中国・新興国・海外ニュース&コラム | KINBRICKS NOW(キンブリックス・ナウ) https://kinbricksnow.com/ 中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。 ja
  • 中国の5%成長、立派な数字の裏側とは? https://kinbricksnow.com/archives/52089923.html 皆さん、こんにちは。高口康太です。今日のテーマは「中国の5%成長、立派な数字の裏側にある問題とは?」というテーマについてお話ししたいと思います。今回のトークは以下の記事を紹介したものです。詳しくは記事をご覧下さい。・「ストロングマン」のトランプvs習近平、中... kinbricksnow 2025-01-23T18:59:38+09:00 <![CDATA[
    皆さん、こんにちは。高口康太です。今日のテーマは「中国の5%成長、立派な数字の裏側にある問題とは?」というテーマについてお話ししたいと思います。



    今回のトークは以下の記事を紹介したものです。詳しくは記事をご覧下さい。


    2024年の中国経済成長率、5.0%という立派な数字。全国人民代表大会(全人代)で経済成長目標が発表され、2024年は5%前後とされました。目標通りに行くとしても、5%前後の下の方になると予想されています。実際、2023年の成長率は、年後半に行くにつれて下がっていました。

    しかし、9月の終わりから大々的な対策を実施。不十分だという批判もありますが、第4四半期で成長率はアップし、5.4%に。エコノミストの予想を超えました。結果として、2023年は5%で着地。難癖つける人もいるでしょうが、素直にすごいと言ってもいいのではないでしょうか。


    ただ、この5%の中身は去年とは違います。最終消費、固定資産形成、純輸出の支出面から分析してみましょう。2024年の5.0%成長を分解してみると、最終消費が2.2ポイント、固定資産形成が1.3ポイント、輸出が1.5ポイントとなっています。

    20250123092331755_Zp4gfVqR



    一方、2023年は最終消費が4.6ポイント、固定資産形成が1.4ポイント、純輸出が-0.6ポイントで、輸出で足を引っ張られて消費が中心になっていました。つまり、今年は消費がガクッと下がって、去年はマイナスだった輸出が伸びたということです。

    ここまでの輸出依存は、少なくとも2004年以降では最大です。貿易黒字はほぼ1兆ドルに達するという高い水準になっています。

    「いやいやいや、輸出だろうが消費だろうが投資だろうが、ともかく成長を確保できているんだから羨ましいよ」という見方もあると思います。しかし、世界第二の経済体になった中国が、輸出依存で経済低迷から脱却しようとすると、他国からすると「勘弁してくれ」という話になります。

    ここで思い出されるのが、「チャイナショック」です。19世紀末から2000年代前半にかけて、世界貿易に参入した中国製品の輸出ラッシュが起こり、世界各国の経済構造を大きく変えました。MITのデヴィッド・オーター教授の研究によると、チャイナショックによる中国の輸出によって、アメリカのラストベルト(さびれた工業地帯)の労働者が失望し、後のトランプ政権誕生の伏線になったとされています。

    今回は、チャイナショック2.0と言えるかもしれません。前回とは違い、高付加価値商品も輸出されるようになり、すべてが中国製品になる可能性があります。そして、このタイミングで第二次トランプ政権が誕生するかもしれないのです。そうなれば、2025年は貿易摩擦が焦点となるでしょう。

    第一次トランプ政権では、欧州や日本は対中経済見直しに消極的でしたが、今回は主体的に見直す動機があります。

    また、WedgeONLINEには「トランプ大統領就任初日で早くも大騒動、振り回される中国」という記事もあります。一般中国人や政府、企業の反応を描いたものです。トランプ発言で人民元レートが動いたり、騒動が連発していました。


    GROK2で生成したイラスト「電子ザーサイ」
    「電子ザーサイ」という言葉があります。食事中についつい見ちゃうスマホコンテンツのことです。これからの時代、トランプのニュースが「ご飯のお供」となって、目を離せない存在になっていくでしょう。

    1月17日新発売の新刊『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』をよろしくお願いいたします。

    不動産バブルが崩壊し、今世紀最大の分岐点を迎えた中国経済。
    このまま衰退へと向かうのか、それとも、持ち前の粘り強さを発揮するのか?
    『幸福な監視国家・中国』で知られる気鋭の経済学者とジャーナリストが、ディープすぎる現地ルポと経済学の視点を通し、世界を翻弄する大国の「宿痾」を解き明かす。
    書影

    ]]>
    大手カーディーラー破綻から読み解く中国EVの光と影 https://kinbricksnow.com/archives/52089802.html こんにちは、ジャーナリストの高口康太です。中国自動車市場の光と影というテーマについてお話できたらなと思っています。*「輸出世界一」「EV比率急上昇」「外資総崩れ」――中国自動車産業の現在地を読み解く3つのポイント:高口康太 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサ... kinbricksnow 2025-01-19T14:32:08+09:00 中国-経済 <![CDATA[




    こんにちは、ジャーナリストの高口康太です。中国自動車市場の光と影というテーマについてお話できたらなと思っています。


    国内販売・輸出・NEV

    輸出台数

    *「輸出世界一」「EV比率急上昇」「外資総崩れ」――中国自動車産業の現在地を読み解く3つのポイント:高口康太 | 記事 | 新潮社 Foresight(フォーサイト) | 会員制国際情報サイト https://www.fsight.jp/articles/-/50772

    中国自動車市場というと、イケてる産業の代表格として見られているわけです。中国の自動車販売台数はですね、2017年ぐらいをピークに減少傾向にあったんですけれども、去年から回復に向かいまして、今年も増加しています。輸出台数はですね、この数年大きく伸びておりまして、去年日本を抜いて世界一となっています。しかもですね、未来の自動車、エコのためには必要不可欠と言われているEV、この販売台数の比率が全体の60%を上回る、世界でも圧倒的なリードをしている数字となっています。

    IMG_20230924_133850
    *上海市、BYD販売店。

    ここまでが光の話なんですけれども、じゃあ影ってあるのかいと。一つニュースをお話ししますと、2024年8月にですね、中国の大手自動車ディーラーチェーンの广汇汽车が上場廃止となりました。同社は2016年から2021年まではディーラーの販売台数が一位でした。2023年時点でも二位。まさに中国を代表するトップクラスのカーディーラー。なぜ同社が破綻したのか。いろんな理由があって、一つには、今実質破綻状態にある大手不動産会社の恒大集団がですね、立ち上げたEVブランドの恒大汽車に出資し、それが激しく焦げついてしまった。あるいは、カーディーラーの収入源の一つである車のメンテナンス、こちらがIT企業系のサービスに奪われたという。

    日本でもビッグモーターの問題とかあったわけです。カーディーラーのビジネスは曖昧と言いますかブラックボックス。カーオーナーの知識不足につけ込んで怪しげな商売をやっている。ということに比べると、IT企業になって、評判であったりとか、あるいはどれぐらいの修理費用がかかりますよというのが、かなり明確に、透明性のある価格を見ることができる。中国では消費者の高い信頼を得ているわけです。古い時代の産業が淘汰されているという側面もあり、4S店と言われる中国のあの車の販売メンテナンス拠点は、どんどん減少を続けている。


    IMG_20230924_133947
    *上海市、BYD販売店。

    ただこれだけじゃなくて、中国カーディーラーの苦境は、車がどんどん安くなっていることも理由なんです。昨年8月、中国自動車流通協会がですね、2024年上半期のディーラーの経営状況に関する調査報告書を発表した。過半数のディーラーが赤字だと。その原因なんですけれども、最大の原因は自動車がどんどん安くなること。これ統計にもあらわれていまして、2024年1から11月の中国国内の自動車販売台数は3.7%増と増えている。ところが販売額は0.7%減少。掛け算すると一台あたりの価格が4%減っている。こちらは、あの統計上の価格なんですけれども、実際にはオプションパーツをただでプレゼントとか保険加入も込みにといった別の形での値引きも行われているので、この数字以上に値引きが進んでいる。

    で、なんで安くなるのかというのが気になるところであります。中国の自動車が、EVが安いっていう話になると、すぐ補助金だからだろうと、という話が出てくるわけです。けれどもそれはあまり正確とは言いづらい。中国の政府が自動車にたくさん補助金を出していることは事実なんです。ただ、自動車購入補助金、一台あたりいくらという補助金は2009年からスタートして、その後どんどんと削減されてきて、2023年に廃止されています。で、中国でEVが売れるようになり出したのは2021年から、ま、補助金の最後の時なんですね。補助金がどんどん減っていく段階で、中国のEVの爆発的な成長が起きた。


    IMG_20230924_134237
    *上海市、BYD販売店。

    また、ナンバープレート規制、例えば上海とかだと自動車を購入する時にはオークションでナンバープレートを購入する必要がある。それが非常にお高い。そういった規制もあって、EVとかPHEVは規制を回避できるので追い風なんだという言い方もあります。けれどもこれも先ほど申し上げた通りです。売れるようになった2021年の前から、そういった優遇措置が設けられていたわけです。優遇措置プラス補助金があった時代にもあんまり売れなかった。けれども優遇措置プラス補助金が少なくなった時代に売れ始めた。そういった規制はEV、PHEVを買う一つの要因にはなるんですけれども、全てではない。

