・・・いずれにしても、中国の最終的なステップは、金(ゴールド)で暗号通貨の価値を裏付けることに変わりはないのです。
(※この記事は、メルマガ第220号パート1、パート2のダイジェストです。全文はメルマガでお読みください)
バノンの解任は、トランプにとっての最大の汚点となる
・・・これについて、ビジネス・インサイダー(8月16日付)は、自ら自由主義を標榜するコメンテ―ター、ロバート・カトナー(Robert Kuttner)との興味深いインタビューを掲載しています。
バノンは、このインタビューで、このように語っています。
「われわれは、中国との経済戦争のただなかにいる。今は北朝鮮問題より、米中経済戦争に集中しなければならない。
もし米国が中国との経済戦争に敗北した場合、米国の崩壊を決定づける“回復不能の変曲点”まで残されている時間は5年程度。どんなに長くても10年以内に米国の崩壊はやって来る」。
ロバート・カトナーのような健全な有識者たちは、バノンの主張を全面的に受け入れています。バノンの中国に対する見方は正しいのです。
米軍が北朝鮮を空爆すれば、30分以内にソウルで1000万人以上の死者が出る
・・・バノンの見方に問題があるとすれば、米国にとって“回復不能の変曲点”までは、おそらく5年もかからないだろう、ということです。
・・・北朝鮮軍が韓国の領土を攻撃し、韓国・米軍(日本は後方支援か)の連合軍との攻防戦が激化した場合、30分以内にソウルで1000万人以上の死者が出てしまうため、結局は、北朝鮮のほうが優勢であるとバノンは分析しているのです。
・・・バノンは、米軍がすべての部隊を韓国から撤収させるのと引き換えに、中国が北朝鮮に核保有を凍結させ、検証可能な検査を受けさせてこれに合格させる、という合意案を提起しました。
・・・韓国の学者キョン・スー・ロー(Kyong Soo Lho)が30年前に投じたコメントは、今になって真実であったことが証明されたのです。
彼は、このように言いいました。
「朝鮮半島は、米国、中国、日本、そしてソ連の4大国の重大な利益が収斂する北東アジアの極めて重要な地政学的戦略的立場に置かれてきた。韓国は歴史的に米中両国の緩衝地帯として、同時に、米国にとっての侵略ルートとして位置付けられてきた。
韓国は戦後の封じ込め戦略の焦点と象徴的な存在となっている」。(ロシア・ニュース・ナウ)
朝鮮半島で何が起ころうと、中国の相対的優位は変わらない
・・・ワシントンの民主党系のシンクタンク、「米国進歩センター(Center for American Progress)」の上級研究員、アダム・マウント(Adam Mount)は、バノンの考えに同意しています。
彼は、米軍の軍事演習と韓国の臨戦態勢に言及している8月16日のニューヨーク・タイムズの最近の記事を引用して、このように言っています。
「米韓北のテーブルにオファーをするチャンスがある。
われわれは、北朝鮮の思考や見方を変えさせる方法を見出すため、真剣に検討する必要がある」。
すでに退官したCIAの元アナリスト、ロバート・カーリン(Robert Carlin)は、この同じ記事を読んだ直後、韓国における米軍の軍事活動を縮小する方針に同意しています。
・・・結局、残されている選択肢は、米軍が韓国にとどまって、武力衝突も辞さずとばかりに北朝鮮の核開発計画を阻止するか、あるいは、日本と韓国に対して、北朝鮮を経済的にもっと締め上げるよう今まで以上に強く迫るか、二つのひとつです。
しかし、いずれの道を選択しようとも、中国の勝利は決まっています。
日本の安倍首相は、そうした狭間で、中国の「一帯一路」に参加したいという希望を仄めかすことによって、中国に対して明確で積極的なジェスチャーを見せています。
中国メディアの「百家号」は、日本にとって「安倍"低頭"表態"一帯一路"」という屈辱的な見出しを付けて弱腰日本の平身低頭を報じています。
「百家号」は、中国の検索サイト「百度」(バイ・ドゥ)が去年立ち上げた「庶民のためのニュースサイト」で、すでに中国の世論形成に大きな影響力を発揮しています。
