カテゴリ: 青春もの

どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのはさちはら一紗さんの

「ダンサー!!! キセキのダンスチーム【ヨルマチ】始動!」

です!
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☆感想☆

人と喋るのが得意ではない小学六年生のヤコ。そんな彼女は自分が表現できるダンスを踊り、顔を隠して動画として公開しネットで人気となっていた。そんなある日、ヤコがいつも踊っている夜の公園に1人の少年がやってくる。リヒトという少年に誘われて一緒にダンスを踊ったときにヤコは誰かと一緒に踊る楽しさに気づく。リヒトに誘われてダンスの大会に出ることになったヤコは同じクラスでバレエを習っているヒオを仲間にすることに。果たして3人はダンス大会を勝ち抜くことができるのか…

さちはら一紗さんの作品。個人的には「彼女は窓からやってくる」以来のさちはらさんの作品です。小学六年生のヤコの感情が等身大に表現されたダンスをテーマにした作品として楽しく読ませていただきました。面白かったです。

物語はヤコがリヒトと出会うところから始まります。引っ込み思案で喋るのが得意ではないヤコ。そんな彼女が唯一自分を表現できるのがダンス。有名な曲のダンスを踊っていとこのお姉ちゃんに動画をアップロードしてもらってネットの世界で人気。そんなヤコがいつも通り公園で踊っていると、リヒトという中学一年生の男の子がやってきて一緒にダンスを踊ることになります。誰かと踊ることの楽しさに気づくヤコの表情が印象的なシーンでしたね。

そしてヤコはリヒトに誘われて一緒にチームを組んでダンス大会を目指すことに!メンバーが1人足りない!ということでヤコのクラスメイトであるバレエを習っているヒオに声をかけることに。しゃべるのが得意ではないヤコが頑張ってヒオに声をかけるシーンは印象的でした!

しかしヒオは踊りでプロになることを目指しており、ヤコの誘いには簡単に頷きません。そんなヒオにヤコはダンスバトルを持ちかけます!ダンスで戦って、感情を表現して、お互いの気持ちをぶつけ合う。ダンスを披露する中でお互いのことがわかっていく過程がすごくよかったです!

そして中盤以降はダンス大会での勝利を目指して練習することに!リヒトの過去が明らかになったり、3人の結束力が徐々に強くなってチームとして強くなっていく過程が素晴らしい!リヒトのライバルであるライジも魅力的でしたね!

終盤はダンス大会の一番の盛り上がりを存分に味わうことができて、最後まで楽しくよませていただきました!児童書(YA?)ではありますが、いろんな方に読んでいただきたい作品です!もちろんダンスのことを知らなくても楽しめます!気になった方は!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

ダンサー!!! キセキのダンスチーム【ヨルマチ】始動!



著者

さちはら一紗



レーベル

カドカワ読書タイム


ISBN

978-4-04-684460-6

表紙画像のリンク先


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは東堂杏子さんの

「古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象」

です!
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☆感想☆

双子の兄妹である斉藤勇魚と真魚。2人は広島と福岡でそれぞれの生活を送っていた。勇魚は友人に恋人を奪われたショックを抱えながら、真魚は叔母に叶わない恋心を抱きながら日々を過ごしていた。そんなある日、2人に20歳離れた弟が誕生する。弟の誕生をきっかけに勇魚はマンションの隣室に住む飯田さんと、真魚は幼馴染である市原と距離を近づけていく。双子が離れた場所で送る青春の行き着く先は…

第31回電撃小説大賞メディアワークス文庫賞、川原礫賞受賞作。最近は賞をとってMW文庫からデビューされる方の作品は女性向けな印象が強かったですが、今作はしっとりとした青春小説でした。二十歳の感情と行動力を鮮やかに描く青春小説でした。面白かったです。

物語は失恋の傷が癒えない勇魚が漫画研究部と葉月先輩というオタク男と性行為をしようとする場面から始まります。ちょっと衝撃的な始まりですが、この後すぐに勇魚はマンションの隣室の飯田さんとセックスします。序盤は恋人を親友に取られた心の傷の深さで読者をぐさりと刺していくように勇魚が描かれます。

一方の真魚は20歳も年下の弟ができたこと、好きな人である叔母が結婚してしまうことを知りどこか荒れ気味に。真魚は勇魚と違い実家に住んでいることもあり、環境の変化を直接受けているのでそれが感情の起伏に直接つながりますね。

そして物語は勇魚と真魚の視点を交互に入れ替えながら進んでいきます。広島で隣室の飯田さんと恋をする勇魚。北九州で自分を壊していくかのように幼馴染の市原と体の関係を持つようになる。2人を繋ぐのは双子という関係性と20歳も年下の弟という存在しかない。でもどこか繋がっていて、リンクするような2人の生活に次第に飲み込まれていきます。

