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2013.09.17
聞けば身も蓋もない1冊を30分で読む方法と習慣
先の記事、
文庫でここまで読める、フランス現代思想の90冊 読書猿Classic: between / beyond readers
のはてブコメントに「1冊1分で読む方法を」というのがあったので、少なくない人にとってはほぼ常識に属する話だろうけれど、当たり前の話ほど〈外の人〉には分かりにくいという話もあるから、どんな本でも決めた時間で(30分間なら30分間で)読む方法について少し書く。
どんな本でも30分間で読める理由は、ほとんどトートロジーに近い。
タイムド・リーディングなどと呼ばれたりするが、方法はシンプルこの上ない。
1冊にかける時間を(30分間なら30分間に)決めて、その時間内に読んでしまう。
読めない場合も、そこで(30分間なら30分間で)本を閉じる。
読み残しがあっても、心残りがあっても、(少なくともその日は)決してその本を開かない。
これだけ。
ひとつだけ付け加えるなら、決めた時間の範囲内で、できるだけ満足度が高くなるように、たとえばどこをどれくらい時間を配分するか考えて読む。
慣れないうちは最初の5分間ほどを、時間配分や読む箇所や読む順序を考える作戦タイムとするといい。
すぐ分かるように、これは技術と呼ぶべきものではない。
むしろ習慣とするもので、1冊にかける時間は毎日、最初に決めたのと同じ時間(30分間なら30分間)にする。
もちろん、このワーク以外の読書はいつものように好きにしていい。
当然のことながら、
・1冊10分で読める本を/読める人が、30分かけることにしても仕方がない。
・小説のような、シーケンシャル(最初から順番)に読むことを予定/期待するものには向かない。
・目次が充実した本は、読む箇所や読む順序を考える作戦が立てやすい
理想的なのは、通勤/通学の交通機関の内で、ある駅からある駅までに1冊読む、という風に、始まりと終わりの時間が外的に決定されるようなスケジュールを組むことである。
このワークの効用としては、
・読書についての集中力が増す
・読書モードのスイッチのオン・オフができるようになる
・要点のつかみ方、探し方が上達する
・読書の実効速度が一目瞭然に分かる
・日々、読書の上達が自覚できる(速度も内容把握度も)
(呼んだページ数と満足度を記録すると良い)
・読書の計画が立つようになる
・読まなくていい箇所や読まなくて良い本の判断がつくようになる
・読める冊数が増える
・「これは30分ワークで読むのに回そう」と考えるようになる
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