しかし、実際は、習近平政権による中国人民の言論統制を目的としたプロパガンダ機関で、“「庶民」を装いながら、「政府の喉と舌」を代弁している”メディアです。
ニューズウィークは、これを「安倍首相、一帯一路協力表明--中国、高笑い」と見出しを付けて報じています。安倍政権は、今度もまた中国の術中に、まんまと嵌められてしまったのです。
中国は、暗号通貨の支配と金(ゴールド)裏付けされた新しい通貨制度の構築を進めている
・・・そのため、中国は金(ゴールド)を世界中から果敢に買い集めてきました。そのスピードは、今でもさして衰えていません。
中国は、金(ゴールド)中心の金融システム構築のために爆走しているのです。
・・・それを予見しているマックス・カイザーは、ドルの崩壊が近いことを何度も警告してきました。そして、金(ゴールド)の価値を裏付けとした新しい通貨の開発が急がれると。
また、「シルバー・ドクターズ」のジム・ウィリー(Jim Willie)は、去年の暮れに、米財務省の米国債の流動性の悪化を見て、米ドルの崩壊がすでに始まっていると警告しました。
この二人はオオカミ少年だったのでしょうか?
・・・ジム・ウィリーは、米ドルの崩壊必至を警告すると同時に、中国が金(ゴールド)を価値の裏付けとした新しい通貨制度の構築を急いでいることを伝えています。
仮想通貨リップルが高騰した背景に北朝鮮の脅威
・・・ちなみに、リップルは、米国のシリコンバレーにあるリップル・ラボが管理・運営している管理主体が存在する中央集権的な仮想通貨です。
それは、グローバル決済プラットフォーム「Ripple」上で決済されます。
この強力で広範な両替・決済機能をもったリップルの最大の顧客は、SBIホールディングスが主導している「内外為替一元化コンソーシアム」になりそうです。
「内外為替一元化コンソーシアム」とは、三菱東京UFJや三井住友をはじめとする日本のメガバンクや大手ネット銀行、ゆうちょ銀行や農林中金、商工中金、そして、地銀、第二地銀、信金など61行が参加する「内国為替と外国為替を一元化し、24時間リアルタイムでの送金インフラ」の構築を目指すグループのことです。
61行の預金額を併せると、日本の全預金額の80%程度に上ることから、確実に、日本の海外送金のかたちが大きく変わることになります。
この世紀の巨大プロジェクトを率いるSBIホールディングスCEOである北尾吉孝氏は、リップルの価値を飛躍的に高めることを宣言しています。つまり、リップルを利用する金融機関がさらに増えれば、時価総額が増えて、将来の値上がり期待が持てる仮想通貨ということができます。
これは、仮想通貨がもたらす、ほんの小さな変化に過ぎません。
日本のみならず、世界中の金融機関が大きく変貌を遂げるときが、すぐそこまで迫っているのです。
通貨による無血戦争を最初から放棄した米国と日本
・・・意外にも、金融先進国の米国が出遅れていますが、ジム・ロシャーズはじめ、多くの伝説的な投資家が、こぞって米国の長期債券の流動性の枯渇を警告しており、債券バブル、株式バブルの崩壊が現実的な問題として捉えられるようになれば、怒濤のように暗号通貨市場に逃避資金が流入してくるものと考えられます。
ロシアのプーチンが、ロシア生まれの暗号通貨「イーサリアム」の支援を表明し、ロシアが国家的事業として、イーサリアムやビットコインのマイニングへの取り組みを表明したことは、中国のマイナーたちに、将来の国際通貨、ビットコインとイーサリアムをコントロールされたくないからなのです。
ロシアと中国といった同盟国の間でも、暗号通貨のマイニングによって国際通貨の覇権を競い合う静かな戦争が始まっているのです。
・・・スティーブ・バノンが警告する「米国の崩壊を決定づける“回復不能の変曲点”まであと5年」という意味は、このまま米国が軍事ばかりに気を取られて何も手を打たなければ、暗号通貨によって、通貨の覇権が東洋に移ることを意味しているのです。
ビットコインの基軸通貨の地位はゆるがない
<省略>
ビットコインに見る「第三の権力」
・・・暗号通貨の最大の特長は、政府や中央銀行のコントロールを受けない非中央集権型であるということです。
