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連載コラム年間200本のライター術=海外在住フリーライターという生き方~山谷剛史(1)

2011年11月13日

■連載コラム年間200本のライター術=海外在住フリーライターという生き方~山谷剛史(1)■


20111113_山谷剛史_インタビュー_3
*当社所在地である船橋市の某有名タイ料理店にて取材・撮影。


■黙々と記事を量産する、謎の「中国在住ITライター」


山谷剛史というライターがいる。

ご存知でない方もいるだろうが、中国情報に興味がある人ならば一度はその記事を目にしている可能性が高い。というのも、ITMedia、日経トレンディネット、InternetWatch、東洋経済オンライン、JBPress、ハッカージャパン、ゲームラボと多くの連載を持ち、雨あられと原稿を書き続けている、知る人ぞ知る「売れっ子」ライターだからだ。

それだけの記事を量産しているのに、中国在住のITライター・山谷剛史がどんな人なのかはあまりよく知られていない。ITネタであれ、中国ネタであれ、取材対象の話をストイックに書くのがスタイルであるため、ライター・山谷剛史のキャラクターを記事でさらけだすようなことはほとんどないためだ。

とはいえ、「これだけのハードワークをこなす人間ってどんな人?」と素顔を見てみたくなるのが人の性。今回、お会いする機会に恵まれたので、じっくりお話をうかがってきた。全3回にわたってお届けする。

連載目次:海外在住フリーライターという生き方~山谷剛史
(1)連載コラム年間200本のライター術
(2)IT版深夜特急企画と中国在住という選択

(3)ダメ記事が増えた日本の中国報道に喝!

番外編:
読者を惑わすダメ記事が増えた=どこか「おかしい」日本の中国報道(山谷)


■年間200本のコラムを書く男

Chinanews(以下、C):

初めまして。今日はよろしくお願いします。


山谷剛史(以下、山谷):

初めまして。よろしくお願いします。まあ、何の話でもいいので、金ブリさんの経験から「読者が喜ぶネタ」をぶつけて聞いてください。お任せします。

C:
それじゃ遠慮なく(笑)。失礼からもしれませんが、「山谷剛史」という名前で読んでいる読者さんよりも、サイトや雑誌を読んでいて「あ、また山谷さんだ」と偶然に出会っている読者のほうが多いと思うんです。というのも、すごい量の記事をお書きになっているじゃないですか。

今、どれぐらい連載があって、年間何本ぐらい記事を書いているかというのは純粋に興味があるのですが。

山谷:
はっきりと把握しているわけじゃないんですが、連載は10本強あるんじゃないかと思います。

・連載一覧
山谷剛史のアジアン・アイティー(ITMedia)
山谷剛史のニーハオ!中国デジモノ(日経トレンディネット)
山谷剛史の中国トレンド通信(日経トレンディネット)
山谷剛史のマンスリー・チャイナネット事件簿(Internet Watch)
山谷剛史のアジアIT小話(ASCII.jp)
東洋経済オンライン
エコノミスト
JBPress
ダイヤモンド・オンライン
ゲームラボ
ハッカージャパン

それからあんまり大きな声では言えないのですが、別名義で書いている連載もあります。

C:

以前、旅行ガイドの仕事もあるとお書きになっていたように記憶していますが。

山谷:

そうですね。旅行ガイドも書いていますよ。ただ、「山谷剛史」という実名で売る仕事じゃないかなと思うので、ペンネームを使っていたりはしますけどね。僕は中国の雲南省という、日本から見たら中国の奥地に住んでいるんです。なので、じゃあ中国の内陸取材は全部山谷に任せようという話になったりします(笑)。中国の内陸も広いし、雲南省から遠いんですけどね。いろんな仕事を合わせると、週に4本ぐらいのペースですかね。

C:

となると、年200本ですね。すごい。

山谷:

いや、多すぎて自分でも何を書いたか覚えきれないぐらいで(笑)。ほんの2~3日前に書いた内容を忘れていることもあります。一球入魂といいますか、コラム1本1本にベストを尽くして取り組む。書くために毎日勉強する。それだけですね。

C:

執筆のリズムってありますか?