    なんで安くなったんだという話になるんですけれども、考えるべきはライトの法則であります。セオドアライトが1936年に提唱したものなんですけれども、あの、ま、自動車業界における経験則ですね。累積生産量が倍増することに一定の割合でコストが低下すると。セオドアライトが研究対象としたT型フォードの場合は、販売台数が倍増するごとに15%でコストが削減されていた。これは自動車だけではなく様々な商品に当てはまるんですけれども、EVも例外ではありません。テスラも製造台数の増加に伴って製造コストはきっちりと削減されていくわけです。

    中国でも作る数が増えていくにつれて製造コストは下がっていることが明らかになっています。中国EV最大手のBYDのレポートから分析したんですけれども、確かに年15%ぐらいのペースで製造コストが低下している。この数年はBYDは製造台数を前年比倍増ぐらいのペースで増やしているので、ライトの法則に当てはまる形の価格低下になっていった。この製造台数増加に伴うコスト低減、価格低下については、私と神戸大学の梶谷先生との共著『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』の第七章、殺到する仲介EVや中国の経済を救うのか?この章で詳しく説明しております。こちらを見ていただくと、中国政府が巨大な補助金を使ってEV市場を立ち上げ、その補助金によって大きく育った産業がどんどんコスト低減に成功し、補助金がなくなった後でも安さを実現できるようになった。人々が欲しいと思う車を作れるようになった。ということをルポと経済学の理論から説明しています。ぜひ読んで頂けましたら。

    産業のエコシステムが一回生まれて好循環で回り始めると、もう補助金があるなし関係なくどんどん育っていく。他国の企業がここから追いつくことは難しい。昨年12月、トヨタ自動車が上海にレクサス工場計画を進めていると報道されています。なぜ上海に工場を作るか。上海を含む長江デルタ地域は中国EV産業の大きな産業集積地になっている。様々なサプライヤーが集積している。ので、今後ですね、トヨタがレクサスの電気自動車をですね、特に中国向けに製造を販売していく時には、こう、レクサスというブランド名を使ってても、中身は中国企業の部品で構成された車というのに変わっていくんじゃないかなと予想しています。

    トヨタが今発売しているEVは、BYDのバッテリーなど中国系のシステムや部品を採用したわけですね。コスト低下や技術向上といった面ですごい進んでしまった中国企業に追いつくために、中国のサプライチェーンを日本の自動車メーカーが活用していく。そうなるんじゃないかというのが私の予想です。

    繰り返しになりますけれども、私と梶谷先生の新刊『ピークアウトする中国』により詳しく、なぜ中国のEVがこんなに強いのか、安いのかっていう話も書いています。ぜひご覧いただければありがたいです。


    書影

    ]]>
    ハイテク企業誘致に急ブレーキ!中国の地方ファンド規制の波紋 https://kinbricksnow.com/archives/52089784.html 今や米国と並ぶ「イノベーション大国」となった中国ですが、スタートアップを支えるベンチャーファンド(VC)政策に大きな方向修正が加えられました。不動産下落や消費不況という厳しい経済状況が続く中でも、キラキラ輝いている中国のイノベーションにとっては打撃となりそ... kinbricksnow 2025-01-18T12:52:10+09:00 中国-経済 <![CDATA[

    今や米国と並ぶ「イノベーション大国」となった中国ですが、スタートアップを支えるベンチャーファンド(VC)政策に大きな方向修正が加えられました。不動産下落や消費不況という厳しい経済状況が続く中でも、キラキラ輝いている中国のイノベーションにとっては打撃となりそうです。


    DSC02256 (大)
    *北京・清華大学のコワーキングスペース。

     

    202517日、「政府投資基金の高い質の発展を促進する指導意見」が発表されました。国務院(日本の内閣に相当)の20251号文件です。1号文件というと、旧正月明けに発表される中国共産党中央のそれが有名です。ちなみに毎年、三農問題(農村、農業、農民)に関する文書が発表され、「中国共産党はこんなにも農民に心を砕いております」とアピールしています。国務院の1号文件はそこまでの重みはないものの、それでも政府が何を重視しているかを示す、一定の重みはあります。昨年はシルバー経済、一昨年は省庁間連携の効率化が取りあげられていました。

     

    さて、中国では政府が出資した政府引導基金(政府系ファンド)がベンチャー企業に出資し、その発展を支えています。国が設立した半導体ファンド、通称「大基金」が有名ですが、それ以外にも省、市・県、区・鎮など下級レベルの自治体も大量の政府系ファンドを作っています。その数は20246月時点で2000以上、保有資金は45000億元(約100兆円)という巨大なものです。

     

    中国の産業政策というと、補助金の話がよく出ますが、最近のトレンドは政府系ファンドに移っています。いくつか理由はありますが、地方政府にとっては自己資金以上に大きいお金を動かせるという魅力があります。というのもファンドを組成する時に自前の資金を使うだけではなく、銀行や地方国有企業などに共同出資を命じることができるから。共同出資なら債務ではなく、自由な形でお金を動かせるわけです。

     

    その金で何をするのか。地元企業の育成にもお金を出しますが、それ以上に加熱しているのが「おらが街のハイテク企業」誘致。お金を出してイケてる企業を誘致します。有名なのが安徽省合肥市で、EVベンチャーのNIOを誘致し合肥に移転させました。当時、破綻寸前だったNIOは南京や重慶などの地方政府にも出資を持ちかけたそうですが断られ、大胆な賭けに出た合肥市に移転することにしました。その後のEV大躍進でNIOは一気に大企業に。「合肥に続け」は中国地方政府の合言葉になっています。


    合肥モデル

     

    地方同士が競争する中国、これはイノベーションにとってはプラスとの見方も強いです。イノベーションに必要なのは手数。いろんな地方が無数の企業に出資して、大量のベンチャーが育つ。そのベンチャーはばたばた潰れていくわけですが、残った会社はすばらしくエクセレントに育っている……というわけです。「多産多死」と呼ばれる方式です。

     

    ところが、今回の政策文書では「企業誘致を目的に政府系ファンドを作ってはいけない」という文言が盛り込まれるなど、どうも風向きが違います。地方政府のファンドによって「生産能力過剰が生まれる」「低水準の重複建設が起きる」と戒めていますし、下層レベルの自治体がむやみに政府系ファンドを作ることも禁止しています。札束で叩いてハイテク企業を誘致するのではなく、その地方にあった、それぞれ独自の産業を育てるように変えなさいという内容なのです。


    スタートアップ投資の金額・件数(117)
    *『ピークアウトする中国』117ページ

     

    ムダを省くという意味では正しそうですが、不景気で弱っている中国ベンチャーキャピタルには大きな打撃となりそうです。そもそも中国のベンチャーキャピタルは2017年をピークに資金流出が続いています。縮小するベンチャーマネーを支えてきたのが、「おらが街のハイテク企業」を狙う地方の政府系ファンド。これがなくなったら、誰が中国のベンチャーマネーを支えるのか。

     

    民間の企業や投資家は中国経済の先行きを悲観しており、政府系ファンドが縮小してもその穴を埋めることは期待できないように思われます。

     

    というわけで、1月公布の政策文書からみた中国イノベーションに変調のきざしについてお伝えしました。

     

    ここで取りあげたトピック、地方間競争が中国経済にどのような影響をもたらしたのか、なぜ民間マネーは先行きを悲観しているのか、中国イケイケのハイテク産業はどのように中国政府に支えられてきたのか……これらについても大きな構造を117日に発売された、神戸大学の梶谷懐教授との新刊『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』(文春新書)で描いています。ご興味ある方はぜひご一読いただけたら。

     

    『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』出版社サイト https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166614813

    Amazon https://amzn.to/3E22ris

     
    書影

     

    ]]>
    新刊『ピークアウトする中国』が発売されました https://kinbricksnow.com/archives/52089757.html 梶谷懐・高口康太『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』(文春新書)、本日発売です。目下の中国経済はたんなる景気後退ではなく、約30年にわたり続いてきた成長モデルの地殻変動に直面しています。とかいうと煽りすぎぃと怒られそうですが、経... kinbricksnow 2025-01-17T10:27:01+09:00 中国-経済 <![CDATA[

    梶谷懐・高口康太『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界』(文春新書)、本日発売です。


    書影

    目下の中国経済はたんなる景気後退ではなく、約30年にわたり続いてきた成長モデルの地殻変動に直面しています。

    とかいうと煽りすぎぃと怒られそうですが、経済統計を見ると過去数十年観測されていなかった異常アラートが鳴りまくっています。

    ・2年連続でGDPデフレーターがマイナスに。1960年代以来の長期的デフレ局面に突入
    ・2021年後半から始まった不動産市場の下落は3年を過ぎた現在もなお止まらず。過去の下落はいずれも1年で底打ち。
    ・小売外食売上高は統計史上ワースト3位に。ワースト2位は2022年、1位は2000年。
    ・北京、上海の小売外食売上高はマイナス成長に
    ・就職難からギグワーカーが増加。フードデリバリーは1000万人超。配車アプリドライバーは前年比100万人増の約750万人。
    ・正規の職が見つかるまで一時的にギグワーカーになるつもりが長期化する人多数。中国版「氷河期世代」の誕生か

