アーリーリタイアと確定拠出年金 (2) 運用編
- 2024/11/28
- 20:47
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前回は、確定拠出年金の制度の概要と、拠出のお話でした。
中編となる今回は、確定拠出年金のキモである運用についてのお話です。
確定拠出年金は、拠出 (積み立て) した掛け金を自分で運用します。その成績によって、拠出した額よりも、将来の給付金が多くなったり、少なくなったりします。
主な商品には、次のようなものがあります。
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元本確保型
- 定期預金
- 保険 元本変動型
- 投資信託
- 株式 (国内・海外)
- 債権 (国内・海外)
- REIT (国内・海外)
この中から、自分が好きなものを選び、好きな配分で組み合わせます。
用語の説明です。
元本確保型と元本変動型
確定拠出年金で選べる商品には、元本確保型と元本変動型の商品があります。元本確保型は、満期まで保有すると、元本に利息を加えた額を受け取れます。ただし、途中で解約 (売却) した場合、元本割れする商品もあります。
投資信託
投資信託は、多数の投資家から預かった資金で、運用会社が株式や債権・不動産などに投資する商品です。
信託報酬
信託報酬は、投資信託の手数料のことです。保有する残高から、毎日、一定の割合 (%) の額が引かれます。確定拠出年金は、60歳まで保有が続きますから、信託報酬の影響は大きくなります。一般的に、バランス型やアクティブ型よりもパッシブ型で、信託報酬が小さい傾向があります。
インデックス型ファンド・アクティブ型ファンド・バランス型ファンド
インデックス型ファンドは、インデックス (日経平均やダウ平均株価など) に連動して運用されます。信託報酬は、小さい傾向にあります。
アクティブ型ファンドは、大きなリターンを得るため、積極的に運用されす。信託報酬は、インデックス型よりも大きい傾向があります。
バランス型ファンドは、運用会社によってリバランスがおこなわれます。リバランスとは、銘柄の保有の割合を調整することです。信託報酬は、インデックス型よりも大きい傾向があります。
REIT
REIT (リート;Real estate investment trust) は、不動産を対象にした投資信託です。不動産投資信託とも呼ばれます。
選べる商品は、金融機関によって異なりますが、企業型DCよりも、iDeCoのほうが充実していることが多いようです。
確定拠出年金は、運用時にも税金の優遇があります。
通常、運用の利益にかかる源泉分離課税20.315% (所得税15%+復興特別所得税0.315%,地方税5%) が、確定拠出年金では非課税となります。
つまり、定期預金の満期で利息を受け取ったり、値上がりした商品を売却しても、税金は取られません。
また、残高に毎年かかる税金として特別法人税1.173% (1%,法人住民税0.173%) がありますが、現在は課税が凍結されています。
アーリーリタイア後でも、源泉分離課税の非課税はメリットがあります。
商品の変更は、新たに拠出する掛け金だけでなく、すでに保有している資産 (残高) に対しても可能です。
保有する商品を売って別の商品を買うことを “スイッチング”、掛け金の配分を変えることを “配分変更” といいます。スイッチングと配分変更は、好きなタイミングでできます。
掛け金を拠出している人を “加入者”、掛け金を拠出せず、保有している資産の運用のみする人を “運用指図者” と呼びます。
例えば、国民年金の免除 (減免) を受けると、確定拠出年金への加入資格がなくなるため、運用指図者になります。この場合でも、毎月の手数料は取られます。
(国民年金の免除を返上するなど、条件を満たした) 運用指図者が再び加入者になる場合は、申請書を提出すれば可能ですが、再び口座開設の手数料が必要です。
確定拠出年金の資産は、他の会社の企業型DC間やiDeCoとの間で持ち運びができます。この制度を “ポータビリティ” といいます。
例えば、リタイアまでの間に、転職や再就職で勤務先が変わる場合、新しい勤務先に企業型DCがあれば、保有している資産を移す (移換する) ことができます。
ここから、大事な話です。
企業型DCのある会社を退職 (アーリーリタイア) したら、必ずiDeCoに移換しましょう。
iDeCoに移換できる期限は6ヶ月間です。
この6ヶ月を過ぎてしまうと、国民年金基金連合会に自動移換され、もうどうすることもできません。詰みです。
具体的には、資産が現金に戻され、運用はできず、いろいろ手数料を引かれ放題となります。
また、加入している期間にカウントされませんので、給付の年齢が遅くなったり、控除が小さくなったりします。(次回、給付のお話で説明します)
iDeCoを利用する・しないにかかわらず、企業型DCの資産は、忘れずiDeCoに移換してください。
iDeCoへの拠出をしない場合は、運用指図者になるとよいです。(手数料はかかりますが、自動移換よりはマシです)
iDeCoの口座の開設には2ヶ月ほどかかるそうなので、退職の前に開設しておくとスムーズでしょう。
この記事が、皆さんのアーリーリタイアの一助になればうれしいです。
閲覧ありがとうございました。
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