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プレハブの建物が原型のまま残っている


福島第一原発の災害は「日本発の臨界事故」です。
18日から19日にかけて、臨界状態が7時間以上続きましたが、実は、日本の北半分が廃墟になるかどうかの瀬戸際だったようです。

御用学者たちは、相変わらず「想定外の津波のせい」と繰り返し言っています。

「地震対策は万全だった。ただ、想定していなかった大津波が致命傷になった。だから、誰にも責任はない」ということなのでしょう。

これは、想定外の津波のせいなどではありません。

地震発生後、数日経ってから、東電が「福島原発を襲った津波の高さは14メートル」と発表しました。
しかし、各原子炉の建屋の高さ(50~60メートル)と比較して、とうてい14メートルもあるとは考えられないのです。

もちろん、建屋がある場所は海面から数メートル高いところです。原子炉が格納されている建屋を襲い、タービン建屋の地下を浸水させたのは、その分を差し引いて数メートルの津波だったことでしょう。
つまりは、原子炉圧力容器を破損させたのは津波ではありません。

これから何が分かるか。

●東電の「津波14メートル説」に信憑性はあるのか、ということ。
●マスコミは、地震後、数日経ってから発表された「東電の津波14メートル」を疑っており、苦肉の策として国土交通省の防災ヘリからの映像を放送した。
●マスコミは、今でも東電に遠慮して、真実を報道できていない。(東電が情報を出さないので確証が得られないでいる)

壊滅的な被害を受けた三陸沿岸の市町村を襲った津波の高さも、14メートルとか、16メートルとか、もっとも高いところでは大船渡市の23メートルと報告されています。
次々と津波の高さについて報道される中、東電も「14メートルの津波」発表を行なったのです。

東電が、いまだに福島第一原発内に設置してある数台(数十台?)の監視カメラの映像を公開していない以上、状況から分析するほかないわけですが、本当に「14メートルの津波があった」のでしょうか。

東電の監視カメラには、津波が発電所の敷地内に押し寄せる映像が収められているはずです。
なぜ、いまだに公開しないのでしょうか?


「真実」が映っているからでしょうね。

5号機の建屋の高さは、この図面によると59.05メートルということになっていますから、他の建屋も、50メートル前後だと考えて間違いでしょう。
5号機、6号機は立地的に、他の1~4号機より少し高い場所にあるようです。


20110328-3.gif


この動画は、11日の午後5時に、国土交通省の防災ヘリが福島第一原発上空から撮影した映像です。



こちらの映像は、もっと長いです。
http://www.nikkei.com/video/?bclid=67421386001&bctid=848616330001

下は、キャプチャー画像です。

20110328-1.jpg


20110328-2.jpg



問題は津波ではなく、日本は震度7で広大な廃土になるかもしれない、ということ

(たしか)20日に放送されたテレビの福島原発特番で、福島第一原発の設計に当たっては、「チリ地震を教訓に、最大4.2メートルの津波を想定して設計された」と報告されていました。

コメンテーターとして出演していた原子力安全委員会の、ある委員が「非常用ディーゼル発電機のバッテリが8時間しか持たず、電源喪失することは想定外だった。原子力安全委員会の指針では、長時間にわたる電源喪失はありえないことなので」と語っていました。

つまり、「冷却水を汲み上げる給水ポンプが流された上に、非常時に電力を供給するディーゼル発電機もバッテリが切れた後、止まってしまった。だから、津波が問題なのであって、原発そのものは巨大地震が起こっても安全だ」と。

したがって、津波対策をしっかり行なえば、原発は今後も我が国のエネルギー政策にとって、不可欠なものである。

マスコミも、御用学者たちも、一様にこの考え方を受け入れているようです。


しかし、これは「目くらまし」です。
20110328-3.jpg


【福島第1原発:1号機でも高濃度水、核燃料の一部漏出か】毎日JP

東電によると水たまりは24日までに1~4号機で見つかった。タービン建屋の地下は2区画に区切られているが、配電盤などがある区画はすべて津波で 水没しており、その水深は▽1号機約40センチ▽2号機約1メートル▽3号機約1.5メートル▽4号機約80センチ。もう一つの区画に浅い水たまりが点在 しているという。東電は2、4号機の水たまりについても調べている。

3号機で見つかった水について東電の武藤栄副社長は25日、「原子炉側から出てきた可能性がある」と話した。保安院も「原子炉から何らかの理由で 放射性物質が漏れている可能性が高い」との見方を示しており、厳重に閉じ込められているはずの核燃料の一部が原子炉建屋の外に漏れ出た可能性がある。


一方、海水によって大きく破損されているのではないかと心配されていた各機の中央制御室には次々と照明が点灯しました。
各機の中央制御室の位置関係は、こちらの記事のイラストにあるとおり。
海水によるダメージは、それほどでもなかったようです。

つまり、津波による被害が福島第一原発の息の根を止めたのではなく、あくまで震度7の大揺れが原因なのです。

給水ポンプが津波に流されたということより、非常用ディーゼル発電機が作動しなかった、という事実のほうがよほど重要なのです。

そして、2号機にいくら注水しても燃料棒が露出したままでいるのは、原子炉圧力容器そのものか、あるいは途中のパイプが破損してしまったからなのです。

水蒸気爆発が起こる前、最初のうちは、どの建屋も原型に近い形をとどめていました。にも関わらず、その時点で、原子炉圧力容器などに亀裂・損傷が発生していたのです。

津波は二次被害であって、あくまで福島第一原発災害は地震の揺れによるものなのです。
非常用ディーゼル発電機が止まって、給水ポンプが津波に流されたから原子炉格納容器に冷却水を送り込むことができなくなったため「核が暴走した」のだ、というのは本末転倒です。

震度7で、福島第一原発は完全に破壊されました。完全に。

このことは、震度6の地震でも、大きな破損が起きることを意味します。

福島第一原発災害が、「想定外の津波のせいだ」と、今日もまた「すり替え」を行なうコメンテーター、御用学者たち。
彼らにとっては、国民の命などより、自分たちの飯のタネが大切なのです。

彼らが絶対に失いたくないもの、それは「日本の原発は安全だ」という「安全神話」なのです。
柏崎刈羽原発の教訓は生かされていないようです。

「福島原発は想定外の津波が原因だ」と言うかどうかで、“いわゆる”専門家の本質が分かります。これは、テレビのニュースを観るときの重要なポイントです。




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