2025/01/15
きのうの映画『春の雪』。竹内結子は好きな女優でしたが健康的に過ぎると感じました。もう少し肉感的な、暗闇に裸の脂肪が白くぼうっ浮かぶような人を期待していたのに。
映画に感情移入ができなかった最大の理由は「シャシン」。映像。
平成12年新潮11月号臨時増刊『三島由紀夫 没後三十年』で、平野啓一郎が、
『豊穣の海』で三島は、それぞれの巻でテーマを設定していて、その意味では、『春の雪』は三島的ロマン主義の総決算だと思うんです。
古典主義が静止、或いは停滞を志向するのに対して、ロマン主義は永遠に運動し続けることを志向するわけですよね。
到達不可能なものを志向するからこそ、永遠に運動し続けることができる。そして、最後は死ぬわけです。といい、このあと三島の「
死に対して持っている絶大な信頼」の話をします。
そうなんです。自死を選ぶとしたとき、死の持つ意味は常人の死への想像を超えていたのではないか。だから、映像の中で「死」をもっとつきつめるべきではなかったか。死を際立たせるためには情事ももっとセンシャルでよかったのではないかと思うのです。
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娶らざりし女人いくたり冬霞 (塚本邦雄:甘露)