    これらの異常事態は中国経済の成長メカニズムが転換したことのあらわれです。いやいやいや、中国経済も悪い話ばかりじゃない。そうした反論もあるでしょう。

    ・EVや太陽光パネルなどグリーンテックで中国が圧倒的実力
    ・自動車輸出で日本を抜き世界一に
    ・半導体製造でもキャッチアップが続く
    ・一帯一路でグローバルサウスでの存在感高める

    ポジティブなトピックもあるわけですが、実はこうしたトピックもまた同じ中国経済の転換に起因しています。

    一例として下記の図をご覧下さい。

    梶谷懐・高口康太『ピークアウトする中国』文春新書、233ページ。

    金融機関の不動産向け融資が減少するのと同じタイミングで、グリーン融資が大きく伸びています。不動産市場下落で行き場を失ったマネーがグリーン投資に流れ込んだ……という側面があるわけです。

    「中国経済に関する書籍はしばしば、楽観論もしくは悲観論、どちらかに大きく偏りがちである。そうした中で本書の特徴は、不動産市場の低迷による需要の落ち込みと、EVをはじめとする新興産業の快進撃と生産過剰という二つの異なる問題を、中国経済が抱えている課題のいわばコインの裏と表としてとらえる点にある。なぜなら、これら二つの問題はいずれも「供給能力が過剰で、消費需要が不足しがちである」という中国経済の宿痾とも言うべき性質に起因しており、それが異なる形で顕在化したものにほかならないからだ。「光」と「影」は同じ問題から発しているのだ。」
    「ピークアウトする中国」はじめにより

    今、中国に何が起きているのか。

    この変化は世界にどのような影響をもたらすのか。

    中国政府は打開策を持っているのか?

    そして、中国は今後どうなっていくのか。

    すべてこの本に詰め込みました。中国の歴史的な転換、その全体像がわかる一冊になっています。ぜひお手に撮っていただけたら。

    梶谷懐・高口康太『ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

    ]]>
    究極のガチ中華「ジャールオ」を知っていますか? https://kinbricksnow.com/archives/52069913.html 「究極の中華料理、折籮(ジャールオ)を知っているかい?」最近のガチ中華ブームについて、知人の中国人と話していると言われたのがこの言葉だ。中国がらみの仕事をするようになってもう20年以上経ち、もう数え切れないほど中国を訪問したが、一度も聞いたことがない料理だ... kinbricksnow 2022-08-19T20:00:36+09:00 中国-社会 <![CDATA[
    「究極の中華料理、折籮(ジャールオ)を知っているかい?」

    最近のガチ中華ブームについて、知人の中国人と話していると言われたのがこの言葉だ。中国がらみの仕事をするようになってもう20年以上経ち、もう数え切れないほど中国を訪問したが、一度も聞いたことがない料理だ。その知人曰く、日本どころか、今では中国でもほぼ食べられない料理だという。

    IMG_20190710_220911

    『美味しんぼ』世代からすると、究極の中華料理といわれると『佛跳墙』(フォーティオチャン)が思い浮かぶ。こちらも珍しいことは珍しいが、高級レストランにいけば食べられるし、レトルトのなんちゃって佛跳墙もある。それよりもレア度が高い料理となると、俄然興味津々だ。

    「どんな料理なんですか?」と聞くと、その知人はくっくっと小さく笑い、「ネットで調べて見るといい。いや、なんというかね、言葉で説明するのはとても難しい料理なのだよ」ともったいぶる。

    というわけで調べて見た。ネット百科事典「百度百科」では次のように紹介されている。かいつまんで紹介したい。
    折籮 ZheLuo
    北京方言。酒席の後、残った料理を一緒くたにした余り物。「合菜」とも。北京市、河北省、黒竜江省などの地域に特定の言葉。『北京土語辞典』には次のような記述がある。
    「酒席がお開きとなった後、余った料理は種類を問わずすべて一緒くたにまとめてしまう。これを折籮菜と呼ぶ。貧しい時代には酒席があったその日にまとめるのはもったいないと、翌日になってからごたまぜにして、ご飯にぶっかけて食べた。残り物を混ぜた料理は独特の味があり、これを好む者もいる。北京市郊外では1970年代までこの習慣が残り、結婚式があるとあまった料理を混ぜて、近所に配ったという。
    いわゆる残飯を指す中国語には「剰飯」がある。折籮というのは豪華な宴席の余りをまとめた時のみに使う言葉なのだという。あんまりそそられないような、しかしマニアがいるほどに独特の味わいがあるといわれると食べてみたいような……。

    スクリーンショット 2022-08-19 212148
    *中国の動画サイトには「ジャールオ作ってみた」動画がごろごろと。見栄えがいいものからそうではないものまでいろいろあるようだ。上記の動画は残り物ではなく、新品おかずをぶっかけた豪華(?)バージョン。

    しかし、この話を知ってはたと思い当たったことがある。中国ではレストランで食べきれなかった料理を持ち帰るのはよくある話だが、いくつもの料理を一つの箱に詰め込むのはあるある。味が混ざってしまうので私はいい気がしないのだが、中国の友人は「混ざったら混ざったでうまいからええやん」とっまったく気にしない。このあたりの感覚の違いがジャールオにつながっていそうだ。

    それはさておき、また一つ、使いどころのなさそうな中国語を学んでしまった。一人で抱え込むのもなんだが、しかしお仕事のネタに使うほどでもなさそう……と思ったので、ブログでシェアする次第である。
    ]]>
    中国の面白さを知る方法、安田峰俊『もっとさいはての中国』を読む(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52034522.html 安田峰俊『もっとさいはての中国』(小学館新書)を読了。もっとさいはての中国 (小学館新書) [新書]安田 峰俊小学館2019-10-03というか、本作だけではなくて、前作にあたる『さいはての中国』(小学館新書)、今春でた『性と欲望の中国』(文春新書)もご恵投いただいていた... kinbricksnow 2019-10-14T13:00:46+09:00 書評 <![CDATA[
    安田峰俊『もっとさいはての中国』(小学館新書)を読了。
    というか、本作だけではなくて、前作にあたる『さいはての中国』(小学館新書)、今春でた『性と欲望の中国』(文春新書)もご恵投いただいていたのだが、なかなか忙しくて通読できずにいたのを一気に読んだ。


    さいはての中国 (小学館新書)
    安田 峰俊
    小学館
    2018-10-03


    性と欲望の中国 (文春新書)
    安田 峰俊
    文藝春秋
    2019-05-20



    いやはや、面白い。別版元の『性と欲望の中国』も含めて、まるで続きもののような「さいはて」っぷりが味わえる。思いつくままに3冊の舞台、テーマを列挙してみよう。
    続きを読む ]]>
    監視社会化する世界を知るために、『幸福な監視国家・中国』出版のお知らせ https://kinbricksnow.com/archives/52031525.html 新刊『幸福な監視国家・中国』が2019年8月10日に出版されます。中国の監視社会化、社会信用システム、信用スコアに関する誤解、デマ、誇張がすさまじい勢いで蔓延していることを腹立たしく思っていたところ、神戸大学の梶谷懐教授から共著のお誘いをいただき、出版させていた... kinbricksnow 2019-08-09T14:33:47+09:00 コラム <![CDATA[新刊『幸福な監視国家・中国』が2019年8月10日に出版されます。

    中国の監視社会化、社会信用システム、信用スコアに関する誤解、デマ、誇張がすさまじい勢いで蔓延していることを腹立たしく思っていたところ、神戸大学の梶谷懐教授から共著のお誘いをいただき、出版させていただくことになりました。

    さまざまな論点があるのですが、大枠については「はじめに」「おわりに」を公開いたしますので、こちらをご覧いただけましたら(PDF)。

    個人的に一番強調したい点は、「監視は権力VS市民の二項対立では捉えられない」という点です。監視社会というと、独裁政権の支配のためのツールのようなイメージをもたれがちですが、それだけではなく、今ではさまざまなビジネスを加速・強化させるツールであり、安心をもたらすツールともなっています。さらに個人情報はひたすら盗られるだけのものではなく、情報を積極的に提供することによって個々人に利益がある、個人情報を守るよりも積極的に提供するほうが利益が大きいという局面も生じています。

    「監視社会はすばらしい!」というつもりは毛頭ないのですが、凡百の書が論じているような「ここが危ない、こういうリスクが、あれも不安」という心配だけを煽るような話ではもはや全体像がつかめないのです。多面的な視点から監視社会の現在を知る必要がありますし、そのためには中国という事例は絶好の教科書となっています。ここがもう一つの強調点で、「中国の監視社会は怖い。日本とは別の世界」という理解が広がっていますが、私はおそらく日本も中国と同じ方向に進んでいくと考えています。「中国という別世界の話」を知る本ではなく、日本の近い将来を考えるための本にするつもりで書きました。

