2016/05/03
初夏の秩父路を訪ねて金昌寺からツツジ咲く蓑山へ
まったく予定のない日が出来たので初夏の香りがする秩父路を訪ねてみた。GW中の秩父は芝桜で大渋滞となる。そこで、電車バスを乗り継いで、札所4番の金昌寺から歩くことにした。今日のこのコースは車道歩きが半分、関東ふれあいの道が半分となってしまう。金昌寺境内の石仏は四季折々の花に囲まれ、静かな雰囲気を楽しむことができる。幾つかある札所の中でもお気に入りの場所だ。ここから二十三夜寺までは車が行き交う道路を坦々と歩くが、途中では札所1番の四萬部寺にも立ち寄ることができる。蓑山では関東ふれあいの道から親鼻駅へ下り、そこから帰宅することにした。
秩父駅から三沢経由皆野駅行きのバスに乗車するが、問題は羊山公園への入口を通過するタイミングだ。
時間が遅くなってしまうと渋滞にはまってしまい、その先が読めない。
そこで、朝一番のバスに乗車した。
秩父鉄道ではパスモ・スイカが使えないものの、西武バスではそれが使えるので便利でいい。
そして、目的のバス停を下車した際に辺りを見回していると、バスの運転手さんが金昌寺入口はあっちだと指差してくれる。
まだ早いのか、金昌寺では朝の清掃をしていた。
挨拶をすれば、ご苦労様ですと迎えられ、まずは静かな境内を撮り始める。
桜が咲き終わり、今はツツジとシャガが咲いていた。
ここは秋になるとモミジが紅葉して季節の移ろいを感じられる。
金昌寺には大きなワラ草履が仁王門を飾り、境内へ入ればたくさんの石仏に出合える。
中でもユニークなのが、酒飲み地蔵だという。
右手に徳利、頭の上に左手でかざしているのは杯らしい。
おまけに酒樽の上に座っているので、なるほどと思える。
ここで有名なのがやはり子育て観音だろう。
母親が子供にやさしく乳を与えている姿は、元気に大きく育ってほしいと願っているようにも見える。
いつものザックにいつもの帽子、それにカメラをぶら下げている姿が巡礼者に見えるのだろう。
地元の方達はとても温かく出迎えてくれる。
見ず知らずの私に、おはようございます、こんにちは、ご苦労様です、と言葉を掛けてくれるのだ。
そして、白装束を着た外人さんと行き交うが、ともに軽く会釈を交わしながら四萬部寺へ向かう。
一番札所の四萬部寺を過ぎて峠を越えると曽根坂一里塚の阿弥陀塔を左に見ることができる。
ここは巡礼者への道しるべでもあったらしい。
金昌寺から二十三夜寺まで来て、やっと静かに休憩する。
二十三夜寺は「三沢の三夜様」と呼ばれ、古くから親しまれていたようだ。
そこで、一息ついて山道へ入った。
大霧山を下った粥新田峠から続くこの道は、川越みちでもあり関東ふれあいの道となっているのだが
歩く人が少ない為か、やや所々で荒れている。
蓑山の山頂が近づけばしだいに山ツツジが咲き出し、新緑の中に紅い花を見つける。
おまけに打ち上げ花火の音も聞こえていた。
山頂広場にはハイカーもたくさんいるが、お祭りの関係者で溢れていた。
何でも、今日は「八十八夜祭」だという。
ここでは神楽やお囃子でお祭り気分になってしまった。
時間的にもお昼ご飯であり、芝生に腰を下ろして、しばし見物をさせてもらう。
広場は大勢の観客が取り囲み、お祭り気分に浸っている。
おにぎりを食べ、早々に下り始めた。
それでも、1時間程度は休憩する。
蓑山は桜、ツツジ、紫陽花が咲く頃に多くの方が訪れる。
広い駐車場もあるので、公園となっているらしい。
その山頂から親鼻駅方向へわずかに下った場所にツツジ園がある。
自然林の中に多くの山ツツジが咲いていた。
朝のうちは曇りがちだったが、日中は気温も上がり
半袖でになると爽やかな風がとても心地いい。
下山途中でこれから山頂へ向かうという方達二組とすれ違った。
地元の方だと思うが、とても軽装で、公園散歩っと言った感じだ。
もっとも、この山は山頂まで約1時間半程度なので、食後の散歩かもしれない。
今日は時間にとらわれることなく、より一層キョロキョロしながら歩いてみた。
親鼻駅に着いて5分後に上り電車が入ってきた。
忙しく手と顔を洗い乗車してみれば、満員でGWの感じがする。
そして、寄居駅で乗り換えるが、次の発車まで30分ほど待たされた。
これが好都合で、パンを食べて、煎餅を食べて、コーヒーを飲んで、くつろぎながら初夏の秩父路を満足する。
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