今回も適当。ご容赦。雑談なので。

ホワイトブックスを知っているだろうか?

はっきり言うとこのレーベルを知っていたらそいつは変態だ。間違いない。
おそらく歴戦のラノベ読みも知らないくらいには無名のレーベルである。レッドライジングブックスよりも知名度が低いのではないだろうか(余談だが休刊するレーベルをレッドライジングブックス休刊事件に敬意を表し"レッドライジングる"という動詞を用いて表現した。嘘です
今日はそんなホワイトブックスについてのお話だ。

ホワイトブックスは2015年に創刊、2017年に廃刊と短命に終わったレーベルである。ちなみに2015年といえばライトノベルレーベル創刊ラッシュの時代で代表例を挙げるだけでも以下のレーベルが創刊されている。

・T-LINEノベルス(休刊)
・Mノベルス
・創芸社クリスタルブックス(休刊)
・NOVELiDOL(休刊)
・オーバーラップノベルス
・サーガフォレスト
・μノベル(休刊)
・カドカワBOOKS
・NOVEL0
・GAノベル
・モーニングスターブックス
追記: NOVEL0、GAノベル、モーニングスターブックスは2016年創刊とのことです。訂正します

休刊したレーベルも多いが、間違いなく2015年は第二次ライトノベルレーベル創刊ラッシュ(この流れは2017年まで続いた印象)だった。毎月のように新しいレーベルが創刊されてはTwitterでやれレーベルが多いだ、やれなろう小説の青田刈りだなどと言われた時代である。一方で今日まで続くなろう書籍化の本流を作った側面も見逃せない。

あっ、もちろんライトノベルだけで講談社タイガなんかのキャラ文芸も数多く創刊された。

特に新文芸?(っていう言葉は僕はあんまり好きじゃないのでソフトカバータイプのライトノベルレーベルとでも言おうか)のいまやトップレーベルとなったカドカワBOOKSの創刊が大きいだろうか。カドカワBOOKSは前身としてFUJIMI SHOBO NOVELSがあるため厳密には新レーベルとは言えないが、まぁそんな細かいことを気にする人はいないだろう。『蜘蛛ですが、なにか?』を筆頭としモンスター級のヒット作がゴロゴロと転がる。今年はこれまで長きにわたりソフトカバーレーベルの頂点だったアルファポリスの刊行点数を抜かすことは確実だ。その他にも安定した成績を出し続けるGAノベルス、オーバーラップノベルス。アニメ化作品も生まれたMノベルス。派手さこそないが堅実なサーガフォレスト、モーニングスターブックス。時代を先取りしすぎたNOVELiDOLに、編集長が甲冑を身につけインタビューを受けたにもかかわらず速攻で終了した創芸社クリスタルブックス(のお米小説はなんだったんですか)…と素晴らしいレーベルが数多く生まれた。

一方で、その多くがネット小説の書籍化レーベルであったことは揺るがぬ事実だ。

μノベルスは復刊がメイン、NOVEL0は書き下ろしがメインだったがそれ以外はなろう・カクヨムなどのネット小説を書籍化作品を中心としたレーベルである。NOVEL0は文庫であったため、当時ノベルスで書き下ろし小説を出したホワイトブックスがどれだけ異質な存在であるか、ラノベ読みを自認する人々にならわかっていただけると思う。

ホワイトブックスはあの当時間違いなく異質だった。
作品は全てが書き下ろし。なろう書籍化作品特有のキャッチーな長文タイトルもつけなければ安易なエロに走ることもない。かといって硬派な作品を出すのかといえばそれも違う。有識者?にわかりやすく伝えるならガガガ文庫と星海社FICSIONSの中間というイメージだろうか。

作家陣も全く無名の作家を起用したかと思えばラノベ読みには馴染みの深い森田季節、竹岡葉月といったベテラン勢。BL作家、ゲームデザイナーといった非常にバラエティに富んだ作家さんの作品を発表した。
特に森田季節さんの『てらめぐりぶ?』は寺社仏閣謎部活系百合ラノベという今後十年は確実に出ないであろう超ニッチジャンルの作品である。めっちゃ面白いよ。『てらめぐりぶ?』。

個人的に『てらめぐりぶ?』がすごく好き&当時はレーベル乱立にあまり良い印象がなかったため、ホワイトブックスを推していたが…当時はレーベルが創刊されることも廃刊することも珍しくなかった。しかし、こうして思い返すと改めて異質な存在だったということが伺いしれる。

ホワイトブックス発刊の作品はたったの7作品である。しかしライトノベルレーベル乱立時代だった5年前を語る上では外せないレーベルではないだろうか。

あとはmizunotoriさんあたりが補足してくれると思うので僕は仕事に戻る。