    ご興味を持った方はぜひ手に取っていただけましたら。


    梶谷懐・高口康太『幸福な監視国家・中国』NHK新書、2019年。

    表紙
    続きを読む ]]>
    中国は本当に進んだ国なのか?『中国S級B級論』を出版しました https://kinbricksnow.com/archives/52028421.html 私が編著を務めた『中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国』が発売されました。私の他に中国経済の研究者である伊藤亜聖さん、中国政治ウォッチャーの水彩画さん、アジアITライターの山谷剛史さん、中国アナリストの田中信彦さんという豪華な顔ぶれに寄稿していただき... kinbricksnow 2019-05-23T13:12:23+09:00 コラム <![CDATA[私が編著を務めた『中国S級B級論 ―発展途上と最先端が混在する国』が発売されました。


    55621034_304275296920859_124163398538625024_n

    私の他に中国経済の研究者である伊藤亜聖さん、中国政治ウォッチャーの水彩画さん、アジアITライターの山谷剛史さん、中国アナリストの田中信彦さんという豪華な顔ぶれに寄稿していただきました。

    なぜ、こんな奇妙なタイトルの本を作ったのか。その思いは本書の「はじめに」に込めてあります。出版社の許可をいただけたので、以下に掲載いたします。 続きを読む ]]>
    アメリカはなぜ中国を信じられないのか?外商投資法から読み解く(高橋) https://kinbricksnow.com/archives/52028117.html 米中貿易摩擦が激化している。5月5日にトランプ大統領がツイッターで関税引き上げを発表するまでは合意間近と言われていただけに、その急変ぶりには驚くばかりだ。米中は昨年12月の首脳会談で二国間協議に合意した。中国は米国産大豆の購入など“秋波”を送ってきた。今回取... kinbricksnow 2019-05-12T20:30:19+09:00 コラム <![CDATA[米中貿易摩擦が激化している。5月5日にトランプ大統領がツイッターで関税引き上げを発表するまでは合意間近と言われていただけに、その急変ぶりには驚くばかりだ。

    米中は昨年12月の首脳会談で二国間協議に合意した。中国は米国産大豆の購入など“秋波”を送ってきた。今回取りあげる外商投資法もその一つだ。 3月15日、中国の全国人民代表大会(日本の「国会」に相当)で「外商投資法(リンク先は中国語)」が可決された。2020年1月1日に施行される。

    中国企業と外資企業の平等が盛り込まれるなど、この法律をきっかけに外資企業の待遇が改善するのではと期待する声もあるようだが、本当にそうだろうか。 外商投資法の中身に踏み込む前に、まず中国の企業に関する法律とその歴史について触れておこう。というのも、つぎはぎで作られた、複雑な法律だからだ。


    続きを読む ]]>
    弁護士と「公正」~中国弁護士制度史 https://kinbricksnow.com/archives/52025143.html 2019年2月1日の『朝日新聞』12面には「中国の司法:弁護士の権利を守れ」という社説が掲載された。この社説では、中国共産党批判を行う弁護士が中国で拘束される問題をあげ、以下のように述べる。「中国のような一党支配国家でも、公正な司法が社会秩序の土台にあるべきだ。... kinbricksnow 2019-02-16T15:52:13+09:00 コラム <![CDATA[
    2019年2月1日の『朝日新聞』12面には「中国の司法:弁護士の権利を守れ」という社説が掲載された。この社説では、中国共産党批判を行う弁護士が中国で拘束される問題をあげ、以下のように述べる。「中国のような一党支配国家でも、公正な司法が社会秩序の土台にあるべきだ。弁護士の権利さえ守れないようならば、司法のシステムが機能を失い、国の統治も不全に陥る」。

    しかし、この主張は的を射ているのだろうか。中国の弁護士(中国語原文では「律師」)制度について考えてみたい。

    続きを読む ]]>
    中国「デジタル・イノベーション」の実力(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52024974.html 伊藤亜聖・東京大学准教授との対談が、雑誌『公研』(2019年1月号)に掲載されました。中国「デジタル・イノベーション」の実力(リンク先はPDF)・中国テクノロジーの現在地・中国発イノベーションが生まれた背景~政府主導か民間主導か・米中対立がもたらす波紋といった内... kinbricksnow 2019-02-11T12:26:56+09:00 コラム <![CDATA[伊藤亜聖・東京大学准教授との対談が、雑誌『公研』(2019年1月号)に掲載されました。

    中国「デジタル・イノベーション」の実力(リンク先はPDF)

    ・中国テクノロジーの現在地
    ・中国発イノベーションが生まれた背景~政府主導か民間主導か
    ・米中対立がもたらす波紋

    といった内容について話しています。『公研』の許可をいただき、無料で公開いたしますので、興味を持った方はぜひご一読を。

    また、伊藤准教授と一緒に2月14日にイベントを開催します。
    「“中国のシリコンバレー”深圳と“世界一のマーケット”義烏 レンズが映したギラギラ中国」
    時間 _2月14日 20:00~22:00 (19:30開場)
    場所 _ 本屋B&B
    東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
    入場料 _ ■前売1,500yen + 1 drink
    ■当日店頭2,000yen + 1 drink
    イベントのご予約はこちらから
    002

    昨年、中国を一緒に取材した写真家の塩田亮吾さんのカメラが切り取った中国の現状を切り口として、高口と伊藤准教授が解説するというちょっと毛色が変わったイベントです。活字ベースではついつい見過ごしてしまうような、中国の姿を掘り起こしていきますので、ご興味のある方はぜひお越し下さい。
    ]]>
    イベント「“中国のシリコンバレー”深圳と“世界一のマーケット”義烏 レンズが映した中国」 https://kinbricksnow.com/archives/52024315.html イベントを開催します。「“中国のシリコンバレー”深圳と“世界一のマーケット”義烏 レンズが映したギラギラ中国」時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)場所 _ 本屋B&B東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F入場料 _ ■前売1,500yen + 1 drink■当日店頭2,000yen + 1 dri... kinbricksnow 2019-01-23T12:32:09+09:00 コラム <![CDATA[イベントを開催します。

    「“中国のシリコンバレー”深圳と“世界一のマーケット”義烏 レンズが映したギラギラ中国」
    時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
    場所 _ 本屋B&B
    東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
    入場料 _ ■前売1,500yen + 1 drink
    ■当日店頭2,000yen + 1 drink

    イベントのご予約はこちらから!

    続きを読む ]]>
    専門家が読み解く、中国「改憲」の内実(高橋) https://kinbricksnow.com/archives/52011540.html 2018年3月11日、全国人民代表大会(全人代)において、中華人民共和国憲法の改正が決議されました。実に14年ぶりの改正です。その要点はどこにあるのでしょうか? kinbricksnow 2018-03-19T11:30:37+09:00 コラム <![CDATA[
    2018年3月11日、全国人民代表大会(全人代)において、中華人民共和国憲法の改正が決議されました。実に14年ぶりの改正です。その要点はどこにあるのでしょうか?

    続きを読む ]]>
    週刊エコノミストに製造業とECの記事を書きました(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52011172.html 週刊エコノミスト2018年3月20日号の特集「爆速イノベーション 中国の技術」にECと製造業に関する記事を寄稿しました。週刊エコノミスト 2018年03月20日号 [雑誌] [Kindle版]毎日新聞出版2018-03-12 kinbricksnow 2018-03-11T09:46:08+09:00 コラム <![CDATA[週刊エコノミスト2018年3月20日号の特集「爆速イノベーション 中国の技術」にECと製造業に関する記事を寄稿しました。




    続きを読む ]]>
    チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相に独占インタビュー(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51968208.html ニューズウィーク日本語版に寄稿しました。寄稿しました。チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相に独占インタビュー。「ウイグル絶望収容所の起源はチベット」センゲ首相インタビュー 2018/02/21<共産党の過酷な監視と弾圧が続く中、歴史的なジョカン寺院炎上の衝撃はチ... kinbricksnow 2018-02-21T17:12:13+09:00 コラム <![CDATA[ニューズウィーク日本語版に寄稿しました。

    寄稿しました。チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相に独占インタビュー。

    「ウイグル絶望収容所の起源はチベット」センゲ首相インタビュー 2018/02/21
    <共産党の過酷な監視と弾圧が続く中、歴史的なジョカン寺院炎上の衝撃はチベット人に衝撃を与えた。ダライ・ラマ引退後の亡命政府を率いるセンゲ首相が語るチベットの現状と展望>


    続きを読む ]]>
    「OPPO」の日本進出を読み解く(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51988131.html WEDGE Infinityに寄稿しました。5G携帯は中国勢の天下か、「OPPO」の日本進出を読み解く 2018/02/08ファミコン互換機「小覇王」の遺伝子を持つOPPOが世界4位のメーカーとなり、日本進出を果たしたというストーリーは、この30年あまりの日中電機産業逆転の象徴のようです。 kinbricksnow 2018-02-08T12:42:53+09:00 コラム <![CDATA[WEDGE Infinityに寄稿しました。

