中国、新興国の「今」をお伝えする海外ニュース&コラム。
2011年11月02日
*2010年インド公開 原題:Enthiran/Robot 監督:S. Shankar 主演:ラジニ・カーント
第24回東京国際映画祭 | ラジニカーントのロボット(仮)
Endhiran the Robot Movie Website(公式ウェブサイト)
■ドギモを抜くCGを使ったラジニ節全開のパワフルなインド映画
インド映画を観ていて時々考えることがある。この作品は真剣にこれがすばらしいと思って作っているのか、それとも大真面目に悪ふざけをしているのか、と。いずれにしてもインド映画界のスーパースター、ラジニ・カーントを主役にし、世界の美女アイシュワリヤーをヒロインにし、こんな破天荒な作品を作ってしまうスタッフに感動すら覚えた。「ヒンディー語映画になんて負けないぜ」というタミルの本気を見せつけられた。
■ヒトに憧れるロボットの暴走
ストーリー自体はいたってシンプルで古典的だ。人間の感情を持ったスーパーロボット、チッティはあろうことか制作主である博士の恋人に恋をしてしまう。初めての恋に破れ、博士からも捨てられたチッティ。そこにつけこんで以前から博士のことを苦々しく思っており、欲に目がくらんだ博士の師に改造されてしまう。チッティは悪魔の心を持ち世の中を混乱に陥れ、やがて誰も制御できなくなり増殖し、暴走していく……。
昔からあるロボットの物語だ。それがアトムでもドラえもんでもエヴァンゲリオンでもなく、ラジニ・カーントだっただけのことだ。ラジニの魅力は最初はちょっと暑苦しい中年、というか年齢的には初老のインド人が、映画が終わる頃にはかっこいいヒーローに思わせてしまうところだ。
■驚愕の進化を遂げたボリウッドCG
この作品で何よりも特筆すべきことはCGがこれでもか、と使われていることだ。ヒンディー語映画ではリティック・ローシャン主演の『Krrish』がCGを用いたスーパーヒーローものだったが、ストーリーはスマートでCGは常識的に使われていた。
『ロボット』のCGは「いくらなんでもやり過ぎ」「そこまでやるか」といったクドさ満載で、これがまたタミル映画のよさでもある。途中でCGはラジニのために存在するのではないかと思えるほど、ラジニとCGの相性が異常なほど良い。ラジニの年齢的な体力の衰えなどまったく感じさせない。ここまでやればあっぱれというほどだ。
出てくるロボットたちがスター・ウォーズ風であったり、ターミネーター的なところがあったりするところもインド映画らしいパクリも辞さない開き直りで笑わせてくれる。唯一CGでないもの……アイシュの美しさは30代を超えて女子大生役だろうが、全く違和感なしだ。
(関連記事:「ボリウッド女優の生きる道=アラフォー女性が映画に出ない理由―インド映画評」2011年5月30日)
aishwarya_rai_123_zzaa.jpg / wave-rider
ちょっと気になってシャンカル監督を調べてみたら、なんとアイシュ主演で日本でも公開された『JEANS』の監督ではないか。1998年公開のこの作品も、CGがふんだんに使われていた。しかしまだまだ稚拙なもので、まあ当時のインドの技術であれば上出来……といったレベルだった。それが10年以上の時を経て、超超パワーアップして戻ってきたのだった。
');
label.html('\
ライブドアブログでは広告のパーソナライズや効果測定のためクッキー(cookie)を使用しています。
\
このバナーを閉じるか閲覧を継続することでクッキーの使用を承認いただいたものとさせていただきます。
\
また、お客様は当社パートナー企業における所定の手続きにより、クッキーの使用を管理することもできます。
\
詳細はライブドア利用規約をご確認ください。\
');
banner.append(label);
var closeButton = $('