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最終更新日:2023年12月27日

温泉3大効果の「物理効果」とは? おすすめ温泉施設もご紹介 全国

皆さん、温泉の3大効果とはご存じでしょうか? 具体的には、「物理効果」・「薬理効果」・「転地効果」の3つを指します。また、物理効果は温熱効果・浮力効果・水圧効果に細分化され、この物理効果の3つに限定して温泉の3大効果という場合もあります。

今回は、「物理効果」についてご紹介。また、物理効果が期待できる温泉施設も併せてご紹介します!

物理効果とは

 入浴における「物理効果」とは一言で言えば、肌の外側から働きかけて得られる効果のこと。具体的には、体を温める温熱効果をはじめ、入浴することによって得られる水圧や浮力も含まれます。
 
 
記事冒頭でも申し上げた通り、物理効果とは主に以下の3つに分類されます。
1. 温熱効果
2. 浮力効果
3. 水圧効果

物理効果で期待できる効果は

温熱効果

「温熱効果」とは、名前からも想像できるように身体が温まる効果のことです。具体的には、皮膚の毛細血管や皮下の血管が広がることによって血流が良くなり、新陳代謝が活発になります。
しかし、熱いお湯とぬるめのお湯とでは、得られる効果が異なります。
 
 おおむね42度以上の熱めのお湯では交感神経が優位になり、軽い興奮状態になります。そのため血圧が上昇し、汗をかいて筋肉は硬直。逆に胃腸の働きは低下します。
 
一方で、おおむね37~40度程度のぬるいお湯では副交感神経が優位となり、リラックスした穏やかな状態になります。そのため血圧は低下し、筋肉は緩みます。逆に胃腸の働きは活発になります。
 
つまり、熱いお風呂とぬるめのお風呂は状況に応じて使い分けることが重要
例えば、朝の出勤前や学校への登校などの気分をシャキッとしたい場合には熱いお風呂、就寝前など気分を落ち着かせたい場合にはぬるめのお風呂、が適しています。
 

浮力効果

「浮力効果」とは、お風呂に浸かると身体が軽くなり、関節や筋肉にかかる負荷が軽減される効果のことです。具体的には、水中では空気中に比べて1/9~10程度の重さになります。
 
 そのために体重を支えている筋肉や関節を休ませることができ、身体全体の緊張がほぐれます。また浮力で体が軽くなると精神的にもリラックス状態になり、ストレス解消の効果も併せて期待できます。
 

水圧(静水圧)効果

 静水圧とは、動かない水のなかで身体に働く水の圧力のことです。
 
 お風呂の中では、ウエストを3~6㎝縮めるほどの水圧がかかっています。身体全体に水圧がかかることで全身の血行が良くなり、新陳代謝の向上が期待できます。なお、この水圧効果は浴槽の深さが深い程、負荷が大きくなります。

物理効果が期待できるおすすめ温泉施設5選

 最後になりますが、全国の温泉を四半世紀以上に渡ってめぐり続ける筆者が、物理効果を特に感じとれた温泉を5施設ご紹介します。
 

会津東山温泉 向瀧 / 福島県会津若松市

 会津東山温泉「向瀧」は、国の登録有形文化財第一号として知られる日本屈指の名旅館のひとつ。自然湧出の自家源泉(硫酸塩泉)を3本所有。それらを巧みに調整することにより、絶妙の湯加減の温泉を楽しめます。
 
 この宿を代表する「きつね湯」という男女別の浴室(上写真)では、45度程の熱めに調整。最初は新鮮な温泉ならではのピリッとした刺激を感じますが、次第に毛穴が開き、温泉熱と成分が体内に吸収。心身をシャキッと引き締めたい方におすすめです。
 
一方で「さるの湯」と呼ばれる男女別浴室や3つの貸切家族風呂では、41~42程の適温に調整。好みや体調によってセレクト可能な点も大変魅力です。
 
■日帰り入浴無し(宿泊者のみ温泉入浴可)