    5G携帯は中国勢の天下か、「OPPO」の日本進出を読み解く 2018/02/08
    ファミコン互換機「小覇王」の遺伝子を持つOPPOが世界4位のメーカーとなり、日本進出を果たしたというストーリーは、この30年あまりの日中電機産業逆転の象徴のようです。


    続きを読む ]]>
    娯楽愛国映画と中国・アフリカ関係、そして山寨王(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52008772.html 週刊東洋経済に寄稿しました。週刊東洋経済 2018年1月20日号 [雑誌](その契約、本当に必要? 保険に騙されるな) [雑誌]東洋経済新報社2018-01-15中国の大ヒット映画『戦狼2』(ウルフ・オブ・ウォー)を切り口に、中国・アフリカ関係の今を描く6ページです。『戦狼2』(ちなみ... kinbricksnow 2018-01-17T18:33:56+09:00 コラム <![CDATA[中国の大ヒット映画『戦狼2』(ウルフ・オブ・ウォー)を切り口に、中国・アフリカ関係の今を描く6ページです。『戦狼2』(ちなみに1を見ていなくてもまったく問題なし)は、「中国共産党の描く世界観、安全保障観」を知るために格好の作品であると同時に、きわめてハイレベルなバカアクション映画です。

    ストーリーがきっちりしてないとイヤ!という方には絶対オススメできませんが、B級アクション好きには見逃せない一作かと。冒頭の水中戦から始まり、市街地での戦闘、カーチェイス、ドローンとの戦い、戦車戦、カンフーバトルと盛りだくさん。特に戦車戦はめっちゃよくできているので、戦車道好きな方もぜひ。監督・主演のウージンは元カンフー王者ということもあり、アクションのレベルは折り紙つきです。

    また要所に入るギャグもなかなか。東京国際映画祭では日本人観客からもたびたび笑い声が上がっていました。

    続きを読む ]]>
    渾身の記事を書きました、「海外ライターの暗黒面」に陥らないために(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52007320.html ニューズウィーク日本版(2017年12月19日号)の特集「日本を置き去りにする作らない製造業」に寄稿しました。計7ページも担当させていただきました。ありがたや。スマートフォン業界を題材に「中国製造 メイドインチャイナ」から「中国設計 デザインバイチャイナ」へと転換... kinbricksnow 2017-12-13T23:01:36+09:00 コラム <![CDATA[ニューズウィーク日本版(2017年12月19日号)の特集「日本を置き去りにする作らない製造業」に寄稿しました。計7ページも担当させていただきました。ありがたや。

    スマートフォン業界を題材に「中国製造 メイドインチャイナ」から「中国設計 デザインバイチャイナ」へと転換する最前線を取材しています。メインの取材対象となったウイングテック、アイディアのスマホ設計会社は黒子の存在ということもあり、日本ではあまり知られていませんが、前者は年間6000万台のスマホ製造にたずさわるモンスター企業、後者はスマホの心臓部であるSoCをスマホだけではなく、VR、ドローン、IoTと多分野開発することに積極的な気鋭の企業です。

    そして中国は深圳でEMS(電子機器受託製造)企業を営む藤岡淳一さんに大きな枠組みを提示していただきました。


    続きを読む ]]>
    中国ネットの検閲回避策、「音声ファイルによる拡散」が新トレンドに(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52007317.html iRonnaに初めて寄稿しました。なんかすごいタイトルをつけていただいています……。 ネット検閲に1千万人動員 「ノミの心臓」習近平の世論操作  持ちネタの検閲話で依頼を受けたのですが、せっかくならばと最新事情である「音声による拡散」も軽く盛り込んでいます。 僕... kinbricksnow 2017-12-13T22:14:27+09:00 コラム <![CDATA[iRonnaに初めて寄稿しました。なんかすごいタイトルをつけていただいています……。

    ネット検閲に1千万人動員 「ノミの心臓」習近平の世論操作 

    持ちネタの検閲話で依頼を受けたのですが、せっかくならばと最新事情である「音声による拡散」も軽く盛り込んでいます。 僕自身も最近取材でわざわざメールやチャットではなく、音声を使うことが増えています。

    なぜ音声か。

    テキスト→検索しやすくてさくさく見つかる
    画像に文字埋め込み→昔の主流だったが文字認識ソフトの能力向上でダメに。
    動画→配信サイトの自主規制が強力。ファイルサイズがでかくて取り回しが大変。
    音声→ファイルサイズが小さいので大量に流通。そのすべてを音声認識して検閲はまだ無理。

    というわけで音声がいいんじゃないのということのよう。まあ音声認識も日進月歩なので、ネットを飛び交う全音声ファイルをテキスト化して検閲という攻殻機動隊のような世界も近いのでしょうが。


    トップページへ ]]>
    中国人オタクの生態とスラングの記録、『中華オタク用語辞典』(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52003257.html 在日中国人の八子さんから同人誌『中華オタク用語辞典』を献本頂きました。 kinbricksnow 2017-09-27T15:24:56+09:00 書評 <![CDATA[在日中国人の八子さんから同人誌『中華オタク用語辞典』を献本頂きました。


    IMG_20170927_150752

    続きを読む ]]>
    中国経済って今どうなってるの?津上俊哉『「米中経済戦争」の内実を読み解く』(高口) https://kinbricksnow.com/archives/52000669.html 津上俊哉氏の新刊『「米中経済戦争」の内実を読み解く』(PHP新書、2017年)が出版された。2013年の『中国台頭の終焉』(日経プレミアシリーズ)、2014年の『中国停滞の核心』(文春新書)、2015年の『巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想』(角川新書)に続く新書シリー... kinbricksnow 2017-08-10T20:30:13+09:00 書評 <![CDATA[津上俊哉氏の新刊『「米中経済戦争」の内実を読み解く』(PHP新書、2017年)が出版された。

    2013年の『中国台頭の終焉』(日経プレミアシリーズ)、2014年の『中国停滞の核心』(文春新書)、2015年の『巨龍の苦闘 中国、GDP世界一位の幻想』(角川新書)に続く新書シリーズ第4弾である。

    一連の著作を私は「中国経済、行く年来る年」と呼んでいる。直近1年間の中国経済のホットトピックが簡潔にまとめられた著作として毎年楽しみにしていたためだ。2016年の出版がなく残念に思っていたが、今年復活したのはなんともありがたい話である。

    続きを読む ]]>
    なぜ中国政府は劉暁波の平和思想を受け入れられなかったのか?中国法から考える(高橋) https://kinbricksnow.com/archives/52000293.html 中国法の専門家である高橋孝治氏よりご寄稿をいただいた。平和的な政治改革を迫る劉暁波の思想はなぜ中国政府に受け入れられなかったのか。そもそも劉暁波氏と中国政府の間では「民主」「人権」「憲政」といった用語の定義から大きく異なっており、両者には歩み寄る余地がな... kinbricksnow 2017-07-31T20:26:31+09:00 コラム <![CDATA[
    中国法の専門家である高橋孝治氏よりご寄稿をいただいた。平和的な政治改革を迫る劉暁波の思想はなぜ中国政府に受け入れられなかったのか。そもそも劉暁波氏と中国政府の間では「民主」「人権」「憲政」といった用語の定義から大きく異なっており、両者には歩み寄る余地がなかったと分析している。


    【追悼・劉暁波氏】劉暁波「08憲章」の法思想

    2017年7月13日、ノーベル平和賞受賞で有名な劉暁波氏が亡くなった。劉暁波氏は中国の民主化を訴え続けた人権活動家であり、多くの著作を残している。これら著作の中で最も有名なのが2008年12月9日に公開された「08憲章」であろう。ここでは、劉暁波氏が遺した「08憲章」に流れる法思想を見ていきたい(註1)。
    続きを読む ]]>
    「同性婚未保障」の民法は違憲、台湾の違憲審査がはらむ危険性(高橋) https://kinbricksnow.com/archives/51997017.html 2017年5月24日、台湾の司法院は「同性婚を保障していない民法は違憲」との大法官解釈を示しました(中華民国106年5月24日院台第二字第1060014008号)。この解釈により、立法院は2年以内に同性婚を認める法改正を実施する必要があります。またもし法改正をしなかった場合でも... kinbricksnow 2017-05-30T20:30:01+09:00 コラム <![CDATA[2017年5月24日、台湾の司法院は「同性婚を保障していない民法は違憲」との大法官解釈を示しました(中華民国106年5月24日院台第二字第1060014008号)。この解釈により、立法院は2年以内に同性婚を認める法改正を実施する必要があります。またもし法改正をしなかった場合でも、2年後には現行法の下で同性婚が可能となります。今回はこの解釈がはらむ問題性を考えます。

    続きを読む ]]>
    ビンロウ売りの女性「檳榔西施」を追った写真展『遙遠近景』―台湾・台北市 https://kinbricksnow.com/archives/51995733.html カメラマンの山本大悟さんから写真展『遙遠近景』のご案内をいただきました。「檳榔西施」をご存知でしょうか。ちょっとセクシーな格好をしたビンロウ(かみタバコのような嗜好品)を売る女性を意味する言葉です。今ではだいぶ数が減ったようですが、かつては台湾の風物詩と... kinbricksnow 2017-05-07T18:09:51+09:00 香港・台湾 <![CDATA[カメラマンの山本大悟さんから写真展『遙遠近景』のご案内をいただきました。