もちろん2人の生活には様々な問題が起こります。勇魚は飯田さんと常にうまくいくわけではなく、飯田さんのことを泣かせたり、逆に勇魚が不安になったりします。真魚も叔母への気持ちばかりではなく、塾でバイトをしたり市原と笑顔で過ごしたりもする。どうしようもない心の傷を抱えながらも、苦しみながらも、激流と緩やかな流れを繰り返しながら2人は青春を過ごしていきます。

終盤、実家に帰った勇魚と真魚の短いやりとりや、飯田さんや市原を巻き込んだ楽しい日々は印象的でしたね。鮮やかで苦しいけれど美しい。そんな青春を楽しませていただきました。青春もの好きならぜひご一読を。オススメです。

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象



著者

東堂杏子



レーベル

メディアワークス文庫


ISBN

978-4-04-916273-8

表紙画像のリンク先


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さて、今回感想を書いていくのは八目迷さんの

「終わらない冬、壊れた夢の国」

です!
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☆感想☆

ストーリー A
内容は、足を踏み入れた人が消えていく。そんな都市伝説がある老舗遊園地のサニーパーク。そんな遊園地に高校の友人たちと訪れた竜崎カシオは、友人の1人である小練菜々に人気のない場所に連れ込まれ…刃物で殺されてしまう。死んだと思ったカシオだが、彼が目を覚ますとなんとサニーパークに入園した朝に戻っていた。混乱するカシオの前に小寺あせびという女子高生が現れる。彼女もまたサニーパークから抜け出せず同じ1日をループしていた。ループから抜け出す方法は人を殺すこと。果たして正義感の強いカシオはこのループから抜け出すことができるのか…とこんな感じです!

〜遊園地の1日が終わらない〜

八目迷さんの新作!夏、春、秋と続いてきた時と四季シリーズの最終巻にあたる冬のお話ですね!今作は同じ1日を遊園地で繰り返すというループもので楽しく読ませていただきました!面白かったです!

まず序盤。カシオが遊園地で楽しい1日を過ごした後、友人の1人である菜々に殺されてしまうところから物語は始まります。正義感が強く警察官を目指しているカシオ。そんな彼が友人と遊んだ最後に菜々に刺されて殺されてしまう…楽しい1日だったからこそ菜々に殺されてしまう瞬間と呆気なさが際立ちますね。

そしてカシオはループに巻き込まれます。遊園地から出ると再び遊園地にやってきた朝に戻ってくるを繰り返す。そんなループに気づいたカシオは同じく遊園地でのループを繰り返す女子高生・小寺あせびに出会います。最初は戸惑うカシオですが、ループを何千回と繰り返すあせびにヒントをもらいながらこのループからの脱出方法を探っていきます。

誰かを殺すとループから抜け出せる、しかし殺した相手が今度はループに巻き込まれてしまう。ループを繰り返す中で疲弊しながら、時にはあせびと喧嘩をしたり遊園地を楽しみながら、ループから抜け出そうとするカシオ。もがき苦しんでいくカシオの様子はみていて辛い部分もありますが、それでも彼のことを応援したくなります。

途中明かされていく遊園地で起こった事件やカシオの過去、そしてあせびの過去が繰り返すループの中で良いスパイスになっていましたね。特にあせびの過去は彼女がどうしてこのループに巻き込まれているのかを知ることができるものでこれがまた胸を打ちます…あせびの明るく元気で飄々とした姿とのギャップがいいです。

終盤ではループから抜け出すためにカシオとあせびが協力してある作戦を実行します。なかなかアグレッシブな方法でしたが、2人がループから抜け出そうとするラストがとても印象的でした。最後まで楽しく読ませていただきました!面白かったです!

キャラ A
カシオは正義感が強くて精神的にタフな少年。ループの中でそんな彼の強さが徐々に削られていく過程は見ていて辛いですが、だからこそ彼があせびと手にしたラストが印象的でしたね!あせびはいつも元気でメンタルが削られるループの中でも飄々としていて緊張感のない女の子。ただ中盤以降、彼女のことを知るとその緊張感のなさの原因を知ることができて彼女の味方が変わりますね…そのほかのキャラも魅力的でした!

最後に
時と四季シリーズのラストに相応しい遊園地のループものでした!春夏秋冬全ての作品は出ましたが、八目迷さんの時間を扱った作品は好きなのでまた読みたいです!新作待ってます…!

