かせるようになります。
ここで、出力中の条件に近づけるため、ノズルとヒートベッドを温めておきます。
“Control” から “Preheat PLA”(PLA材料用の予熱) を選択します。
ノズルとヒートベッドのそれぞれの現在温度および目標温度は、ディスプレイのいちばん上に表示されているはずです。(目標温度の初期設定はノズルが200℃、ヒートベッドが60℃)
予熱が終わったら、レベリングです。
レベリングの方法は意外とアナログで、ノズルとヒートベッドの間に紙 (普通のコピー用紙でOK) を挟んでおこないます。
ヒートベッドの下にあるネジで高さを微調整します。上から見て、時計回りでヒートベッドが上昇、反時計回りで下降です。
挟まった紙を動かすと、ノズルにガリガリってなるくらいがちょうどいいとされます。
とりあえず、四隅とセンターで紙の引っかかる感触が同じになるまで調整してください。(ぐるぐると何周かすると良いらしいです)
最後は、材料を送り出します。赤い材料 (フィラメント) が真空パックに入って付属しているはずです。
材料の先端を斜めにカットしておくとスムーズになります。
手前から見て左側から、材料をフィラメントセンサー (材料切れセンサー)、エクストルーダー (押し出し機) と通します。
エクストルーダーの横にある洗濯バサミみたいなのをつまむと通しやすくなります。
エクストルーダーの穴に材料が入ったら、ディスプレイで材料の送り出しを実行します。
“control”、“Automatic Load”(自動送り出し) と選びます。
ノズルの温度が上がるまで待機状態となり、一定温度になると自動で材料が送り出されます。(ここで目を離さないように注意!)
ノズルの先から材料が出てきたらオッケーです。
“control”、“Automatic Unload”(自動抜き取り) を選択すると、送り出しが終了します。この操作をするまでは、材料が出続けて無駄になります。
ここまでの設定が終わったら、実際に作品の出力です。が、先に、ノズルとヒートベッドの温度の下げ方の説明です。(このまま出力に進む場合は不用です)
“control” ページでノブを回すと、下のほうに隠しコマンド(?)が現れます。“Cool down”(冷却) を選ぶと、ノズルとヒートベッドが冷めていきます。
では、作品の出力です。
付属のマイクロSDカードを本体に差します。
横にあるマイクロUSBは、ファームウェア (本体の内蔵ソフト) 書き換え用で、作品ファイルは入れられないようです。
トップページの “Print”(プリント) を選ぶと、カード内のファイルが読み出されます。
いくつかのファイルがあらかじめ入っています。とりあえず私は、“Aquila Test model” にしました。
作りたい作品名を選ぶと、出力が開始されます。(ノズルの温度が低いと、ここから待機時間になります)
出力中です。
ここで、作品の出力の失敗に気づいたのであれば、“Stop”(停止) を選択して出力を終了します。主な失敗には、ヒートベッドからの剥がれや、材料が出てこないなどがあります。
出力中のディスプレイには、経過時間 (Printing Time) と残り時間 (Remain Time) が表示されています。この残り時間は目安みたいなもので、大幅にずれることがあります。
出力が完了すると、ホットエンドは原点に移動し、作品だけが残されます。
この状態では、ヒートベッドにガッチリくっついていますが、冷めると剥がれやすくなります。
付属のスクレーパーで剥がし取ってもいいのですが、ヒートベッドへのキズやスクレーパーでの怪我を避けるため、冷めるのを待ったほうがいいです。
できた作品がコレです。アーチなんかもできるのですね。
とりあえず、組み立てと設定のお話はおしまいです。乙。
次回は、ダウンロードした作品を出力する方法です。
また、ダウンロードしたファイルを3Dプリンター用に変換する “スライサーソフト” の説明もします。
閲覧ありがとうございました。
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