    「檳榔西施」をご存知でしょうか。ちょっとセクシーな格好をしたビンロウ(かみタバコのような嗜好品)を売る女性を意味する言葉です。今ではだいぶ数が減ったようですが、かつては台湾の風物詩として知られていました。
    続きを読む ]]>
    ブログもSNSも取材は禁止、人民日報のコピペだけにしとけ=中国政府の新ウェブメディア規制(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995676.html 2017年5月、中国国家インターネット情報弁公室は「インターネットニュース情報サービス管理規定」改訂版を発表した。「ブログもSNSも取材はあかん、コピペ推奨、ただし人民日報とかだけね」という新たな規定が盛り込まれている。 kinbricksnow 2017-05-06T20:30:24+09:00 コラム <![CDATA[2017年5月、中国国家インターネット情報弁公室は「インターネットニュース情報サービス管理規定」改訂版を発表した。「ブログもSNSも取材はあかん、コピペ推奨、ただし人民日報とかだけね」という新たな規定が盛り込まれている。

    続きを読む ]]>
    「中国モバイル決済の発達ぶりにビビる日本人」中国ネットユーザーの反応(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995651.html 先日、人気サイト「市況かぶ全力2階建」の記事「凄い勢いで進む中国のキャッシュレス社会、既に想像の遥か上に到達」がバズりました。中国ではアリペイ、ウィチャットペイなどモバイル電子決済がいかに普及しているかというツイートを集めたまとめです。このバズりが中国メ... kinbricksnow 2017-05-05T20:28:22+09:00 コラム <![CDATA[先日、人気サイト「市況かぶ全力2階建」の記事「凄い勢いで進む中国のキャッシュレス社会、既に想像の遥か上に到達」がバズりました。中国ではアリペイ、ウィチャットペイなどモバイル電子決済がいかに普及しているかというツイートを集めたまとめです。

    このバズりが中国メディアの目にとまり、複数の中国のネットで紹介されています。例えば第一財経の「中国移动支付震惊日本网友 为什么美国也落后那么多?」とかですね。大手ポータルが転載し、バイドゥ
    ニュースのトップに上がるなどかなりの注目を集めているよう。というわけで、記事やSNSのコメント欄を適当に眺めて目にとまった中国人の反応をざっくりとご紹介します。
    続きを読む ]]>
    検閲には困ってない?!中国コンテンツ企業の意外な本音(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995606.html 中国コンテンツの検閲問題について、ついついNGワードや細かい規定が話題となりがちなのですが、むしろジャンル規制こそが課題なのかもしれません。2017年5月2日、「超加速世界!激アツ!!深圳現地レポ」というイベントに登壇させていただきました。しつこく自著『現代中国... kinbricksnow 2017-05-04T21:30:43+09:00 コラム <![CDATA[中国コンテンツの検閲問題について、ついついNGワードや細かい規定が話題となりがちなのですが、むしろジャンル規制こそが課題なのかもしれません。

    2017年5月2日、「超加速世界!激アツ!!深圳現地レポ」というイベントに登壇させていただきました。しつこく自著『現代中国経営者列伝』を宣伝させていただいたのですが、観客の皆様には石を投げられることもなく、暖かく迎えて頂きました。

    5965330412992

    イベント中、中国ゲームの規制が話題に上がりました。「英語の使用が禁止されたため、STARTとはかけずに開始と表示しなければならない」「使ってはいけないNGワードが指定されているが、何が使ってはいけない言葉なのかは政府は公開していない」といった類の話です。
    続きを読む ]]>
    突如盛り上がってきた「中国スゲェ話」と中国ネットの「日本スゲェ話」(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995380.html 「日本ではいつから“中国経済はすごい”話がこんなに盛り上がっているの?!」数日前、中国・雲南省に住む某アジアITライター・Yから愚痴のような、泣き言のような電話がかかってきた。「もう20年近く中国事情をウォッチしてきたけどさぁ、最近中国が急にイケてるなんてこと... kinbricksnow 2017-05-04T21:29:23+09:00 コラム <![CDATA[「日本ではいつから“中国経済はすごい”話がこんなに盛り上がっているの?!」

    数日前、中国・雲南省に住む某アジアITライター・Yから愚痴のような、泣き言のような電話がかかってきた。

    「もう20年近く中国事情をウォッチしてきたけどさぁ、最近中国が急にイケてるなんてことはないと思うんだよね。家電やIT機器だったら、前より商売苦しくなっているところのほうが多いかもしれない。それなのにさ、なんか日本のメディアを見たらさ、今まで中国のことなんか見向きもしなかったライターがわしゃわしゃ“中国スゲェ、中国スゲェ”って記事書いているし。ツイッターとか見てても“中国スゲェ中国スゲェ”って騒いでいる人がごまんといるし。いったいわいが気づかない間に中国に、日本に何が起こったんや……。」

    と延々愚痴は続く。
    続きを読む ]]>
    日本人が知らない東京入管の大混雑(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995494.html 東京入国管理局の朝は早い。朝も早くから、まるで新装開店のパチンコ店のような大行列ができている。 kinbricksnow 2017-05-02T20:00:08+09:00 コラム <![CDATA[東京入国管理局の朝は早い。
    朝も早くから、まるで新装開店のパチンコ店のような大行列ができている。

    614831880

    続きを読む ]]>
    UPQ問題から考える「信頼」の日本モデルと中国モデル(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995358.html 日本家電ベンチャーのUPQ(アップ・キュー)が販売したディスプレイの「仕様誤表記」問題が話題になっています。すでにさまざまな記事が出ているこの話題に触れるつもりはなかったのですが、今日、ツイッターのタイムラインで以下のようなやりとりを見かけました。日本人ミス... kinbricksnow 2017-04-29T19:53:57+09:00 コラム <![CDATA[日本家電ベンチャーのUPQ(アップ・キュー)が販売したディスプレイの「仕様誤表記」問題が話題になっています。すでにさまざまな記事が出ているこの話題に触れるつもりはなかったのですが、今日、ツイッターのタイムラインで以下のようなやりとりを見かけました。


    続きを読む ]]>
    政府に逆らうと「住宅ローンの利子があがる」?ビッグデータで新型監視社会を目指す中国(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995303.html ここ1、2年、「ビッグデータ」という言葉が話題ですが、じゃあ具体的にビッグデータで何が起こるのか、何ができるのかというのはまだまだよく分からないという人がほとんどじゃないでしょうか。ですが、お隣の中国ではちょっと信じられないような勢いでビッグデータの活用が... kinbricksnow 2017-04-28T20:01:29+09:00 コラム <![CDATA[ここ1、2年、「ビッグデータ」という言葉が話題ですが、じゃあ具体的にビッグデータで何が起こるのか、何ができるのかというのはまだまだよく分からないという人がほとんどじゃないでしょうか。ですが、お隣の中国ではちょっと信じられないような勢いでビッグデータの活用が進んでいます。

    続きを読む ]]>
    怪物たちの生き様から描かれる中国経済の歩み、『現代中国経営者列伝』レビュー(UJC) https://kinbricksnow.com/archives/51995175.html 本サイトを運営する高口康太の新刊『現代中国経営者列伝』(星海社)が2017年4月26日に発売されます。都内大手書店には25日夕方頃から並んでいるようです。中国専門書店・東方書店さんには先ほど入荷したとツイートしていただきました。【入荷情報】高口康太『現代中国経営者... kinbricksnow 2017-04-25T19:28:49+09:00 書評 <![CDATA[本サイトを運営する高口康太の新刊『現代中国経営者列伝』(星海社)が2017年4月26日に発売されます。都内大手書店には25日夕方頃から並んでいるようです。中国専門書店・東方書店さんには先ほど入荷したとツイートしていただきました。



    さて、この『現代中国経営者列伝』について、ブログ「The Useless Journal of CHINA」(休止中)の管理人「UJC」氏にレビューをいただきました。ご本人の許可をいただいて転載させていただきます。本の特長を簡潔にまとめていただき、筆者も勉強になりました。

    続きを読む ]]>
    アリババ、シャオミ…、中国企業の経営者力=日経ビジネスにインタビューされた(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51995100.html 日経ビジネスオンラインの小平記者にインタビューしていだきました。アリババ、シャオミ…、中国企業の経営者力『現代中国経営者列伝』を上梓した高口康太氏に聞く kinbricksnow 2017-04-24T10:09:28+09:00 書評 <![CDATA[
    日経ビジネスオンラインの小平記者にインタビューしていだきました。