しかし、マイニングという高度な作業を通じて「第三の権力」が生まれようとしています。
<省略>
米・共和党の議員が、政府の介入から暗号通貨を保護するための法案作成に取りかかっている
ビットコインが世界的に拡大している最大の要因は、北京もワシントンも、その過熱ぶりを、ほとんど無視しているからです。
「政府が規制しないこと」・・・それが、ビットコインの流動性を活発にしているのです。
しかし、ワシントンは無関心を装っていても、米議会では新たな動きが出ています。
それは、政府の規制ではなく、政府による介入からビットコインや他の暗号通貨を保護するための法案の原案作成といったかたちであらわれています。
ゼロヘッジでは、ワシントンD.Cの有力筋からの確かな情報として、その法律案の起草にとりかかっているグループを、「米・上院の共和党員1人と共和党下院議員2人の3人」と報告していますが、それが事実であれば、法案の制定に向けて今年の9月上旬に議会に諮るべく準備をしていることになります。
この3人は、その暗号通貨が、テロリスト、麻薬密売人、および違法なビジネス慣行に従事する人々によって使用されないよう、最低限の条件を満たしている場合、その暗号通貨が法的に保護されるよう、今秋にも法案を制定する意向を固めていると言われています。
おそらく、この情報が事実であることが判明した瞬間に、上場されている暗号通貨の値動きはさらに激しくなるでしょう。
逆に、ガセであることが分かれば、一時的にせよ、失望売りが起こるでしょう。
The Daily Callerは、「米議会がビットコインの検証にとりかかっている」と、控えめな見出しをつけて、このことを報じています。
この3人の共和党の議員に近い筋の情報提供者は、
「計画の中心的部分は、デジタル通貨を主流化することで、(将来的には)米ドルのように扱うことができるようにする、というものである。
すでに、他の流通とは違って、マネーロンダリング防止法に準拠した新しいデジタル通貨を発行することを検討している新しい企業が存在する」。
「そのとき」に備えて、金やビットコインに価値を移動させておくこと
「ドルをビットコインに置き換えるべきだ」と、公の場で主張したのは、おそらく、元共和党議員でリバタリアンのロン・ポールが最初でしょう。
彼は、4年ほど前にCNNに語っています。
本日のビットコインは、円建てて47万円を突破してきました。
ビットコインが誕生したのが2008年。それから比べると、なんと180万倍の価値が付いたのです。
・・・さて、ロン・ポールが、7月2日のCNBCに非常に興味深いことを述べています。
「10月までに株式が25%急落したとしても、金(ゴールド)が150%急騰すれば、それは、全体的なショックではない」。
簡単に言えば、10月までに米国の株式市場から資金が逃げ出して、大暴落したとしても、その資金が金(ゴールド)に移されたのであれば(経済価値の移動が金に向かって起これば)購買力は温存されるので、慌てふためくことはない、と言っているのです。
・・・さらに、ロン・ポールの言外の意味を汲み取れば、「株式市場は、いつ暴落してもおかしくないので、早々と手じまいして金(ゴールド)を買っておけば良い」ということになるのでしょう。
まもなく“ブラック・スワン”がやって来る
・・・では、頂点からの下落は、どのようなかたちで訪れるのでしょう。
ロン・ポールは、5月の時点では、「それは、ブラック・スワン」であると言っています。予期できないのです。
5月19日、彼がホストを務めている「ロン・ポール リバティー・リポート」では、『ブラック・スワン(The Black Swan)』の著者で、金融デリバティブの専門家であるナシム・ニコラス・タレブ(Nassim Nicholas Taleb)に訊いています。
このインタビューの中で、ナシム・ニコラス・タレブは、「ビットコインが、FRBのドルに置き換わる可能性」について示唆しています。
もちろん、タレブは、外貨政策と金融政策を切り離して考えており、財政と投資に関して確率で先を読むことを専門にしている専門家です。