博多温泉 元祖元湯 / 福岡県福岡市

 博多温泉は、福岡市の住宅街にひっそりとある温泉地。「元祖元湯」は博多温泉発祥の地であり、街中にありながらも、泉質重視の温泉ファンに一目置かれる日帰り温泉施設です。
 
2本の自家源泉を適宜組みわせて使用し、50度近い源泉を一滴も加水することなく、源泉100%かけ流しで提供。湯船の中で44~47度程あるアチチ湯で、ちょっと浸かっただけでジンジンと体が温まり、サウナ並みに汗が噴き出てきます。
 
泉質名は、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。温熱効果抜群の“熱の湯”であり、筆者自身も愛用している温泉施設のひとつです。

■日帰り入浴時間:13時~18時(木曜日・日曜日は定休日)


法師温泉 長寿館 / 群馬県みなかみ町

 法師温泉「長寿館」は関東地方を代表する秘湯の一軒宿。深い山中ながらもアクセスにも優れ、東京から公共交通機関だけで訪問できる点も大変便利です。
 
 混浴の「法師乃湯」は、足元湧出の名湯中の名湯。湯船の中で38~41度程のぬるめですが、硫酸塩泉の血行促進効果も相まって、長く浸かると寒い時期でも軽く汗ばむほど体が温まります。
 
湯船の場所によって微妙に温度が違い、筆者の場合は足元湧出が多量かつ最もぬるいポジションで入浴を楽しむことが多いです。身も心も解き放たれ、まさに“至福の湯浴み”という言葉がピッタリの超名湯といえるでしょう。
 
■日帰り入浴時間:11時~14時(13時30分最終受付)
※「法師乃湯」(混浴)及び「長寿乃湯」(日帰りでは女性浴室)のみ立ち寄り入浴可

有馬温泉 竹取亭別亭 康貴 / 兵庫県神戸市

有馬温泉は、「日本三名泉」と称される西日本屈指の名湯。またメイン源泉である金泉は日本トップクラスの食塩含有量を誇り、成分総量が多いために浮力効果を感じ取りやすい温泉でもあります。
 
 関西の奥座敷ともいえる名門中の名門温泉地ですが、「竹取亭別亭 康貴(こうき)」は赤色の「金泉」と透明の「銀泉」の両方を気軽に楽しめる施設です。
 
また、金泉は日本屈指の鉄分含有量を誇る温泉でもあり、タオルや下着まで赤く染まる程!日本屈指の濃厚湯をお手軽に楽しめます。
 
■日帰り入浴時間:9時30分~16時(休前日は15時まで)

黒川温泉 旅館こうの湯 / 熊本県南小国町

 黒川温泉は、西日本でも屈指の人気を誇る温泉地のひとつ。以前はひなびた山間の温泉地でしたが、各宿の露天風呂を自由に3軒めぐる「入湯手形」が大ヒット。現在では年間を通じて多くの観光客で賑わっています。
 
「旅館こうの湯」は、温泉街から少し外れた一軒宿風の和旅館。ここでの名物は、男女別露天風呂「森の湯」にある立ち湯。最大深さは162cmあり、男性である筆者でも足がどうにか着くほどの深さ! “日本一深い立ち湯”とも言われています。
 
また泉質は単純温泉ですが、ほんのり硫化水素の香り漂う硫酸塩泉系統の泉質であり、浴後はしっとり潤いつつもツヤツヤお肌へと変貌。やや地味ながらも保湿系美肌湯としても注目すべきでしょう。
 
■日帰り入浴時間:8時30分~21時

「温泉の3大効果」その他の効果についてはこちら

温泉3大効果の「転地効果」とは? おすすめ温泉施設もご紹介
温泉3大効果の「薬理効果」とは? おすすめ温泉施設もご紹介
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この記事を書いたライター
権丈 俊宏
権丈 俊宏

良質の温泉を求め、全国を旅すること20数年。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。

温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員

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