たまぎれ

ついに玉切れ。

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ttartisan75mm1.5

 見よ蒼白き馬はきたるとはなびらにしづかに血はにじむ藪椿   (塚本邦雄:羅旬繪骨牌)

ロマン主義

きのうの映画『春の雪』。竹内結子は好きな女優でしたが健康的に過ぎると感じました。もう少し肉感的な、暗闇に裸の脂肪が白くぼうっ浮かぶような人を期待していたのに。

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m.zuiko17mm1.2
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m.zuiko17mm1.2

映画に感情移入ができなかった最大の理由は「シャシン」。映像。

平成12年新潮11月号臨時増刊『三島由紀夫 没後三十年』で、平野啓一郎が、
 『豊穣の海』で三島は、それぞれの巻でテーマを設定していて、その意味では、『春の雪』は三島的ロマン主義の総決算だと思うんです。

 古典主義が静止、或いは停滞を志向するのに対して、ロマン主義は永遠に運動し続けることを志向するわけですよね。
 到達不可能なものを志向するからこそ、永遠に運動し続けることができる。そして、最後は死ぬわけです。


といい、このあと三島の「死に対して持っている絶大な信頼」の話をします。

そうなんです。自死を選ぶとしたとき、死の持つ意味は常人の死への想像を超えていたのではないか。だから、映像の中で「死」をもっとつきつめるべきではなかったか。死を際立たせるためには情事ももっとセンシャルでよかったのではないかと思うのです。


 娶らざりし女人いくたり冬霞   (塚本邦雄:甘露)

百年の三島

映画「春の雪」をテレビで放映していました。14日は三島由紀夫の100回目の誕生日だそうです。

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m.zuiko17mm1.2
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ttartisan75mm1.5

2023年度三島賞を受賞したのは朝比奈秋でした。
翌年、『サンショウウオの四十九日』で第171回芥川賞を受賞した彼と、漫画「半神」の萩尾望都との対談が面白かったので一部を引用。(小説と漫画、二組の結合双生児をめぐる双数対話

朝比奈 (物語の中で双子でなく三つ子が出てきたり三つ子の視線を感じるのは)いやぁ……なんか思い浮かんでくるんです。書く前に考えているのではないし、好きで書いているのでもなく、思いつくから書いていて。
萩尾 チャネリングタイプですね。アンドロメダ星雲あたりから。

萩尾 ところで、髪は天パーですか?
萩尾 髪の量が多くて、しかも巻いてるから、いろいろ受信するんですかね(笑)。

朝比奈 僕は小説を書くのが好きで始めたわけじゃなくて、思い浮かんだから仕方なく書いているんです。書かないと消えてくれないから。
萩尾 アンドロメダから指令があるし。
朝比奈 それはもう無視できない。だから、書くのはもう仕方ないとしても、体力や精神力が削られる一方で。・・・好きにならないと続かないぞと思うようになりました。小説を愛し、小説から愛されるという相思相愛にならないと、精神がおかしくなってしまう。


「アンドロメダから指令」欲しいなぁ。うらやましいなぁ。pithecantroupusにもこないかなぁ。


春にはすこし早いですが、
 見蛇樂(げんじやらく)よしやわざくれ昏れなずむ空にきぎすの翔(た)つこひごころ   (塚本邦雄:黄冠集)

あかぎれいたい

お湯で洗い物をすると掌中あかぎれになって傷テープでカメラのボタン類が押せません。
冷水にしたら傷テープはがせましたが指先の傷跡が痛くてやっぱりボタン類が押せない。
撮った写真の言い訳にしてはさえないですね。

MK324349-強化-NR-Edit-5
m.zuiko17mm1.2
P1120065-強化-NR-Edit-5
ttartisan75mm1.5
P1120088-強化-NR-Edit-5
ttartisan75mm1.5

 あへて憤らざれども新年の酢牛蒡がしらたまの齒を砕く   (塚本邦雄:玲瓏)