もともとは、玄人の間では「天才」と言われてきたリアリストですから、ビットコインだけをフィーチャーしているわけではありません。
しかし、その彼をして、「ブラック・スワン」・・・予想不可能と言わしめる市場の大暴落とは、いったいどんな事態なのか、ドルがビットコインに置き換わる事態とは何なのか、米国最大の掲示板redittで、少しばかり議論されています。
結局、ビットコインの価値の裏付けは発掘の費用対効果に依存している
<省略>
大量の金(ゴールド)は、いったい誰が持っているのか
今年3月、「ビットコインの価値が金1(トロイ)オンスを超えた!」という記事が世界中を駆け巡りました。
なぜ、このニュースが、日本を除く西側諸国で話題になっているのか、真剣に考えた日本の暗号通貨投資家は皆無でしょう。
それは、上述したように、最終的に暗号通貨の価値を裏付ける基準は金(ゴールド)しかないからです。
・・・中国が、(人民元は当然として)中国の覇権的なマイナー勢によって、ビットコインが中央集権的な暗号通貨に変わりつつあると書きました。
そして、中国政府の最終的なゴールは、ビットコインの価値を金(ゴールド)で裏付けることですから、結局はビットコインもまた、中国の金融当局にコントロールされてしまうのです。
つまり、ビットコインに値付けする大量の金(ゴールド)は、いったい誰が持っているのですか?ということなのです。
もちろん、中国政府です。
「サトシ・ナカモト」が誰なのか、実は人々は知っている
ビットコインは、非中央集権型の通貨とはいえ、その電気代の安さから、中国のマイナーによって実質的に支配されています。
すでに、中央集権化を狙う覇権主義の中国勢と、それと正反対に、未来の民主的な通貨システムの構築を理想とするコア開発者たちと多くのビットコインユーザーたち。この両者の間で水面下で燻っていた確執が表面化したのが、8月1日のハードフォークでした。
・・・ロシアでは、※プーチンがイーサリアムへの支援を表明し、ロシアの国家的事業として暗号通貨のマイニングを位置付けたことで、すでに、そのシグナルは発せられています。
(※第162号パート1、パート2「2017年秋の暗号通貨の発行によって日本のメガバンクが日銀にとって代わる」にて詳述。ダイジェストはコチラ)
いっぽうの米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が、2015年3月の段階で、IBMの協力によって独自のデジタル決済システムを構築し、米国の通貨を仮想通貨にした上、その通貨システムを永続化する方法を協議しているとの声明を出しています。
(※メルマガ第198号パート1「各国の中央銀行が仮想通貨を発行-未来の支配者は誰か?(その1) 」を参照)
では、日本はどうでしょう?
それは、第162号パート1、パート2「2017年秋の暗号通貨の発行によって日本のメガバンクが日銀にとって代わる」で詳しく書いたように、東京三菱UFJが発行する暗号通貨「MUFGコイン」(仮称)の普及によって、同じようなことになるでしょう。
・・・ここに大きな問題が隠されているのです。
ビットコインは、確かに「サトシ・ナカモト」なる反政府、反権力のグループによって考案されました。
彼らは、一定の匿名性を持ちながら、民主的で政府の介入を許さないバーチャル通貨をつくりました。
それが、若者たちに瞬く間に受け入れられて世界中に広がっています。
暗号通貨市場には、インターネットの黎明期と同じように、もうしばらくは規制が入らないでしょう。
しかし、暗号通貨の普及は、インターネットの比ではありません。
おそらく、1年以内に暗号通貨の世界における“グーグルとフェイスブック”が、誰なのか明確になるでしょう。
そして、フェイスブックがCIAによって開発されたことが判明したように、「サトシ・ナカモト」なる人物が誰なのかも・・・
私は、それがCIAでないことを祈っています。
(この記事は、メルマガ第220号パート1、パート2の2本の記事のダイジェストです。全文はメルマガでお読みください)
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