どんな人にオススメか?
ループものが好きな方は!遊園地で同じ1日を繰り返すカシオとあせびの日々は苦しくも思わず応援したくなります!ラストもすごくいい!気になったかたは!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

終わらない冬、壊れた夢の国



著者

八目迷



レーベル

ガガガ文庫


ISBN

978-4-09-453228-9

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どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは小林早代子さんの

「アイドルだった君へ」

です!
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☆感想☆

小林早代子さんのデビュー作。前から気になっていたのですが、文庫化されたということで拝読させていただきました。主に女性目線からのアイドルを扱った短編集として楽しく読ませていただきました。以下各話の感想です。

くだばれ地下アイドル
地下アイドルをやっている男の子・内田くんと種村さんという面白いことをしてみたい他とは違う女の子を描いた作品。地下アイドルという存在の解像度の高さと、種村さんの見た目に反してどこか青春でもがいている感じが印象的でした。

犬は吠えるがアイドルは続く
アイドルになりたくて仕方ない蘭とアイドルに憧れたことのない希がコンビを組んでアイドルとして一時代を作っていくお話。アイドルだって所詮生身の人間で、泥臭い努力で成り立っていて、売れない時代もあって、とんでもなく売れた時代もあって…と中学時代にAKB48が流行った世代としては偶像としての彼女たちに強く惹かれました。ラストのセリフは印象的でした。

君の好きな顔
親友の推しアイドルに自分の顔を似せていく女子大生の話。序盤の早大生らしい(偏見)な大学生活のシーンと、ふとした拍子に親友の推しに顔を似せることにハマっていく夏子のゆっくりと変わっていく様子が印象深かったです。個人的に1番好きなお話でした。

アイドルの子どもたち
アイドルの子どもたちが出会い、恋をして、そして離れ離れになる物語。中学生の登場人物たちながらかなり肉肉しい感じかつアイドルからは一歩離れた作品なので、この短編集の中では一つ距離がある作品と感じました。とはいえ、アイドルの子どもという視点で描かれるアイドル像は興味深かったです。

寄る辺なくはない私たちの日常にアイドルがあるということ
アイドルの研修生が好きな女性が、アイドルに対する想いが異なる男性・神谷と出会い、推しに対する考えをぶつけ合っていく作品。いわゆる推しという存在に対する解像度の高さや、その宗派による違いを鋭く描き出しています。ラストを締めくくるのに相応しい作品でした。

以上5作品でした!
どれもアイドルを異なる視点から描いていて印象的な作品でしたし、現代におけるアイドルをしっかりと偶像として描いていると思いました。気になった方はぜひ!

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

アイドルだった君へ



著者

小林早代子



レーベル

新潮文庫


ISBN

978-4-10-105781-1

表紙画像のリンク先


どうも夏鎖です(≧∇≦)この感想はブログ「本達は荒野に眠る」のものです。無断転載は禁止しています

さて、今回感想を書いていくのは篠谷巧さんの

「夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体」

です!
⚠︎ネタバレありです!
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☆感想☆

ストーリー C
内容は、コロナ渦明けで日常を取り戻しつつある世界。受験勉強が本格化する前の思い出作りとして深夜の旧校舎に忍び込んだ半田理久、早坂紗季、堤宗太の3人は物置部屋で宇宙飛行士の死体を発見する。その死体は本物なのか、なぜ宇宙服を着ているのか、そして彼が持っていた謎の暗号は…チャーリーと名付けた死体の謎を解明することになるが…とこんな感じです!

〜宇宙飛行士の死体の正体は?〜

第18回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作!個人的はとてつもなく合いませんでした。以下面白いとは言わないので見たくない方はブラウザバックで。

いや買った当初からなんかヤバそうな感じがしてずっと積んでたんですよね。先日気まぐれに手に取ったのが間違いでした。

単純にこのあらすじ、暗号解読までの展開で、なんで最後に主要登場人物でもなんでもないポッと出の男の話に収束するのかわかりません。SFでもなんでもなくなりますし。

逆に言えば暗号解読までは完璧でした。コロナ明けで何か思い出を残したい少年少女たちが旧校舎に侵入。そこで見つけた宇宙服を着た死体を調査していく。死体が本物なのか、なぜ宇宙服をきているのか、意味深な暗号はなにか…めっちゃ楽しいじゃないですか。

その後の全てがダメです。

なーにが若くして夭折した女優が残した物語だよ。なーにがその物語に囚われた哀れな男だよ。そんなもん知らねーよ。こっちはさ、青春SFを期待してこの作品を読んでんだよ。なんでどんどん真逆の現実に近づくほうに物語転がしてるんだよ。悪い意味で読者の期待を裏切り続けます。

で、物語の1番盛り上がるところはこれまで出てきたこともないキモ男が1人泣くシーン。なんじゃこりゃ。ため息しか出ません。

久しぶりに中盤から一気にダメになる物語を読みました。勉強させていただきました。

キャラ C
なんもない

最後に
なんもないわ

どんな人にオススメか?
オススメしません

それではこの辺で(≧(エ)≦。)

書籍情報

タイトル

夏を待つぼくらと、宇宙飛行士の白骨死体



著者

篠谷巧



レーベル

ガガガ文庫


ISBN

978-4-09-453198-5

表紙画像のリンク先


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