    アリババ、シャオミ…、中国企業の経営者力
    『現代中国経営者列伝』を上梓した高口康太氏に聞く


    続きを読む ]]>
    国境越えに浪漫を感じるのはなぜだろうか?(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51994879.html 先日、『「ポスト爆買い」時代のインバウンド戦略~日本人が知らない外国人観光客の本音~』(扶桑社、2017年)の出版記念の打ち上げに参加させていただいた。著者の中村正人さんはインバウンド評論家だ。 私もインバウンド関係の記事を何本も書いており、関心を持っているだ... kinbricksnow 2017-04-19T17:16:19+09:00 書評 <![CDATA[先日、『「ポスト爆買い」時代のインバウンド戦略~日本人が知らない外国人観光客の本音~』(扶桑社、2017年)の出版記念の打ち上げに参加させていただいた。

    著者の中村正人さんはインバウンド評論家だ。 私もインバウンド関係の記事を何本も書いており、関心を持っているだけに話が弾んだ。例えば、以前にこつこつリサーチしていたのに企画が没になった日本の「ブラック免税店」についても中村さんはブログエントリーとして発表している。

    中国メディアが名指しした新宿のブラック免税店を見に行ってみた : ニッポンのインバウンド“参与観察”日誌


    続きを読む ]]>
    中国憲法は今年改正されるのか?改憲で“習近平皇帝化”に布石(高橋) https://kinbricksnow.com/archives/51992289.html 2017年3月5日から、中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕します。これまで中国の国家主席は在任中に必ずと言っていいほど憲法改正をしてきました。日本では憲法改正というと一大事ですが、中国では憲法改正は頻繁に行われてきました。しかし、習近平はいまだ憲法改正を... kinbricksnow 2017-02-25T19:30:46+09:00 コラム <![CDATA[2017年3月5日から、中国では全国人民代表大会(全人代)が開幕します。これまで中国の国家主席は在任中に必ずと言っていいほど憲法改正をしてきました。日本では憲法改正というと一大事ですが、中国では憲法改正は頻繁に行われてきました。

    しかし、習近平はいまだ憲法改正をしていません。むしろ「習近平はなぜ憲法を変えないのか」が話題になるほどです。そろそろ中国憲法は改正されるのかについて考えてみたいと思います。

    続きを読む ]]>
    【動画】50人のダンサーが車上ポールダンス、台湾のお葬式(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51990106.html 「50人の女性が車の上でポールダンス」、台湾・嘉義県で不思議な葬儀が行われた。 kinbricksnow 2017-01-08T07:02:24+09:00 コラム <![CDATA[「50人の女性が車の上でポールダンス」、台湾・嘉義県で不思議な葬儀が行われた。


    続きを読む ]]>
    映画「君の名は。」が中国でも支持される秘訣(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51988826.html 東洋経済オンラインに寄稿しました。映画「君の名は。」が中国でも支持される秘訣 2016/12/11『君の名は。』の中国でのヒットですが、作品の魅力があるのはもちろんでしょうが、中国側の仕掛け、プロモーションが大きかったという要因があります。ようは中国側パートナーに“大... kinbricksnow 2016-12-11T09:57:56+09:00 コラム <![CDATA[
    東洋経済オンラインに寄稿しました。

    映画「君の名は。」が中国でも支持される秘訣 2016/12/11

    『君の名は。』の中国でのヒットですが、作品の魅力があるのはもちろんでしょうが、中国側の仕掛け、プロモーションが大きかったという要因があります。ようは中国側パートナーに“大作”として本気で扱ってもらったということになります。


    続きを読む ]]>
    「つれづれ亜州観望記」、あの安田峰俊さんのメルマガが始まった(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51987111.html 友人のルポライター、安田峰俊さんが新たに有料メルマガを始められました。本サイトでも多くの記事を寄稿してくれている安田さんですが、商業媒体にはかけないような取材こぼれ話だったり、あるいは書評などをまとめた内容となっています。月2回の発行。11月中に講読すると発... kinbricksnow 2016-11-09T17:24:04+09:00 コラム <![CDATA[友人のルポライター、安田峰俊さんが新たに有料メルマガを始められました。本サイトでも多くの記事を寄稿してくれている安田さんですが、商業媒体にはかけないような取材こぼれ話だったり、あるいは書評などをまとめた内容となっています。

    月2回の発行。11月中に講読すると発行済みの第1号も読めるそうです。ちなみに第1号はカンボジア取材のこぼれ話「「親日国」は確かだけれど 中国に傾斜するカンボジア」。中国支援で建設された新品の橋と、日本の援助で建設されたぼろぼろの友好橋という対比には切ないものがありました。


    続きを読む ]]>
    アジア発の科学技術イノベーションを知るために、JFASTご案内 https://kinbricksnow.com/archives/51987052.html アジア経済研究所の木村公一朗氏から「第 1 回 JFAST (Japan Forum for Asian Science and Technology)―アジアの科学技術イノベーションのための交流会―」のご案内をいただきました。アジアの科学技術イノベーション(STI)について、自然科学者、人文・社会科学者、ビジ... kinbricksnow 2016-11-08T13:09:25+09:00 まとめ <![CDATA[アジア経済研究所の木村公一朗氏から「第 1 回 JFAST (Japan Forum for Asian Science and Technology)
    ―アジアの科学技術イノベーションのための交流会―」のご案内をいただきました。

    アジアの科学技術イノベーション(STI)について、自然科学者、人文・社会科学者、ビジネス界、政策コミュニティの垣根なく意見交換していくための場を目指していきたいとのことです。欧米と日本が先行しアジアの途上国がキャッチアップするという既存のモデルから、アジア発の技術開発という新しい状況が生まれています。ロケット長征5号の打ち上げなど、「中国の技術を侮ってはならぬ」云々とは最近よく聞く話ですが、侮らないだけではなくて具体的にどのような状況になっているのか理解することは重要だし、面白いんじゃないかな、と。私も参加させてもらう予定です。




      続きを読む ]]>
    ドキュメンタリー映画「解明:深圳・華強北」を見た(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51985530.html 2016年8月、第5回ニコニコ技術部深圳観察会に参加しました。ツアー中、深圳開放創新実験室(Shenzhen Open Innovation Lab;SZOIL)を訪問した際、『解码 深圳・华强北』(解読:深圳・華強北)というDVD付きの書籍をいただきました。私が代表して預からせていただいているの... kinbricksnow 2016-10-10T21:51:58+09:00 書評 <![CDATA[2016年8月、第5回ニコニコ技術部深圳観察会に参加しました。ツアー中、深圳開放創新実験室(Shenzhen Open Innovation Lab;SZOIL)を訪問した際、『解码 深圳・华强北』(解読:深圳・華強北)というDVD付きの書籍をいただきました。私が代表して預からせていただいているのですが、その内容をざっくりとご紹介します。いきなりではわかりづらい話だと思いますので、興味がある方は木村公一朗さんのレポート「中国:深圳のスタートアップとそのエコシステム(増訂版)」や観察会主催者である高須正和さんの著書『メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 』をご覧下さい。

    続きを読む ]]>
    二重国籍を許さない中国の国籍法、それでも突破口を見つける中国人のトンチ(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51984358.html 先日、日本在住の中国人ジャーナリストの方と、話題の蓮舫さん話をしていたところ、驚くような話を聞きました。曰く、「日中国際結婚カップルが日本で出産すると、子どもは日本国籍しかもらえない。中国で出産すると、二重国籍になる」、と。いったいどういうことなんでしょ... kinbricksnow 2016-09-19T22:00:34+09:00 コラム <![CDATA[先日、日本在住の中国人ジャーナリストの方と、話題の蓮舫さん話をしていたところ、驚くような話を聞きました。

    曰く、「日中国際結婚カップルが日本で出産すると、子どもは日本国籍しかもらえない。中国で出産すると、二重国籍になる」、と。

    いったいどういうことなんでしょう?

    *ご指摘いただき、記事を修正しました。



    続きを読む ]]>
    アニメ映画でインバウンド需要を掘り起こし、「YOKOSO!EIGAKAN!」 https://kinbricksnow.com/archives/51981789.html アニメ映画でインバウンド需要掘り起こしを狙う企画「YOKOSO!EIGAKAN!」を取材しました。―――――――――日本の映画館で『ワンピース』を英語・中国語字幕付きで上映する理由<日本語が分からない外国人に映画館で日本の映画を観てもらう――それが外国語字幕付き上映企... kinbricksnow 2016-08-05T13:46:03+09:00 コラム <![CDATA[
    アニメ映画でインバウンド需要掘り起こしを狙う企画「YOKOSO!EIGAKAN!」を取材しました。

    ―――――――――

    <日本語が分からない外国人に映画館で日本の映画を観てもらう――それが外国語字幕付き上映企画「YOKOSO! EIGAKAN!」の狙い。アニメ映画によるインバウンド重要の掘り起こしを目指す今までにない取り組みだ。特に家族連れの旅行客をターゲットにしているというが、その背景には、家族向けサービスが少ないという日本の"おもてなし"の弱点もあるようだ>
     
