耳障りの良い話を吹聴する経済学者の言うことを真に受けて、準備する機会を逸してしまうと、次に「餓死」の二文字が脳裏をかすめるようになるだろう。
目に前にある食料危機が見えない学者も、自分の不安を打ち消してくれる学者の言葉を待っている人も、ともに盲目なのである。
以下は、さくさくスムーズに読めるウェブマガジンの最新記事(4月16日配信)「食料輸入が細る!超インフレと間もなく始まる食料危機に備えようす」の導入(プロローグ)であり、メルマガ本文ではありません。
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米露対立の狭間で、食料戦略によって完全に支配されている日本
日本国民は、大東亜戦争(太平洋戦争)の終戦直後、国会議事堂の前でサツマイモを栽培していたことを知らない。
日本に帰還した兵隊が銃を鍬に持ち替えて、主婦たちとともに畑を耕していたのである。
(「国会議事堂前も芋畑 戦後の食糧難[23023004695]の写真素材」で検索のこと)
戦地から、あるいは捕虜収容所から帰還した当時の日本兵の皮膚は白かった。
長期の栄養失調になると、皮膚から白い粉が噴き出るのだ。
実際に、多くの日本兵が戦地で戦わずして亡くなっていった。
食料不足による餓死が招いたのだ。
上官の中には、自力で歩けなくなった部下に自殺を強要する人間もいたという。
置き去りにされて敵軍につかまった後、日本軍に関する情報を漏らさないようにするためである。
そんな惨状の中でも、日本が瞬く間に立ち上がることができたのは、終戦直後の食料自給率が88%もあったからである。
今は、どうだろう。
もっとも新しいデータでは、38%を切っている。
コメだけは自給率90%を達成しているというが、官僚は「平成のコメ騒動」が起こったことを国民の記憶から消し去りたいらしい。
第一、糖分だけでは人間は生きられない。
日本人にとって、海産物から採るタンパク源は、なくてはならない栄養素だ。
岸田政権は、頼まれてもいないのに、プーチンの娘にも経済制裁を加えている。
これにはワシントンも少なからず驚かされたらしい。
「岸田は、そこまでやってくれるのか」と・・・
自民党は、西側勢力の牛後となって、わけも分からずロシアへの制裁を強めるだけでなく、ここぞとばかり中国を挑発している。
さらに、日本政府は、ロシア産海産物の禁輸措置にまで言及するようになった。
おかげで、ロシアは、日本を「非友好国」から「敵国」に“昇格”させて、「そこまで言うなら我が国も、日本に北海のサケ・マスを売ってやらない」と脅し始めた。
自民党のポンコツ・ガラクタ世襲議員たちは、「とにかく、アメリカ様の言うことをきいていれば日本は安泰だ」と信じ込んでいる。
彼らの祖父、父親たちが徹底的に日本売りをやってくれたおかげで、自分たちのようなガラクタでも、議員バッジをつけて国会の赤じゅうたんの上を歩くことができると感謝しているのだろう。
中国共産党は、上海では、2500万人の市民すべてを対象に、ロックダウンの拡大と延長を決めた。
野菜などの食材を産地から運ぶトラックドライバーも、上海で荷を下ろすと一般市民と同じように14日間の隔離生活を余儀なくされる。
感染のリスクとともに、14日間も上海に足止めされるくらいなら、他の地域に荷を運んでいたほうがいいと上海向け陸送を拒否するドライバーが多くなっている。
これもまた、サプライチェーンの破壊に一役買っている。
行政は、とうとう形式だけの「食料配給制」に踏み切ったが、これがデタラメで高層マンションに隔離されている住民には届かない。
届いたとしても、25度以上の高い気温が続く上海では、すぐに腐ってしまう。
間もなく武漢でそうであったように、大量の餓死者が出るだろう。
そうすると、密かにやってきた衛生当局の職員は、無言のまま動物や人間の死体をゴミ収集車にいっしょくたに放り込んで立ち去るだろう。
5月以降の大洪水に三峡ダムは持ちこたえることができるだろうか。
上海のCovidを食い止めることができず、洪水によって肥沃な大地が水没すれば、日本には冷凍野菜が入ってこなくなるだろう。
岸田文雄は、どんな勝算があって、ロシアと中国を叩いているのだろう。
元農務長官のアール・バッツは、こう言った。
「アメリカの穀物は武器である。
食糧はアメリカが持つ外交上の強力な手段だ。
とりわけ、食糧を自給出来ない日本には有効である。
日本に脅威を与えたいのなら、穀物の輸出を止めればいいだけだ」
民主党政権の時、日本にやって来たリチャード・アーミテージは、こういった。
「とっとと改憲しろ。
食料は我がアメリカが提供するから心配するな。
それとも、何もせず、日本を二流国家にしたいというのか」・・・
今、アメリカの酷い状況を見れば、アーミテージがいかに未来予測のできない馬鹿であることが分かるだろう。
だいいち、戦争で国民を食べさせている三流国家のアメリカさんが日本に言うことではない。
生まれつきの乞食男、岸田文雄は、それを信じているのだろうか。
あーだ、こーだと言って手遅れにならないうちに、円の減価を防ぐ手立てを講じ、すぐに食料危機に備えるべきだ。
インフレとは、堰を切ると直線の右肩上がりではなく、幾何級数的に二次曲線を描いて上昇していくのだ。
今はギリギリのところで踏みとどまっているが、いったんタガが外れるとウナギのぼり状態となって、金本位制を復活させるか戦争を起こすかしなければ誰も止められなくなる。
日銀が4月12日に発表した「企業物価指数(2022年3月速報)」によると、2021年2月の対前年比マイナス0.6%からプラスに反転して、一気に9.5%(速報値)まで上昇している。
この上がり方は「毎年、加速度をつけている」から、幾何級数的に二次曲線を描く前兆となる。
インフレそれ自体よりも、「インフレ率の加速度」が重要なのである。
間違いなく、超インフレの前兆がはっきり出ているということだ。
時間は、そう残されていない。
しのごの言っていないで、自分の頭で考えて準備しておくべきだ。
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