右翼てふつばさ

先月に白馬のむかし写真を貼ったのこり物はなぜか妻籠でした。帰途に寄道したようです。

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今月初めに2回にわたって引用した石原慎太郎のインタビュー記事からまた引用します。
対談の相手は精神科医でもある斎藤環筑波大教授です。

石原——僕と同世代の作家で三島さんに強烈なコンプレックスを持ったのは大江だよ。だからあえて僕の前で、「日本は西欧の周辺国です」なんてことをくり返して言うんだね。・・・もう一つ江藤の死に対する発言だけは許せないね。「ああいう死に方をするのは脳梗塞で倒れてリハビリしている人たちに失礼だ」なんて、そんなことを死んだ人間に対して言うメンタリティは、本当に情けないよ。・・・あいつは沈黙ということのイミがわからなくなったんだね。
斎藤——ある種の天才的な「愚かさ」がある方だとは思いますね。
石原——いや、彼も頭のいい男ですよ。それにとても政治的なところもある。江藤はそれをいちばん嫌っていたけどね。ただ、僕にはよくわからないけれども、何か不思議なコンプレックスがあって、・・・
斎藤——それは相当あると思いますよ。大江さんは、紛うことなき分裂気質の作家でしょう。私が「愚かさ」があると言いましたのも、それがあるゆえに自己イメージを超えた作品が書ける人だと思うからです。三島由紀夫ほどは自己演出されませんし。・・・


石原の追悼でアップされた記事だったのですが、
きのうテロを書いたので大江健三郎が気になって引用しました。

まだ六月ではありませんが。
 右翼てふつばさあらむに水無月のなにを今歌ひ惑ふことある   (塚本邦雄:不變律)

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