    続きを読む ]]>
    【動画】貞子が八路軍に加入し日本軍を成敗、進化続ける中国ネットドラマ(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51979501.html レコードチャイナに「【動画】主人公は中国色に染まった貞子!中国のドラマで抗日戦士に!」という記事が掲載されていました。 この動画は「人民の貞子」とのタイトルで紹介されており、日本のホラー映画に登場する貞子が主人公を務めている。日本軍との戦いで得た戦利品の... kinbricksnow 2016-06-26T20:00:41+09:00 コラム <![CDATA[レコードチャイナに「【動画】主人公は中国色に染まった貞子!中国のドラマで抗日戦士に!」という記事が掲載されていました。

     この動画は「人民の貞子」とのタイトルで紹介されており、日本のホラー映画に登場する貞子が主人公を務めている。日本軍との戦いで得た戦利品の映画を中国の兵士が視聴した際、画面から貞子が現れる。通常なら悲鳴が上がるところだが、中国の兵士らは貞子を日本軍の被害者と勘違いし、仲間に迎え入れる。その後中国の兵士が日本軍の襲撃に遭い全滅すると、憤慨した貞子が復讐を実行する。貞子はどうやら日本軍の秘密兵器だったようだが、日本兵の前に現れた貞子の心はすでに中国に染まっており、その場にいた日本兵をせん滅し、「ほえろ正義の弾丸、復讐せよ人民の貞子!」と結んでいる。

      続きを読む ]]>
    都知事辞職から考える、日本と中国の"せこい汚職"問題(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51968761.html ジセダイ総研に寄稿しました。都知事辞職から考える、日本と中国の"せこい汚職"問題 - ジセダイ総研 | ジセダイ中国の汚職というと、トラック1杯の金塊とか、未公開株で数千億とかそういう話についつい目がいってしまうわけですが、8000万共産党員が日々日々享受している“せ... kinbricksnow 2016-06-23T18:10:05+09:00 コラム <![CDATA[ジセダイ総研に寄稿しました。

    都知事辞職から考える、日本と中国の"せこい汚職"問題 - ジセダイ総研 | ジセダイ

    中国の汚職というと、トラック1杯の金塊とか、未公開株で数千億とかそういう話についつい目がいってしまうわけですが、8000万共産党員が日々日々享受している“せこい”汚職、激安かつ安全安心な「中国版お役所ご飯」について。少しだけ頑張って国有企業の食堂料理人にインタビューしています。


    続きを読む ]]>
    「日本コンテンツ@中国」、日本マンガ学会著作権分会でお話してきました(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51971927.html 2016年2月23日、日本マンガ学会著作権分会で講師を務めさせていただきました。中国人亡命漫画家の辣椒(ラージャオ)も一緒です。「中国のマンガ・アニメ事情」というお題をいただきましたので、「中国における日本コンテンツの存在感」について話しました。「中国人はみんな... kinbricksnow 2016-02-24T15:56:56+09:00 コラム <![CDATA[2016年2月23日、日本マンガ学会著作権分会で講師を務めさせていただきました。中国人亡命漫画家の辣椒(ラージャオ)も一緒です。

    「中国のマンガ・アニメ事情」というお題をいただきましたので、「中国における日本コンテンツの存在感」について話しました。「中国人はみんな日本アニメにどっぷりや!中国政府の規制でテレビからは追い出されたけど海賊版があったからみんな日本アニメを見まくっていたんや!」という、よくある誤解の批判を念頭にしたお話でして。テレビで流通した時代には誰もが知っている国民的コンテンツがごろごろ存在していたのに、海賊版DVDの時代になると流通タイトル数は増えたにもかかわらず、オタク的人気はあってもマスの人気はからっきしになったこと、ネット配信でちょっぴり巻き返したけどもまた規制されるかもね云々といった内容です。

    続きを読む ]]>
    ニートが村を豊かにした……中国版「三年寝太郎」物語とインターネットショップ村(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51968136.html 中国の「淘宝村」(インターネットショップ村)をご存知ですか?淘宝とは中国EC最大手アリババが運営するネットショッピングモール・サイト。その淘宝がネットショッピング・ビジネスが超盛んだと認定した村のことを「淘宝村」と言います。ネット百科辞典「百度百科」による... kinbricksnow 2016-01-06T20:21:01+09:00 コラム <![CDATA[中国の「淘宝村」(インターネットショップ村)をご存知ですか?

    淘宝とは中国EC最大手アリババが運営するネットショッピングモール・サイト。その淘宝がネットショッピング・ビジネスが超盛んだと認定した村のことを「淘宝村」と言います。ネット百科辞典「百度百科」によると、「全世帯数の10%以上のネットショップがあること」「取引額が年1000万元(約1億8000万円)以上」という条件があるのだとか。2013年に20の村が初めて淘宝村に認定されました。2014年には淘宝村の数は200を超すまでに増えています。

    先日、NHKの番組「Asia Insiht」で最古の淘宝村の一つ、江蘇省徐州市睢寧県東風村が紹介されていました。人口5000人の村に、家具を製造、販売するネットショップが2000以上もひしめきあっています。

    続きを読む ]]>
    自撮り神器、切符略奪神器、部屋揺らし神器……中国の神ガジェットの数々(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51968059.html 「神器」という中国語があります。日本語に訳すならば「神ガジェット」でしょうか。今回の記事では数々ある「神器」をご紹介します。日本でも話題になった「神器」といえば、カシオのデジカメ「EX-TR」シリーズ。「自拍神器」(自撮り神器)と呼ばれています。  kinbricksnow 2016-01-05T20:26:06+09:00 コラム <![CDATA[「神器」という中国語があります。日本語に訳すならば「神ガジェット」でしょうか。今回の記事では数々ある「神器」をご紹介します。

    日本でも話題になった「神器」といえば、カシオのデジカメ「EX-TR」シリーズ。「自拍神器」(自撮り神器)と呼ばれています。

    20160105_中国_ガジェット_神器_01
      続きを読む ]]>
    中国バッシング報道がもたらしたもの、中国人をバカにする日本人店員たち(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51967989.html 昨年の新語・流行語大賞に選ばれました「爆買い」。日本にお金を落としてくれるのだから基本的にはありがたい話のはずですが、ネガティブな報道が多いと感じている外国人が多いようです。ある香港人からは「中国人と同じに見られたくないからあまり買い物をしないように注意... kinbricksnow 2016-01-04T20:30:52+09:00 コラム <![CDATA[昨年の新語・流行語大賞に選ばれました「爆買い」。

    日本にお金を落としてくれるのだから基本的にはありがたい話のはずですが、ネガティブな報道が多いと感じている外国人が多いようです。ある香港人からは「中国人と同じに見られたくないからあまり買い物をしないように注意している」という話を聞いたこともあります。

    確かにビジネス系はともかくとして、ワイドショーや週刊誌で中国人がよく書かれることはないのが現状でしょうか。この問題について、友人の在日中国人が興味深いコメントをしていたので、ご紹介します。


    続きを読む ]]>
    親中でも反中でもなく、「全力で現状維持」の台湾外交(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51962863.html 寄稿しました。台湾ではもう「反中か親中か」は意味がない ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト 親中か反中かは台湾政治の主な対立点ではない。ではいったい何が対立点なのか、いったい何が与党批判につながったのだろうか。 最大の要因はずばり経済低迷だ。現馬英... kinbricksnow 2015-11-13T18:36:16+09:00 コラム <![CDATA[
    寄稿しました。


    親中か反中かは台湾政治の主な対立点ではない。ではいったい何が対立点なのか、いったい何が与党批判につながったのだろうか。

     最大の要因はずばり経済低迷だ。現馬英九政権が誕生したのは2008年。馬英九総統は民進党の経済失政を追及し、国民党政権になれば景気は回復すると訴えた。馬英九の前、陳水扁政権(2000~2008年)の経済成長率は4~6%で推移していた。日本と比べれば十分な高成長だが、1980年代、90年代と比べると2~3ポイントは低下している。では馬英九政権はというと、中国との経済協力で成長率回復を狙ったはずが、成長率はほぼ2~3%と前政権以下で停滞している。

     低成長の国ニッポンの住民としては、たんに台湾社会が成熟化した結果としての低成長に陥っているだけとも見えるのだが、台湾の友人に言わせると、かつてはアジアの四小龍と並び称された韓国が台湾以上の成長率をキープしているではないか、韓国に負けているのは政権のポカが原因なのだという話になる。
    ]]>
    一人っ子政策はなぜ廃止されたのか?残された残酷物語(高口) https://kinbricksnow.com/archives/51961882.html 一人っ子政策廃止関連の記事を2本書きました。 一人っ子政策はなぜ廃止されたのか?"老いゆく中国"の今 - ジセダイ総研 | ジセダイ知られざる「一人っ子政策」残酷物語 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト前者は一人っ子政策制定の経緯につ... kinbricksnow 2015-11-05T19:48:15+09:00 コラム <![CDATA[一人っ子政策廃止関連の記事を2本書きました。

     一人っ子政策はなぜ廃止されたのか?"老いゆく中国"の今 - ジセダイ総研 | ジセダイ

    知られざる「一人っ子政策」残酷物語 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    前者は一人っ子政策制定の経緯について、後者はどのような残酷な人権侵害があったのかという話になっています。

      続きを読む ]]>