山谷:

海外在住フリーライターのいい所ですが昼寝が出来るんですよ(笑)。昼寝から起きた3時ごろから記事の準備を始める。下調べして、ある程度形にして夕飯。その後、ちょっと手直ししてから寝る。朝起きて頭が働かないうちはサイトを見たり、マイルがもらえるアンケートサイトに答えたり。で、最終チェックをして記事を送るっていうのが毎日のサイクルですね。

C:

なるほど、1日かけてコラム1本を仕上げるスタイルですね。ただ山谷さんは結構、取材旅行も多いですよね。

山谷:
我ながらいろんなところに行ってますね。チベットの果てもいったし、最近では釜山なんていうご近所も訪ねてみました。

C:
今年は西チベットを取材されたそうですね。取材費がでればどこまでも行くわけですね。

(参照リンク:「電気? つ、使えますよ……、晴れていれば──「西チベット」にITはありえるのか」(ITmedia、2010年11月19日)

山谷:
いやー、西チベットはさすがにお金が出なかった(笑)。行ったのは僕の趣味です。というよりほぼ全ての記事において取材費は出ませんが、行きます。ドロンズとかパンヤオとかの電波少年世代なんですよ(笑)。


■ひたすら歩け、街を見ろ、ネタを探せ

C:
山谷流の取材術ってありますか?


山谷:
それはもうひたすら歩くことですね。足がぶっ壊れるまで歩き続ける。徒歩以外では基本、バスで移動します。地下鉄は使わない。いや、各路線1回ずつは乗りますけどね。例えば、銀座線と東西線じゃ乗っている人の層も違いますよね。片方だけで判断したら間違えますから。

バスに乗っている間はずっと外を見ています。カメラは常にスタンバイしておきますね。ともかく何があるかわからないし、写真を取り逃して後悔したこともありますから。僕のジャンルであるIT、サブカル、経済、どのネタが転がっているかわからないのでね。

それから現地の人の話をしっかり聞くのも大切です。ただ一つ注意すべき点があります。それは話を鵜呑みにしちゃダメということ。自分で見て調べたことと、聞いた話が整合するかどうかをちゃんと検討しないとね。
(*上記段落は2011年11月14日追記)

C:
なるほど。ともかくいろんなところを見るっていうことを心がけているわけですね。

山谷:

そうですね。場所も学校の周辺とか郊外とか、その都市のなるべくいろんな場所を見るようにしているんです。それから場所だけじゃなくて、時間による変化もちゃんと考えないと。

C:

というと?


山谷:

僕は取材旅行の時、必ず土日をからめるようにしているんです。普通の人たちが街に出ているところを見たいから。ただ土日の午前中って普通の人はそんなに外に出ないですよね。動いているのは観光客。だから時間によって取材する場所と対象を変えるんです。

土日の午前中は観光地に行って観光客を見る。現地住民が動く午後は繁華街や学校周辺をチェック。夜になると外ではいい写真を撮るのが難しいのでショッピングセンターをウォッチっていう感じですね。

C:

一日フルに使ってますね。でもあれだけ記事をお書きになっている以上、取材先で記事を書かないといけない時もあるんじゃないですか?


山谷:

そうなんです(笑)。最後はホテルで原稿執筆かな(笑)。
(続)


以下、第2回「IT版深夜特急企画と中国在住という選択」に続きます。

連載目次:海外在住フリーライターという生き方~山谷剛史
(1)連載コラム年間200本のライター術
(2)IT版深夜特急企画と中国在住という選択

(3)ダメ記事が増えた日本の中国報道に喝!

番外編:
読者を惑わすダメ記事が増えた=どこか「おかしい」日本の中国報道(山谷)


yamaya【山谷 剛史】

1976年東京都生まれ、池袋育ちの海外専門ITライター。区立千川中学校、都立北園高校、駿台予備学校、東京電機大学を経て、独立系ソフトウェア会社に就職後、現在の職に転職。主に中国内陸に滞在する。OSはDOSから触り、大学の学科は理工学部情報系学科、サラリーマン時代はSEのバックグラウンドあり。

海外で住み、海外の人の気持ちを理解しつつ、あくまでも日本人の読者の視点で現地の背景を解説する記事を執筆する。特に対中国人に関しては、中国人の気持ちを日本人視点でヨイショせず解説できるということで、様々なメディアで書かせてもらったり、講演させてもらったりしている。海外の情報を海外に出たがらない日本人に伝えることを使命と感じ、いまだあまり取材されていないエリア、業界など隙間的な事象を取り上げるのを好む。

中国のほか、インド、東南アジア、中央アジア、韓国、北欧の主にIT関連の記事の執筆経験有。また、現在中国以外を勉強すべく、インドや東南アジアなどについて主に執筆するブログ「チャイナプラスワンIT事情」を執筆・勉強中。「海外ITライター、山谷剛史のページ」。

ツイッター:@YamayaT

新しい中国人 ネットで団結する若者たち (ソフトバンク新書)
*2008年にソフトバンク新書より発売された著書「新しい中国人 ネットで団結する若者たち」。




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