消費電力を測るやつを作りました(2)
- 2023/08/21
- 22:31
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前回の記事で理屈を述べた電圧電流計を実際に作ります。
コードの選び方
電圧電流計の回路には、コードが必要です。コード選びには、2つの注意点があります。
- 許容電流 (コードの太さ)
- 機械的強度 (コードの種類)
1つめの注意点はコードの許容電流です。これは、コードの心線の太さが重要です。
細いのを使うと、消費電力の大きい家電には使えないものができあがります。無理に使うと燃えるので注意してください。
一般的にコードには、0.75mm2,1.25mm2,2mm2の3種類の太さがあります。いちばん太い2mm2がオススメです。
2つめの注意点はコードの種類です。
コードの種類は大きく分けて、平形コードとキャブタイヤコードがあります。キャブタイヤコードには、絶縁被覆の外側に外装 (いわゆる二重被覆) があるため、より強度があり安全です。
一般的なキャブタイヤコードは、以下の2種類です。
- VCTF (ビニルキャブタイヤコード円形)
- VCTFK (ビニルキャブタイヤコード長円形)
少しマイナーですが、写真にあるキャブタイヤケーブルを選んでもいいです。
太さと種類を考慮し、私がオススメのコードは次の2つです。
- VCTFの2mm2
- VCTFKの2mm2
ホームセンターの店員さんに聞けば出してきてくれます。
コンセントに挿すプラグと、家電のプラグを挿すコードコネクタボディーを選びます。これは、コードの種類によるので、説明を割愛します。
コードの選び方のまとめ。
- 許容電流が大きい2mm2の太さ
- 強度がある二重被覆のキャブタイヤコード
- 対応するプラグとコードコネクタボディーを選ぶ
コードの加工
2mm2とかキャブタイヤコードとかをオススメしておきながら、私が使ったのは既製品のテーブルタップです。
コレ、なぜかコードにカビが生えていました。そのカビを漂白剤で落とし、洗ってあります。
水洗いしたものをそのまま使うのはちょっと怖いので、ひと思いにコードをカットしました。
VFF (ビニル平形コード) に外装をかぶせてあるんですね。
コードの太さは、直径0.18mmの素線 (1本1本の細い銅線) が71本だったので、約1.8mm2です。ビミョーにケチってる?
オフグリッド・ソーラー発電でおなじみの圧着端子と絶縁キャップ。100Vで使っても問題ないようです。
回路図です。電圧計は回路に並列に、変流器を直列につなぎます。
回路図のとおりに配線しました。
回路が間違っていないこと、変流器が計器本体にしっかりと接続されていることを確認して、プラグをコンセントに。
負荷 (家電) をつないでいないので、もちろん電流はゼロです。
実際の測定と、ちょっと改良
定格消費電力が650Wの電気ポット (電ポ) の電圧と電流を測ってみます。
98Vで、6.6Aなので、計算上は646.8Wですが、650Wとなります。
電流の測定が0.1A単位のため、電力も10W単位でしか測れません。
悪くはないのですが、ちょっと粗いですね。
で、変流器の原理を悪用すればなんとかなることに気づきました。コイルの巻き数の比を変えるのです。
一次側 (コードの心線) の巻き数を3回にしました。これで、3.3W単位での測定ができるはずです。
巻き数が3倍ということは、磁力も3倍ですから、表示される値も3倍になります。これはもう間違いなく不安倍増です。
表示された値は19.6なので、実際の値はその3分の1の6.53Aとなり、640Wと求まります。
今度は5回巻きまきまき。これで、2W単位での測定ができるはずです。
結果は、表示値が32.6、実際値が6.52A、638Wとなりました。
ちょっとズレてる?
今回の内容は、コンセントから先の工作であり、しかも、売りつけるわけではないので、資格などは必要ありません。が、100ボルトの回路をいじりますから、感電や火災の危険が伴います。参考にする場合は、せいぜい注意してください。
閲覧ありがとうございました。
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